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スマートフォンの時代 「独自進化」日本に転機 攻め込む海外メーカー
スマートフォン(高機能携帯電話)が日本や世界の通信事業を変えようとしている。パソコンのように世界標準のOS(基本ソフト)やインターネット接続機能を持ち、様々な応用ソフトが利用できるスマートフォンの台頭は、独自に発達してきた日本の携帯電話市場に「門戸開放」を迫る。スマートフォンを巡る通信・メーカー各社の攻防が始まった。 「発売をもっと急いでほしい」。今春、NTTドコモの山田隆持社長は韓国サムスン電子首脳に要請した。ドコモが求めたのはスマートフォン「ギャラクシー」。韓国で6月に発売し10日間で20万台、米国では1カ月半で100万台を売った人気端末だ。日本では来春の発売だったが今年10月に早まった。 さらに来年春までに韓国LG電子、中国の中興通訊(ZTE)もスマートフォンを日本で発売する。独自の進化を遂げた日本の携帯電話市場は世界と相いれない「ガラパゴス」といわれてきた。世界市場で売る端末を持ち込めず日本市場を敬遠してきた海外勢が、再び日本に注目している。 国内の携帯電話出荷は2010年に3100万台と前年比8%減少する見込み。一方、スマートフォン市場は08年にソフトバンクモバイルが米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を発売してから急拡大。10年は同80%増の310万台、14年には890万台まで増えるといわれる。 ソフトバンクの孫正義社長は「インターネット用端末はパソコンからモバイルに移る」とスマートフォンの機種を増やす方針。世界と同じスマートフォンが使える“非ガラパゴス市場”が日本に広がる。アジア勢が押し寄せる中、日本メーカーはどう迎え撃つのか。 シャープが12月に発売する新端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」。オンリーワン商品・デザイン本部の岡田圭子本部長は「進化の象徴としてあえてこの名を付けた」と話す。世界標準のOSをベースに日本語表示に適した技術を採用した。まず電子書籍端末として需要を開拓。3万冊の電子書籍を配信するほか音楽や映画など順次コンテンツを増やす。 機能足す日本勢 10月1日に富士通と携帯電話機事業を統合する東芝。準備しているのはアイフォーンのように多様な応用ソフトを利用できるうえ、日本特有の「おサイフ機能」が使えるスマートフォンだ。 日本勢は世界市場をにらんだ世界共通の端末を開発。地域ごとのニーズに応じてカスタマイズする手法を練る。日本向けでは日本市場でなじんだ機能を追加する。富士通の大谷信雄執行役員常務は「日本は用途技術の実用化が早すぎた。今が生かす好機」とみる。 ただ、国内勢のスマートフォン出荷単価は500ドル前後と予想される。バークレイズ・キャピタル証券の津坂徹郎アナリストは「世界で億単位の端末を販売するアジア勢のコスト競争力は高く、単価は300〜400ドル程度」と分析する。 かつて10社を超えていた国内メーカーはシャープ、富士通・東芝、NECカシオ、パナソニック、京セラの5陣営に集約された。戦う体制は整いつつあるが、スマートフォン時代の激流に備えるための時間は少ない。 タッチパネルや液晶フィルム、東レやクラレが増産 素材各社が相次いで先端的な電子材料を国内で増産する。東レは情報端末などに使われるタッチパネル向けのフィルム材料の生産能力を2倍に増やす。昭和電工は同材料に新規参入する。タッチパネルは高機能携帯電話(スマートフォン)向けに需要が急拡大している。高度な製造技術が必要な電子材料は日本の素材メーカーが競争力で勝る。円高基調でも国内に積極投資し、海外勢に対する優位を広げる。 東レは2012年夏までに先端的な光学フィルムの生産に200億円を投じて能力を増強する。国内では岐阜工場(岐阜県神戸町)に新ラインを建設し、タッチパネルの表面に使うカバーフィルム材料の生産能力を2倍に引き上げる。岐阜工場への投資額は50億円程度とみられる。 東レの同材料の世界シェアは約6割。カバーフィルムには透明性や、摩擦への耐久性が求められる。開発部門との連携が不可欠で、製造ノウハウを国内にとどめるためにも、付加価値の高い最先端品は国内で生産する。韓国では液晶パネルの「偏光板フィルム」の新ラインを設ける計画だ。 昭和電工は11年春に大分コンビナート(大分市)に生産設備を建設、タッチパネルのカバーフィルム材料に参入する。当面年産30万平方メートルでスタートし、将来は年100万平方メートル級の設備も視野に入れる。 粘着剤大手のリンテックはタッチパネルのフィルムやガラスを張り合わせる粘着シートを3割増産する。11年春に吾妻工場(群馬県東吾妻町)に新ラインを建設する。あわせてカバーフィルムを仕上げる加工設備も併設する。11年秋までにタッチパネル関連で40億円強を投資し、同事業の売上高を10年度見通しの約25億円から15年度には約100億円にする計画だ。 調査会社の米ディスプレイサーチはタッチパネルの市場規模が15年には10年見通しの2倍の124億ドル(約1兆400億円)に拡大すると予測している。 タッチパネル以外でも電子材料の増産が相次ぐ。クラレは液晶パネルの偏光板に欠かせない材料で世界シェア8割を握る先端素材「光学用ポバールフィルム」の新ラインを、西条事業所(愛媛県西条市)に建設する。12年春までに年産能力を3割高める計画だ。 帝人は今春、磁気記録テープやハイブリッド車の絶縁材に用いる国内でしか生産していない高機能フィルムで、宇都宮事業所(宇都宮市)の生産設備を改良。年産能力を2.5倍に増やした。 素材メーカーも価格競争が激しくなっている汎用品の分野では、海外での生産が増えている。ただ、一部の先端的な材料は、製造に高度な技術が必要なため台湾や韓国勢の追随が容易でない。日本の各社は海外勢に対するリードがあるうちにいち早く国内で増産投資に踏み切る。先行利益を維持し、収益の柱に育成する戦略だ。 任天堂、「3DS」発売大幅ズレ込みで大誤算 最終利益が半分以下に 任天堂が来年2月26日に発売する専用のメガネをかけずに3D(3次元)映像を楽しめる携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」。業績回復の起爆剤と期待されるが、当初は年末商戦に間に合う発売を想定していたが大幅にずれ込み、2011年3月期の業績予想の下方修正を余儀なくされるなど、早くももくろみに狂いが生じている。 一部で11月発売と報じられたこともあり、ファンの間からは、来年まで待たされることに「ガッカリ」との声が上がっている。欧米での発売も来年3月以降となる。 3DSは、現行のDSと同じ2つのディスプレーを搭載し、上部は3D映像の表示、下部は画面を直接触って入力するタッチパネル操作に対応している。3D映像の見え具合を手動で調節できるほか、背面に設置した2つのカメラを使って3D画像を撮影できる機能も搭載している。 任天堂の岩田聡社長は同日、千葉市美浜区の幕張メッセで開いた会見で「3Dにすることで奥行きや距離感が認識しやすくなり、利用者がゲーム空間を自由自在に動き回れるようになる」と、3D効果を強調した。 任天堂は、04年に携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を、06年に据置型機「Wii(ウィー)」を相次いで投入。新機軸でゲーム人口を広げ、ハードの販売を増やすことに成功し、業績も右肩上がりで伸びてきた。しかし、足元では、円高に加え、発売から6年が経過したDSの販売台数が前年のほぼ半分に激減したことなどが響き、4〜6月期決算は252億円の最終赤字に転落している。 任天堂では、3DSを業績回復の切り札と位置づける。ただ、当初年内を想定していた発売時期が遅れたことに、岩田社長は「それでは十分な販売量の確保が難しいことが分かった」と説明する。 ただ、その結果、11年3月期の最終利益予想を従来の2000億円から900億円と半分以下に下方修正した。10年9月中間期が700億円の黒字から20億円の赤字転落する見込みとなったことに加え、3DSでカバーできなくなった。 市場関係者からは「来年の投入は予想外だった」(アナリスト)との失望の声も聞かれる。これに対し、岩田社長は「ゲーム機は、今年度のことだけを考えるのでなく、中長期的なビジネス展開を考慮してしっかりとスタートさせることが重要だ」と述べ、理解を求めた。 日産ゴーン社長 米GMとの提携に意欲 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は、29日付のフランスのルモンド紙とのインタビューで、経営再建中の米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)との提携に意欲を示した。ダウ・ジョーンズ通信などが報じた。ゴーン氏は「GMと一緒にやることはたくさんある。相乗効果は大きい」と語った。 ゴーン氏はインタビューで、米オバマ政権が昨年3月にGMに運転資金の融資など追加支援をした際に、GMの経営トップへの就任を要請されたことを明らかにした。ただ、フランス大手自動車ルノー・日産連合の経営も金融危機の影響を受けていることなどを理由に要請を断ったという。 ゴーン氏はさらに、出遅れが指摘される中国や、ブラジルやインドなどの新興国での販売拡大に意欲を示した。 産業界の「反発」と省庁の「利害」の狭間で環境税議論が本格化 民主党の税制改正プロジェクトチーム(PT)は29日、石油や石炭など化石燃料に課税する「地球温暖化対策税(環境税)」の導入を検討する小委員会の初会合を開き、環境税の本格論議が始まった。11月末をめどに政府税制調査会への提言をまとめる予定だが、負担増を嫌う産業界の反発に加え、制度設計をめぐる省庁間の隔たりも大きく、意見集約は難航しそうだ。 昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)でガソリンなどの暫定税率を廃止し、環境税に一本化する方針を掲げた民主党だが、財源難から平成22年度中の暫定税率廃止を断念。税制改正大綱には「23年度実施に向けた成案を得るべく検討を進める」と書き込むのみにとどまった。 ただ、この日の初会合で一部の議員から「全産業に波及する。(導入を)強行すれば(次の)総選挙は持たない」など導入に反発する声が飛び出した。鉄鋼や化学などエネルギー消費量の多い産業にとって負担となるだけに、景気回復を急ぐ菅政権に「悪影響を与えかねない」からだ。 省庁間の利害衝突も、影を落とす。23年度税制改正要望で環境省は暫定税率を廃止したうえで同規模の新税を創設し、石油や石油製品、石炭、天然ガスなどを輸入・供給する企業に課税する案を示した。 税収は地球温暖化対策に充て、二酸化炭素(CO2)削減を加速させる考えなのに対し、産業界への配慮から慎重姿勢だった経済産業省も「過大な負担が生じる」(幹部)と対案を出し、現行の石油石炭税の課税強化を求めている。ここにきて、総務省も自動車にCO2排出量などに応じて地方税を課税する「環境自動車税」を提案するなど、環境税論議に“便乗”する動きもある。 しかし、環境、経産両省は税率について「年末までに決める」とし、使い道に関しても「温暖化対策に充てる」との表現にとどまるなど、具体策は示されないままだ。「エネルギー対策特別会計に税収を組み入れること」で折り合う両省だが、環境税の幅広い活用を求める他省庁から反発は必至とみられる。 「『エコ』が『エゴ』になってはいけない」。PTの中野寛成座長は建設的な議論を呼びかけたが、複雑な利害が絡みあうだけに、年末までの決着は微妙な情勢といえそうだ。 たばこ、1日値上げ 駆け込み需要ピーク 増税によるたばこの値上げを10月1日に控え、買い置きのための駆け込み需要がピークを迎えている。コンビニエンスストアの店頭ではカートン単位でまとめ買いする顧客が目立ち、値上げ前日となる30日のたばこ売上高は前年の5〜10倍に膨らみそうだという。 最大手のセブン―イレブン・ジャパンのたばこ販売額は、先週は前年同期の6割増だったが28日には約3倍になった。ロー |

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