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ソニーのクラウド音楽サービス Music Unlimited by Qriocity、PSP向けに提供
 先日提供されたPSP v6.35アップデートは国内向けに x-RADAR Portable アプリ (のアイコン) を追加したが、米国リージョンのPSPでは [Music] 以下に " Music Unlimited powered by Qriocity " が加わった。Music Unlimited は、ソニーのオンラインサービス Qriocity に含まれるクラウド音楽サービスの名称。かつて SOS ( Sony Online Service) というすごい略称で発表された Qriocity はテレビやPC、携帯電話、ゲーム機など機器を問わずに使えることを目指した「ネットワークサービスのプラットフォーム」で、その一部として音楽の Music Unlimited や、すでに海外向けのテレビで導入されているビデオサービス Video On Demand が提供されるという関係だ。
 Music Unlimited のサービス内容は、「クラウド上で管理される膨大な音楽ライブラリーから、お好みにあわせてカスタマイズされた音楽チャンネルを、ご自身でファイル管理をすることなく、様々な機器上でお楽しみいただくことが可能です。」(Qriocity 発表文) 。またQriocity.comの解説では、パーソナルライブラリをクラウドにアップロードしていつでもアクセスできる、また自動おすすめ機能で新しい音楽の発見 (と購入) もできるなどと説明されている。
 Music Unlimited のサービス開始は年内予定。PSPでも SensMe Channels の上にアイコンが追加されたものの、開いてもウェブの Coming Soon ページに飛ばされる。9月の発表ではサービス開始時にBRAVIA、VAIO、XPERIA、BDプレーヤやホームシアター、PS3で、準備が整いしだいポータブル機器にも、と表現されており、Connect のトラウマを乗り越え今度こそアップル iTunes に真っ向勝負を挑む構えです。国内PSPには提供されるのかどうかも今のところ不明。



ソニー、ニコン、サンディスクが次世代メモリカード仕様開発
 ソニーとニコン、米半導体メーカーのサンディスクの3社は30日、デジタルカメラやデジタルビデオカメラに使う次世代のメモリーカードの仕様を共同で開発したと発表した。カメラからパソコンにデータを転送する時の速度や容量を高めた。3社はコンパクトフラッシュの業界団体に標準規格として認定するように提案した。
 写真や動画映像を扱うメディア業界からは大容量データを迅速に処理する記憶媒体が求められていた。コンパクトフラッシュの既存品は1秒当たり最大167メガバイトの転送速度だったが、3社で開発した次世代品は同500メガバイトと約3倍に高めた。保存容量は2テラバイト超まで可能という。今後は今回の仕様に基づいて各メーカーが商品化に向けて開発する。
 規格の標準化を認定する業界団体はコンパクトフラッシュ・アソシエーション(米カリフォルニア州)で1995年に設立している。



グーグル、Groupon買収交渉で53億ドルを提示か--All Things Digital報道
 All Things Digitalは米国時間11月29日、Googleがクーポン共同購入サイトGrouponの買収に向けた交渉で53億ドルを提示しており、買収が成立した場合には同社最大の買収になることを情報筋の話として報じた。
 All Things Digitalは、今回の買収について、最終段階で失敗に終わる可能性が当然あるものの、早ければ30日朝にも成立する様子を見せていたと情報筋が語ったことを伝えている。



身振りでゲーム操作するMicrosoftの「Kinect」、25日で250万台販売
 Microsoftは11月29日、Xbox 360用モーションコントローラ「Kinect」が、発売から25日で250万台以上売れたと発表した。
 Kinectは11月4日に発売され、最初の10日で100万台が売れた。11月末には年末商戦が本格的に始まり、最初の週末にはかなりの需要があったという。Microsoftは年内の販売台数を500万台と見込んでいる。「供給不足にならないよう、できるだけ速く店舗にKinectを補充するため、小売店および製造パートナーと協力して生産と出荷の迅速化に尽力している」と同社は述べている。
 Kinectはカメラとセンサーでプレイヤーの動きをとらえ、それをゲームの中で再現するため、身振り手振りでゲームを操作できる。現在、世界の18の地域で販売されており、日本では20日に発売された。



ウィルコム、会社更生計画が認可決定
 会社更生法による法的整理に入り、更生計画案を裁判所に提出していたウィルコムは、更生計画が認可されたと発表した。
 同社は、昨年9月に事業再生ADR(産業活力再生特別措置法所定の特定認証解決手続き)を申請し、債権者に対して借入金残金の返済期限延長を求め、債務の私的整理を目指した。しかし、今年2月に私的整理を断念して会社更生法を申請、法的整理に向け取り組んでいた。
 10月、更生計画案の付議決定を受け、計画案が決議されることが決定した。今回、その書面投票の結果、債権者の賛同を受けて更生計画が認可された。
 なお、ウィルコムとスポンサー契約を結ぶソフトバンクの代表取締役社長の孫正義氏は、10月28日の2010年第2四半期決算発表会において、ウィルコムの基地局設置場所にソフトバンクの基地局を建設する計画を示した。また、ウィルコムの約373万ユーザーに対して、「急激に減っては経営的に良くない。なんとかこれを良い方向に持って行けるような目安をつけている最中」などと話している。



ソニー、シャープ液晶工場の投資断念報道にコメント
−「当社が発表したものでは無い」
 ソニーは29日、シャープとの液晶パネル生産合弁会社・シャープディスプレイプロダクト(SDP)への経営参加を断念するとの報道に対し、「当社が発表したものでは無く、これ以上のコメントは控える」と発表した。
 ソニーとシャープは2009年7月に、液晶テレビに使う大型液晶パネル、およびモジュールの生産/販売事業における合弁契約を締結した。大阪府堺市に工場を持つSDPに、ソニーが100億円を出資して合弁会社化。同年10月から生産を開始している。2009年12月29日時点での出資比率はソニー7.04%、シャープ92.96%。
 ソニーはその後も段階的な追加投資を実施し、持株比率を最大34%まで高め、経営に本格参加するとしていた。
 しかし、読売新聞は27・28日に、「ソニーは追加投資をとりやめ、経営参加を見送る方針を固めた。パネル調達計画は見直され、台湾製品の比率を高めることになる」などと報じており、それを受けて、今回ソニーが「当社が発表したものでは無い」とコメントを発表した。



家電エコポイント、あすから半減 販売ピーク拡散、混乱回避狙う 経産相「冷静な理解を」
 政府は家電エコポイント制度について、12月1日からすべての対象商品のポイントを半減する。現行制度のままだと来年3月の制度終了までに予算を使い切る可能性が出てきたため。さらに来年1月からは、省エネ基準の達成度を示す「統一省エネラベル」で「5つ星」の商品買い替え時に限定してポイントを付与。販売ピークを拡散し、混乱を避ける狙いがある。
 制度変更直前の30日も、各地の家電量販店では駆け込み需要が続いている。大畠章宏経済産業相は同日の閣議後の記者会見で「いずれやめないといけない政策。反動減が予想されるが、冷静に受け止めてほしい」と制度変更に理解を求めた。



Microsoftが「ネットテレビ」再挑戦へ Google、Appleと競合か
 米Microsoftがテレビ分野に再び力を入れようとしている。ただし今回に関しては、同社が狙いを定めているのは、ケーブルテレビ(CATV)、衛星放送、そして電話会社のようだ。
 Reutersの取材に応じ、情報筋が語ったところによれば、Microsoftは自社のゲーム機Xboxで月額定額制の新しいテレビサービスを提供する計画をめぐり、テレビ局各社と話し合いを行っているという。実現すれば、GoogleやAppleのほか、オンラインDVDレンタル大手Netflixなどの取り組みと競合することになるサービスだ。
 過去にもMSNBCやWebTVに投資してきたMicrosoftだが、今回の計画は、リビングルームのエンターテインメントを再定義しようという動きが加速するなかで進められているものだ。ここ1年ほど、テクノロジー各社の間では、価格の高いペイTV(有料テレビ)への加入に代わる、より安価な代替選択肢の提供を目指す動きが広がっている。
 Microsoftが検討中のシナリオの1つは、Xboxで提供する新しいテレビサービスを開発し、「仮想CATV事業者」としての役割を果たすというものだ。同社の計画に詳しい2人の情報筋によれば、このサービスではABC、NBC、Fox、CBS、ESPN、CNNなどのテレビ局の番組を月額料金制でXboxから視聴できるようになるという。
 そのほかの選択肢としては、CATV加入者がXboxを使って、よりインタラクティブな方法で番組を視聴できるようにするというものもあるという。例えば、お気に入りのテレビ番組を視聴しながら、友人とメッセージもやり取りできるといった具合だ。
 情報筋によれば、さらにMicrosoftは顧客向けに番組パッケージを編成し、例えば、スポーツ番組や子供向け番組などをパッケージで提供する可能性についても検討中という。



【産経主張】日航の更生計画 スト実施で認可は問題だ
 経営再建中の日本航空の会社更生計画案について、銀行など債権者の大半が同意した。これを受け、30日にも計画案は東京地裁の認可を受ける見通しだという。
 しかし、日航の現状を見る限り、計画案がこのまま認可されることは許されまい。一部労組が人員整理に断固反対の立場を崩さず、ストライキを実施する方針を決めたため、更生計画自体が瓦解(がかい)しかねないからだ。
 人員の削減は更生計画の柱である。5200億円の借金棒引きと出資による3500億円の公的資金を投入する前提だ。
 日航は労組のゴネ得を許す労使なれ合いの体質もあって、何度も再建が頓挫し、今年1月に破綻した。このままでは同じ轍(てつ)を踏む懸念が残る。「甘え」の企業風土を温存したままでの公的資金投入は国民の理解を得られない。
 日航は来年3月までにグループ全体で1万6千人を削減する目標を掲げ、希望退職を募ってきた。しかし、パイロットと客室乗務員については目標に達せず、計250人の整理解雇を決めざるを得なかった。これに対して客室乗務員の一部の労組はスト権を確立した上、整理解雇の撤回だけでなく、人員整理そのものにも反対し、来月24日、25日にストを強行する方針を決めた。
 整理解雇は雇用契約を一方的に取り消すことになるため、実施にあたって法律で厳しい条件が課せられている。だが、日航はそもそも破綻企業であり、その条件に該当する。再建を成功させるには、整理解雇もやむを得ない。
 支援機構は当初、「スト権を確立すれば出資しない」と労組を牽制していた。ところが、労組側がスト実施を決めたにもかかわらず、「客室乗務員の多くは別の労組に所属しており運航に大きな支障はない」などとして、公的資金を出資する方向に傾いている。
 経営側も、整理解雇の規模縮小や、地上職への転籍を促す妥協案を示して話し合いを継続する方針だという。これでは、支援機構も経営側も腰砕けである。すでに希望退職に応じた地上職社員に対しても
決済機能付きで最小のマイコン ルネサスエレ
 ルネサスエレクトロニクスは、スマートフォン(高機能携帯電話)向けに世界最小の決済機能付きマイコンを開発した。国内で初めて非接触型決済の国際規格「NFC」に対応する。11月下旬に米IT(情報技術)大手グーグルが携帯電子決済への対応を表明し、海外市場でも決済機能付きスマートフォンが急速に普及する見通し。2011年3月からサンプル出荷を始め、海外携帯端末メーカーへ拡販を急ぐ。
 開発したマイコンは、スマートフォンと決済用機器との間で電波をやり取りする無線通信制御機能と、決済情報を暗号化して偽造を防ぐセキュリティー機能を持つ。非接触型部品で強みがある大日本印刷がコンデンサーや抵抗部品と一緒に基板に組み込んで製品化する。
 スマートフォンを機器にかざし、電車やバスの乗り降りや商品の購入、オフィスの入退室管理システムなどに使う。
 海外の競合他社は機能ごとに半導体チップが別々。同社は無駄な回路を省き、面積や厚みを減らす組み立て加工技術を導入して、1個の半導体チップに必要な機能をすべて盛り込んだ。
 国内携帯市場では電子マネー「おサイフケータイ」による決済機能が普及。採用規格はソニーが開発した「フェリカ」だが、欧州や米国の主流規格とは互換性がない。
 一方、NFCはフェリカ、欧米規格とも互換性があり、事実上の世界標準規格。グーグルは携帯電話用の基本ソフト(OS)をNFCに対応する予定で、スマートフォンの世界市場で12年にはNFC対応端末が現在の10倍の3億台に増加するとの試算もある。ルネサスは世界標準規格に対応した最小チップを市場投入して、海外半導体メーカーに対抗する。



JCOMが高速無線通信 来月から「WiMAX」
 CATV最大手のジュピターテレコム(JCOM)は大株主のKDDIと通信サービスに乗り出す。第1弾としてKDDIグループのUQコミュニケーションズの高速無線通信「WiMAX(ワイマックス)」をJCOMのネット接続サービス加入者に提供する。UQコムの同種サービスよりも料金を安く設定して加入者の拡大につなげる。
 12月15日から札幌、仙台、関東、九州でサービスを始める。2011年2月には関西にも対象を広げる。契約期間は1年間。加入者はワイマックス内蔵パソコンか、ルーターなどの対応機器を用意する必要がある。
 月額利用料は3600円と、UQコムのサービスに比べ300円ほど安い。対応ルーターがあれば多機能携帯端末や高機能携帯電話(スマートフォン)を使い外出先でも利用できる。
 JCOMのネット接続サービスは加入世帯数が10月末時点で約167万世帯で、1年前より約7%増えた。無線通信の導入で加入者獲得に弾みを付ける。KDDIは2月にJCOMに出資。両社はCATV回線を活用した固定電話サービスも11年4月に始める計画で、事業連携を加速する。



電子書籍、端末の競争激しく 年末商戦へ各社新機種
コンテンツ配信も拡充
 年末商戦に向け、電機メーカーなどが電子書籍に適した情報端末を相次ぎ投入している。シャープは29日、タブレット型の多機能携帯端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」を12月10日に発売すると発表した。日本経済新聞など新聞各紙のほか、雑誌や書籍など約2万冊の電子書籍の配信も端末発売と同じ12月10日に始める。
 無線LAN(構内情報通信網)を経由してインターネットに接続すれば、ウェブサイトの閲覧をはじめとする幅広い使い方が可能。新聞や雑誌といった定期刊行物は自動配信にも対応している。2011年春には動画や音楽、ゲームなどのコンテンツを拡充して端末の普及につなげる。
 コンテンツの配信サービスは、シャープがKDDI(au)やソフトバンク、NTTドコモの携帯電話各社に今秋から順次供給する高機能携帯電話(スマートフォン)でも利用できる。ガラパゴスと新型スマートフォンの合計で早期に100万台の販売を目指す。
 ソニーが同じく12月10日に発売する「リーダー」は読書のしやすさで特色を出す。白黒の微粒子を制御して文字を表示する電子ペーパー方式を採用。動画・カラー表示はできないが、画面が発光しないため目に優しい。
 消費電力も低く、1回の充電で1万ページを表示でき、通常利用だと2週間はもつ。画面が5型で重量155グラムの端末は長時間の読書でも持ち疲れしない。初年度の販売目標は30万台に設定した。
 凸版印刷やKDDI、朝日新聞社と共同で設立したブックリスタを通じて12月10日に配信サービスを始める。書籍を中心に2万冊を用意する。
 携帯電話各社も年末商戦ではスマートフォンをはじめ電子書籍に適した多機能端末をそろって拡充する。端末と配信サービスの組み合わせにより市場開拓で先行している米アップル「iPad(アイパッド)」との競争が激しくなりそうだ。



KDDI、クラウド機能拡充へ 企業の運用コスト、4割削減
 KDDIは29日、企業向けクラウドサービスの機能を拡充し、来年1月4日から提供すると発表した。顧客企業の社員が自分で管理しているパソコンのソフトやデータをネットワーク上に設置するサーバーで一元的に管理して運用コスト削減につなげるほか、高精細なハイビジョン画質でのテレビ会議を外出先でも手軽に利用できるようにするのが柱だ。
 社員が各自で管理しているパソコンに保存されたアプリケーションソフトやデータを、KDDIのサーバー上で集中管理することで企業の情報システム部門の負担を軽減し、運用コストを従来に比べ約4割削減できるという。
 テレビ会議では、KDDIのサーバーに通信回線を経由して接続することで、外出先でもハイビジョン画質のテレビ会議に参加できる。主に従業員数500人以上の企業を対象とする。
 東京都内で記者会見したKDDIの山田靖久・データ商品企画部長は「今後の本格的なクラウド需要に対応していきたい」と話した。



シャープ、液晶TV“宴の後”に待つもの
 26日昼の東京・有楽町。液晶テレビやプラズマテレビが並ぶ大手家電量販店の1階フロアは、薄型テレビを買い求める人々で埋め尽くされた。普段なら比較的人出の少ない午後3時だが、この日の商談受付の列は約1時間半待ち。消費者を駆り立てるのは、12月からエコポイント制度が縮小されるのをにらんだ“駆け込み”需要だ。
 電機大手銘柄の中でシャープの株価がさえない。
 26日終値は815円で、日経平均株価が年初来安値を付けた8月31日からの上昇率は1.4%。同時期にライバルのソニーが22%高、パナソニックが13.1%高と大きく反発しており、シャープ株の上値の重さが際立つ。
 背景にあるのが、同社の液晶パネル・テレビ事業の先行きに対する株式市場の厳しい視線だ。
 2011年3月期はエコポイント制度が需要を強力に押し上げているため、液晶テレビの販売台数が前期の約1.5倍の1500万台に急拡大する見通しだが、連結純利益は300億円と過去最高だった08年3月期の約3割にとどまる見込み。低価格攻勢を得意とする韓国サムスン電子などの台頭で価格競争が激しさを増しており、シャープの利幅の小ささを「もはやビジネスモデルの限界」(外資系証券アナリスト)と指摘する厳しい声もある。
 さらに問題なのは来期の国内商戦だ。来年3月末でエコポイント制度は終了、7月下旬には地上デジタル放送に完全移行し、一気にテレビ関連の政策特需が消滅する。シャープのある役員は「2010年度の薄型テレビ市場は国内全体で1800万台超に膨らむだろうが、政策の恩恵を除いた実力ベースは900万台程度。追い風がやむ来期以降の国内販売減は避けられない」と漏らす。
 経済産業省の集計によると、個人による薄型テレビのエコポイント申請件数は、制度が始まった昨年7月〜今年10月末までの16カ月間で約1620万件。全世帯のおよそ3分の1が同制度を活用して薄型テレビを購入した計算だ。今後は「家庭の2台目、3台目需要を本格的に開拓しないと販売台数が伸びない」(シャープ役員)時代が到来することになる。
 夏場以降の世界的な液晶市況悪化を受け、シャープは下期(10年10月〜11年3月期)に「液晶パネル全体で1割程度の減産を想定している」(安達俊雄副社長)というが、来期以降も恒常的に液晶パネルの生産量を引き下げる事態に陥れば、総額4300億円を投じた堺工場(堺市)の液晶パネル製造ラインの巨額減損リスクを意識せざるを得ない。
 今月19日、シャープが中国で最新鋭の「第10世代」液晶パネル工場の建設に向けた調査を始めていることが明らかになった。南京市がホームページに環境影響調査を実施する旨の公告を掲載したためだ。
 シャープ側は「そういう計画はない」(広報室)と否定しているが、計画が具現化すれば同社が経営戦略の柱に位置付ける「地産地消」の推進に弾みがつく。シャープに“変革”を促している株式市場は今、同社の決断をかたずをのんで見守っている。



銀行業績回復 融資の拡大でこそ利益を(11月30日付・読売社説)
 大手銀行の利益は大きく回復したが、内容は及第点とはいえない。
 経済の血流となる貸し出しを増やし、経済成長に貢献しながら利益を積み上げていく、銀行業務の“原点”に戻るべきであろう。
 大手銀行6グループの2010年9月中間連結決算は、税引き後利益の合計が1・3兆円となり、前年同期の約3倍に膨らんだ。
 業績はV字回復だが、中身には問題が多い。貸出残高の減少が止まらず、銀行の本業である融資業務は低迷しているからだ。
 代わりに稼ぎ頭になったのが、債券の売買業務である。
 この中間期は市場金利が下がって、銀行が保有する国債などの価格が上昇した。銀行は値上がりした債券を売って差益を稼いだ。
 3メガ銀行の債券売却益は、みずほフィナンシャルグループと三菱UFJフィナンシャル・グループが、それぞれ前年同期の約8倍に、三井住友フィナンシャルグループも約4倍に達した。
 債券売買は、相場次第で利益が大きい反面、一転して大損する恐れもある。銀行が不安定な収益に頼るのは、金融システムの安定という面から望ましくない。
 融資の減少は大手だけでなく、地方銀行なども同じ傾向にある。原因について銀行は、設備投資などが振るわず、借り入れする企業が少ないことなどを挙げる。
 しかし、借り手の企業側には、銀行が貸し倒れなどのリスクを過剰に恐れ、融資を絞っているとの批判が根強い。
 現時点では、民間融資の焦げ付きを信用保証協会が全額肩代わりする「緊急保証制度」が、中小企業への貸し出しを下支えしているが、この制度は今年度で打ち切られる予定という。
 そうなると、融資は一段と絞り込まれる恐れがある。
 融資先を育てるという視点を忘れず、安易に貸し渋りなどしないよう、銀行側には求めたい。
 一方、大手銀行が海外に活路を見いだそうとする動きも加速してきた。アジアなど新興市場での金融ビジネス拡大は、政府の成長戦略にも沿う。
 日本企業が海外で、鉄道や電力などの社会基盤(インフラ)投資や市場開拓に取り組む際、良質な金融サービスを提供できる体制作りが急がれる。
 円高メリットを生かし、海外の金融機関との提携や買収を積極化するのも一策である。
 金融の国際競争に勝てるよう、業務の質を高めてもらいたい。
「Xperia(SO-01B)」がマルチタッチ対応に加えてAndroid 2.2へアップデート決定
 先日ソニーグループの携帯電話メーカー、ソニー・エリクソンが公式ブログで「Xperia(SO-01B)」をマルチタッチに対応させる予定であると明かしたことをお伝えしたが、マルチタッチ対応に続いてAndroid 2.2へのアップデートを行うことが明かされた。
 11月10日にAndroid 2.1へのアップデートが行われてから、ほとんど間を空けずに2.2へとアップデートされることになるが、レスポンスが大きく向上することになるため、ユーザーにとっては非常に喜ばしいことだ。
詳細は以下から。
 ソニー・エリクソンのCEO(最高経営責任者)、Bert Nordberg氏の公式Twitterによると、現在発売中の「Xperia X10(日本ではSO-01B)」について、2011年早期にAndroid 2.2へのアップデートとマルチタッチへの対応を実現する予定であるそうだ。
 ちなみにXperia X10に搭載されているディスプレイは、ディジタイザー(コンピューターに位置を指示するための装置)と呼ばれる部品の制約から、今までマルチタッチのサポートが見送られてきたが、技術者たちがディジタイザーのドライバおよびファームウェアのアップデートを新たに開発したことで、完全ではないもののマルチタッチがサポートされることになる予定だ。
 力技のマルチタッチサポートに加えて、短期間でAndroid OSのバージョンアップに踏み切るなど、アップデートに対する執念のようなものまで感じられるソニー・エリクソンだが、昨今の携帯電話業界では2年契約が前提となっていることを考えると、末永く利用できるようになるため、ユーザーにとってこの姿勢は非常にうれしいのではないか。



「アンドロイド」の功罪 スマートフォンに潜むワナ
 KDDI(au)が先週、スマートフォン(高機能携帯電話)の新機種を発売した。ワンセグ放送など日本独自の機能を搭載、事前予約が同社最高の27万台に達した。好調な米アップルの「iPhone(アイフォーン)」に一矢報いたが、新機種の発売を複雑な思いで見守る消費者もいた。
 「基本ソフト(OS)の更新を検討した結果、ハードの仕様上、難しいとの結論に至りました」。今月半ば、KDDIの発表がインターネットを駆け巡った。
 内容は6月に発売したばかりのスマートフォンに関する発表だ。スマートフォンはソフトを自由に更新できるのが特徴なのに、それが難しいという。OSを更新すれば映像の視聴機能が高まるはずだったが、利用者の期待は裏切られた。
 製造したのはどちらの機種も国内携帯最大手のシャープ。スマートフォンの実績もある同社がなぜ更新を断念せざるを得なかったのか。理由は米検索最大手のグーグルが提供する無償OS「アンドロイド」を使っていたからだった。
 無償OSの「リナックス」をベースにしたアンドロイドは無償で使えるため、アップルに対抗する世界の端末メーカーがこぞって採用した。シャープもその一社だったが、OSの機能更新のスピードが速く、商品企画が追いつかなかったというのが実態だ。
 「アンドロイドには良い面と悪い面と両方ある」。今年春までグーグル日本法人社長を務めた辻野晃一郎氏は指摘する。自前主義の日本メーカーはOSまで自社開発した結果、開発投資がかさみ、「ガラパゴス化」を招く要因となった。OSを外部に委託できれば、開発投資を大幅に軽減できるというのが利点だ。
 一方、中枢機能のOSを外部に依存すれば商品開発の自由度は奪われる。シャープの新機種も独自機能を盛り込むため、OSは1つ前の世代を使った。NTTドコモに端末を提供した韓国のサムスン電子が、独自機能よりも最新版の採用を優先したのと対照的だ。
 実は似た現象はパソコン時代にもあった。マイクロソフトがアップルに対抗して「ウィンドウズ」を提唱。メーカーはOS開発の手間が省け、ソフト会社はOSに関係なく開発に専念できた。アンドロイドが注目される理由もウィンドウズと同じ立場にあるからだ。
 しかし「グーグルと我々の戦略は違う」とマイクロソフトのクレイグ・マンディ最高研究戦略責任者は言う。アンドロイドは同氏が推した家電向けOS「ウィンドウズCE」の再来ともいえる。当時はマイクロソフトと組んだ日本企業が技術的に先行できたが、アンドロイドはグーグルのサービスのための受け皿であり、メーカーの取り分は少ないというわけだ。
 ソニーもアンドロイドを使った「グーグルTV」を発売した。だが、ソニー出身の辻野氏は「先行できるのは半年」とみる。では再びOSから開発すべきかといえば、日本企業にその力はないという。だとすれば、グーグルに対し日本の技術の採用を働き掛けていくしか手立てはない。ガラパゴスを脱するには国際標準に乗るのが賢明だが、乗り方を間違えれば、せっかくの優位性も失いかねない。



量販店店頭では購入できない!? 「GALAPAGOS」の思い切った販売 いよいよ12月10日から、シャープのメディアタブレット「GALAPAGOS(ガラパゴス)」が発売される。価格は、5.5型カラーTFTを搭載したモバイルモデルが39,800円、10.8型カラーTFT液晶を搭載したホームモデルが54,800円。シャープでは否定するが、この価格設定は、当然のことながら、iPadを意識したものといえるだろう。
 GALAPAGOSの詳細なスペックについては別稿に譲るが、その一方で注目しておきたいのが、GALAPAGOSの販売戦略である。
 実は、GALAPAGOSは、量販店店頭では直接購入できない仕組みを採用しているのだ。12月3日からの予約開始にあわせて、全国の主要量販店には、GALAPAGOSが展示されることにはなる。年内には全国約1,000店舗の量販店にGALAPAGOSが展示される見込みであり、首都圏であれば、ほぼ主要な量販店で、GALAPAGOSを手にとって見ることができる。
 しかし、その場で購入して、持ち帰ることはできない。購入者は、GALAPAGOSの売り場に設置されている購入申し込み用紙に必要事項を記入。そこにクレジットカードでの支払い条件を指定して、シャープに郵送する。シャープから受注完了のメールにより受注が完了。その後、基本的には2日間程度での発送が可能になると見ている。
 購入者は、GALAPAGOSの初期設定、無線LAN設定を行ない、送られたきたユーザーIDとパスワードを入力して、端末を登録する。さらに、ストアを利用するためのクレジットカード登録を行なう。これによって、GALAPAGOSが初めて利用できるようになる。
 一方で、インターネットでの購入も可能だ。郵送よりも、むしろこちらの購入の方が多いかもしれない。
 同社の「シャープメディアタブレットストア」サイトから、購入申し込み手続きをし、そこで同様にクレジットカードによる支払いを設定すれば、あとの流れは購入申込書の郵送パターンと同じだ。
 このように、シャープからの直販に限定したのが、GALAPAGOSの販売モデルということになる。
 品薄の際に、量販店店頭の「在庫あります」の表示につられて、衝動買いをしてしまったという経験を持つ読者もいるだろう。ニンテンドーDSやiPadなどのモバイル型の製品では、特にそうした傾向が強かった。
 だが、GALAPAGOSでは、こうした店頭での衝動買いといったケースは無くなり、さらに、量販店店頭を訪れた人にとっては、一度自宅に帰ってから、量販店でもらった購入申込書に記入するか、インターネットに接続して購入するということになるため、余計に一手間かかる。
●なぜ、シャープは直販限定としたのか?
 では、なぜ、シャープは販売モデルを、直販限定としたのか。
 シャープのネットワークサービス事業推進本部・新井優司副本部長は、「GALAPAGOSは、単に端末を売るという販売モデルではなく、サービスを含めて提供する製品。これまでの端末以上に、ユーザーオリエンテッドな端末として提供したいと考えている。シャープとお客様がより密接な関係を構築し、シャープ側からもさまざまな情報を発信し、利用を支援し、活用面での利点を提供していきたい。新たな端末を提供するために用意した、新たな販売モデルである」と位置づける。
 ユーザーとの緊密な関係を構築するには、当然、メーカー直販の方が優位である。日本のPCメーカーにも、販売方法をメーカー直販に限定して、ユーザーサポートの充実ぶりを前面に打ち出す仕組みを構築している例がある。GALAPAGOSが目指す日本のユーザーが求める手厚いサポートを実現する上では、最も適した販売モデルといえるかもしれない。
 そのほかに、直販モデルの一般的なメリットとして、在庫管理がしやすく、店頭における不良在庫が発生しにくい、量販店同士の価格競争などを背景として発生する価格下落が起きにくいという点がある。また、流通関連コストも削減できる。
 シャープにとって初めてのサービス融合型端末であり、結果として販売台数を予測しにくいこと、また戦略的な価格設定を行なったことなどを含めると、こうした点も直販モデルに限定した理由の1つと言えそうだ。
 そして、ネットウォーカーでの経験も、今回の販売モデル構築に活かされていることになるだろう。
 量販店では、配布した購入申し込み書からその配布店舗が特定でき、取り次ぎ手数料が量販店に支払われる仕組みだ。また、アプリケーションランチャーの最下部に用意された表示エリアには、取り次いだ店舗のアイコンが用意され、店舗のお得情報などが配信されることから、これを活用した集客メリットも期待できる。
 シャープでは、当面、この仕組みを維持する計画で、量販店を通じた具体的な販売計画はないとする。
 量販店が力を注ぐのは、利益率が高い製品、手離れのいい製品というのがセオリーだ。GALAPAGOSのこの仕組みが、量販店からどう評価されるかが、量販店がGALAPAGOSに本気になるのかどうかのバロメータにもなる。
 なお、今後も見込まれる米国における販売については、直販モデルに限定するかどうかは未定だという。
●さまざまな観点で進化するGALAPAGOS
 GALAPAGOSのブランドの前には、「進化する」という文字を付け、広告展開などでも、当面は「進化する GALAPAGOS」という表記を行なう。
 例えば、GALAPAGOSでは当面、電子書籍端末という切り口で展開し、TSUTAYA GALAPAGOSで提供されるサービス開始時2万冊、年内3万冊という書籍をラインナップすることを訴求する。だが、その後の方向性として、映像、ショッピング、教育、ヘルスケアなど、生活に深く関わる各種サービスをプッシュ型で提供する考えを示している。
 また、シャープのGALAPAGOSにはウェブ閲覧端末としての機能も搭載。さらに、ソフトバンクから発売されるGALAPAGOS「003SH」のように、電話、メール、ワンセグ、おサイフケータイ機能を搭載したように、GALAPAGOS端末の広がりといった進化もある。
 「端末とサービスが融合した点がGALAPAGOSの特徴。これまでは製品開発が完了し、発売日を迎えると、商品企画の担当者は、それで仕事が終わったという感覚を持つが、GALAPAGOSに関しては、むしろこれからが勝負という意識が強い。いつも発売日直前に感じる、仕事が終わったという感覚は一切ない」と、松本チーフが語るのも、進化を標榜するGALAPAGOSならではのものだろう。
 コンテンツの配信内容や仕組みが今後進化するというのは、まさにGALAPAGOSが実現する「進化」である。そしてマーケティングや販売方法についても、今後は進化が検討されることにはなるだろう。
 発売日の完成状態だけでなく、今後
携帯向け周波数帯を競売 総務省、11年から スマートフォン通信量増に対応
 総務省は2011年から、携帯電話向けの周波数帯を電波オークション(競売)方式で割り当てる制度を導入する。ビル陰や山間部でも電波が途切れにくい「プラチナバンド」と呼ばれる700メガヘルツと900メガヘルツの周波数帯が対象。15年までに最大100メガヘルツ分の周波数帯を携帯通信会社に割り当てる。多機能携帯電話(スマートフォン)や次世代携帯電話サービス(LTE)の利用に伴う通信量の大幅な増加に対応できるようにする。
 プラチナバンドは現在はテレビ中継やタクシー無線などに使われているが、割り当てが非効率であるために十分に利用されていない。競売制度を通じて既存の周波数帯を再編したうえで、携帯通信会社に一定量をまとめて割り当てる。
 携帯通信会社ではNTTドコモとKDDI(au)はすでにプラチナバンドである800メガヘルツ帯を利用している。このため、現在は携帯電話がつながりにくい問題を抱えるソフトバンクと、イー・モバイルが競売でプラチナバンドの取得に動くとみられる。
 総務省は11年の通常国会に、電波法の改正案を提出。まず900メガヘルツ帯について、通信会社が申請した事業計画や負担額などを審査し、割り当てを決める。欧米のオークションと異なり、通信会社は政府ではなく、既存の周波数帯の利用者に対して移行費用などを支払う必要がある。



苦難の就活、遠のく結婚 就職者も年収落ち込む
若年層、将来不安が少子化拍車も
 若年層の雇用改善が遅れている。15〜24歳の失業率は8%と、全世代の5%を大幅に上回る水準。学校を卒業した後も就職できない人が約12万人にのぼり、若年失業者の約4分の1を占める。就職できた若年層も2009年以降は年収が大幅に落ち込んでいる。将来への不安が広がるなか、10年は年間の結婚数が23年ぶりに70万組の大台を割り込む公算が大きい。(松尾洋平)
「卒業後も就職できず」12万人
 「まだ内定が決まらないのですが……」。9月下旬に厚生労働省が全国に設置した「新卒応援ハローワーク」。1カ月間で約3万人もの学生が職探しに訪れた。
 15〜24歳の若年失業者は約49万人。このうち学校を卒業後、一度も就職できないままに失業者になっている人は約12万人にのぼる。この年齢層の失業率は8.0%(9月)と高く、25〜34歳でみても5.9%と全世代の平均を上回る。若年層に雇用低迷のしわ寄せが出ているとみられ、厚労省は「予想以上に若年雇用は厳しい」という。
 新興国の成長や政策の下支えで景気は最悪期を脱したが、本格的な雇用改善にはつながっていない。人口に占める働く人の割合を示す就業率をみると、20〜30歳代は74.7%(9月、12カ月後方移動平均)。ここ数カ月はやや持ち直したが、リーマン・ショック前のピーク(08年2月)である75.4%と比べるとなお開きがある。駒沢大学の飯田泰之准教授は「正社員は解雇が難しいため、先行き不安を抱える企業は人材の受け入れをためらっている」と語る。
 15〜34歳で仕事に就いている人のうち、非正規社員の割合は3割近くで高止まり。パート・アルバイトで働く「フリーター」も09年は178万人と6年ぶりに増えた。
 日本経済新聞社の11年度の採用状況調査(10月)では、とくに非製造業の内定人数は前年度比で10.4%減った。東急ストアやベスト電器は内定数をゼロと回答。ローソンも来春入社の大卒内定者を3割減らした。
 就職できた若年層も手取り収入の減少に直面する。賃金構造基本統計調査をもとに20〜30歳代の平均年収(大卒・院卒の男性)を推計すると、09年は前年比4.2%減の478万円となった。3年連続のマイナスで、10年前に比べると34万円も減っている。業績の低迷でボーナスが減ったり、賃金の低い非正規の仕事に就かざるをえない人が多いためとみられる。
非正規の男性、既婚は17%止まり
 若年層の雇用低迷の悪影響は結婚活動にも及んでいる。厚労省の資料をもとに試算すると、今年9月までの12カ月の累計結婚数は69万組台。この傾向が続けば、10年は通年で23年ぶりに70万組の大台を割り込みそうだ。景気が回復しても雇用の改善が遅れており、将来不安から、特に09年半ば以降は結婚を手控える動きが出ている。
 人口動態統計から試算すると、結婚数は9月までの過去12カ月の累計で69万917組となり、3カ月連続で70万組を割った。累計の結婚数の伸びをみると、14カ月連続で前年同月を下回った。とくに4月以降はマイナス幅が3%を超える。
 10年通年で結婚数が70万組を割り込むとすれば、1987年以来、23年ぶりとなる。
 結婚数の減少傾向について、厚労省は「30歳代が伸び悩んでいるのに加え、20歳代が減っている」と説明する。女性の社会進出などで晩婚化傾向が強まっており、09年の平均初婚年齢は男性が30.4歳と、10年前に比べ1.7歳上昇している。
 最近の特徴は若年層の雇用・所得環境の低迷と、結婚数の大幅減のタイミングがほぼ重なっていることだ。就業構造基本調査によると、20〜39歳の男性で正社員は51%が結婚しているが、非正規では17%。厚労省の調査では05〜08年の4年間に結婚した40歳までの男性を結婚時点の所得階層別にみると、年収100万円未満は8.9%しか結婚していなかったが、400万〜500万円は26.0%が結婚した。
 仕事や収入が安定している若年層は結婚・独立が容易だが、非正規雇用や低収入の若年層は親元から離れることができない構図が浮かぶ。
 若年層の結婚数が減れば出生率は低迷する。収入が安定しなければ子育ての費用を負担するのも難しく、少子化が一段と加速する恐れがある。国立社会保障・人口問題研究所の試算では、出生率が低下する要因のほとんどは、結婚活動の低迷で説明できるという。



映画や音楽などコンテンツ、官民でアジア域内開拓
韓国の成功が刺激
 【台北=新居耕治】アジアの娯楽コンテンツ企業がアジア域内の市場開拓に動き出した。アジア各地でアジア製のテレビドラマや映画、音楽の人気が高まっているためだ。韓国をモデルに官民一体で産業振興を模索する事例も増えている。コンテンツ関連企業が資本市場で資金調達する手段も整いつつあり、競いながら産業として飛躍する時期を迎えている。
シンガポールは比ドラマ人気
 シンガポールではいま、フィリピンドラマが人気を呼んでいる。双子の男性兄弟が1人の女性を対象に恋に落ちる物語「タヨン・ダラワ」の英語版。フィリピンドラマが同国の地上波テレビに登場するのは初めてだが、放送枠は火曜日から木曜日まで週3回、午後7時から1時間のゴールデンタイムに陣取る。
 同ドラマを制作したフィリピンの有力テレビ局ABS―CBNは海外市場開拓に力を入れており、すでに20本以上をアジアを中心とする新興国に輸出した実績を持つ。
 シンガポールも負けていない。国営テレビ局のメディアコープが2009年に放送した大河悲恋ドラマ「リトル・ニョニャ」は爆発的な人気を呼び、マレーシアやタイ、ベトナムで放映されたほか、中国では上海東方伝媒集団がリメークした。
 メディアコープにとって同ドラマの海外収入は過去最高を記録し、最近は「制作段階から海外市場を意識するようになった」。今後はインターネットやスマートフォン向けでもコンテンツ輸出を強化する構えだ。
 アジア発アジア向けのコンテンツ市場はここへきて急拡大しており、台湾のテレビではタイのホラー映画が急増。音楽界では、フィリピンの女性歌手、シャリース(18)が韓国、タイでプロモーション活動を始めた。
 台湾のトップ歌手、周杰倫(ジェイ・チョウ、31)は中国の鄭州(河南省)や西安(陝西省)、合肥(安徽省)、成都(四川省)など内陸部でコンサートツアーを続け、ファン層の掘り起こしを続けている。
中国・大連はアニメ産業区
 プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の調査によると、日本を除くアジア太平洋地域の09年のコンテンツ市場規模は05年比50%増の約1838億ドル(約15兆円)で、14年には2860億ドルに拡大する見通し。アジア市場に早くから目をつけ、官民一体で開拓してきたのが韓国だ。
 韓国は97年のアジア通貨危機後、金大中政権が新たな輸出産業としてコンテンツの輸出を奨励。「韓国ドラマを買い付けると買い付け額以上の補助金がもらえたときもあった」(台湾のテレビ番組の輸出入大手、恒星多媒体の林錫輝・総経理)という。韓国政府はさらに13年までに3100億ウォン(約230億円)を投じ、映画・ドラマなどコンテンツの輸出額を78億ドルに増やす戦略だ。
 韓国の成功に刺激され、他のアジア地域でも官民一体でのコンテンツ産業の輸出支援に乗り出している。シンガポール政府メディア開発庁は今年4月、国際アニメ基金を設立した。シンガポール企業との国際共同制作案件に最大500万シンガポールドル(約3億1千万円)を補助し、国内アニメ会社の海外進出を促す。
 中国でも大連市(遼寧省)が2千万元(2億4千万円)を投じ、アニメ産業区を設立。大連交通大学と遼寧師範大学がアニメ制作の専門コースを設置し、3次元(3D)画像の制作を指導している。



事業拡充へ相次ぎ上場 日本のアニメ企業も検討
 アジアのコンテンツ企業がアジア域内の株式市場に上場し、資金調達するケースも増えてきた。拡大する市場規模をにらみ、投資家が資金を娯楽産業にも振り向けるようになったからだ。
 中国では昨年10月に開設された「創業板(中国版ナスダック)」に映画制作会社大手、華誼兄弟伝媒が上場した。華誼兄弟は中国で北海道ブームを巻き起こした恋愛映画「非誠勿擾」も手掛けた馮小剛監督の作品を主力とする映画制作会社。今夏に公開した「唐山大地震」のチケット収入は6億5千万元(80億円弱)に達し中国映画の過去最高を更新した。
 上場資金をもとに映画館の運営事業にも乗り出しており、3年以内に10億元を投じて中国全土に50カ所を新設する計画だ。
 韓国でも10月中旬、傘下にケーブルテレビ向けコンテンツ提供会社を持つオーメディアホールディングスが新興市場のコスダックに上場。芸能プロダクションの上場計画も相次いでいる。
 潤沢なアジアマネーを狙い、アジアの株式市場での上場を検討する日本企業も出てきた。アニメ制作のディー・エル・イー(東京・千代田)は市況低迷が続く日本市場を避け、2011年中をめどに台湾での上場を目指している。同社は今春から台湾のテレビ会社にアニメコンテンツの提供を始めており、個人投資家の多い台湾での上場で知名度向上も狙う。「将来は台湾を通じ中国市場に参入する」のが目標だ。



アリババ、1万社登録へ仲介サービス強化
 中国のインターネット商取引最大手アリババグループとソフトバンクの合弁会社、アリババ(東京都中央区)の香山誠社長は28日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、アリババグループの商取引サイトへの出店仲介サービス「アリババワールドパスポート」を強化する方針を明らかにした。登録企業向けの支援活動を拡充し、早期に1万社の登録獲得を目指す。
 アリババグループの取引サイト「アリババドットコム」は世界最大級のネット市場で、仲介サービスは、同サイトへの商品登録や出店の手続き支援業務を月額約5万円で提供する。これにより、国内の中小企業などは低コストで海外販路を開拓することができる。開始から約1年半となる今年末には利用登録企業が1000社の大台を突破する見通しだが、さらに登録を加速させるため、海外市場の動向などを紹介するイベント「サプライヤーデー」を展開。来月からは同サイトを利用する世界のバイヤー企業の情報などを登録企業のトップに毎月郵送するサービスなども開始し、顧客満足度の向上を図る考えだ。
中国での携帯向け広告、ドコモが明かす成功の秘訣
 中国に進出する日本企業が増えるのに歩調を合わせ、日本の携帯電話会社も中国市場での活動を積極化している。NTTドコモは2008年、上海に現地法人「都客夢(上海)通信技術有限公司(ドコモチャイナ)」を設立した。本業の通信サービスを手掛けない中国展開とはどういうものなのか。現地で話を聞いてみた。
 ドコモチャイナでは主に2つの業務を行っている。1つが日本からの旅行者や現地に長期滞在する日本人へのサポートだ。
 ドコモチャイナの石井良宗総経理は「上海市内にサポートデスクを開設し、日本からの渡航者に応対している。さらに、上海には約1万社に上る日系企業があるといわれており、中国で働く日本人が快適に日本語で携帯電話を使えるよう支援している」と説明する。
1年で1万4000人が来店
 上海のサポートデスクは、森ビルグループが運営する地上101階、高さ492メートルの複合ビル「上海環球金融中心(Shanghai World Financial Center)」の2階にある。6人のスタッフがいて、全員が日本語で対応する。
 日本からの観光客には充電や国際ローミングの設定方法をアドバイスすることが多いという。「09年10月25日に開設して以来、約1年で来店者数は1万4000人程度。来店理由では『充電器を日本に忘れてきてしまったので充電したい』が最も多い」とドコモチャイナの本間雅之氏は語る。
 現地で働く日本人向けには、中国の通信会社との携帯電話契約や端末購入をサポートしている。「上海には総領事館に届け出ているだけで4万8000人の長期滞在者がおり、2〜3カ月の滞在者を含めると10万人ともいわれる。彼らが中国国内でも慣れた日本語で携帯電話を使えるようにお手伝いしている」(本間氏)という。
中国版「iチャネル」も無償提供
 中国では、日本から携帯電話を持ち込んで国際ローミングで使うこともできるが、通信料金は国内通話に比べて圧倒的に高くなる。そこでドコモチャイナでは、NTTドコモと同じW−CDMA方式のチャイナユニコムなど現地携帯電話会社との契約を勧めるとともに、日本語に対応した端末を紹介している。現地で売られているノキア製の端末やシャープが最近中国で発売したグーグルの携帯向けOS「アンドロイド(Android)」搭載スマートフォンが日本語入力などに対応しているという。
 さらにノキア製の端末向けには、中国版の「iチャネル」といえる機能をドコモチャイナが無償で提供し、日本や中国、上海の主要ニュースを発信している。「我々は中国で通信会社としての免許は持っていないが、現地の通信会社がいたらない部分を支援していく」と本間氏は強調する。
 日本への帰国が決まった長期滞在者には、日本ですぐに携帯電話を使えるように、あらかじめ上海のサポートデスクで契約手続きをして電話番号を決めておくサービスも提供する。その際に割引クーポンを渡し、ドコモショップで安価に端末を購入できるようにするといった施策も展開している。本間氏は「日本での新規契約者の獲得競争が厳しいなか、中国でもとれる契約はとっていきたい」と話す。
化けると大きい中国の携帯向け広告
 ドコモチャイナが中国で展開するもう1つの業務の柱が、携帯電話を活用したマーケティングのコンサルティングだ。日系メーカーなどが中国でモノを売る際のプロモーションでは、テレビや雑誌、街頭広告といった媒体があるが、携帯電話向け広告も重要になっている。しかし、多くの日系企業にとって中国の携帯電話は未知の領域で、そこをサポートする。
 中国の携帯電話契約数は8億件に達するが、まだインターネットを利用しているのは2.7億件程度にとどまる。しかし、ここにきてスマートフォンや高機能端末の普及とともに携帯向けコンテンツ市場が成長し、プロモーションでも大きな成果を上げる企業が出てきた。
 「中国のある企業は、バナー広告だけで1カ月にクルマを3000台販売するという実績を上げた。出版社がコンテンツを一部5元(約63円)で販売したところ、1カ月に1億2000万もダウンロードされ、6億元(約75億円)を売り上げたという話もある。ポテンシャルがあるだけに化けるときは本当に怖いのが中国のモバイル市場」とドコモチャイナの石悦寛氏は語る。
 ただ、やみくもに携帯電話に広告を出しても意味がないという。「8億という数字はあってないようなもの。中国の場合、沿岸部と農村部という地域の違いや属性、職業によって大きく収入が異なる。ユーザーを見極めて広告を仕掛けていくことが大切」と石氏は指摘する。
端末の価格帯別に広告を出し分ける方法も
 携帯向け広告を出す日系企業にドコモチャイナが進言するのが、「地域や端末を絞り込んで広告を配信する」という手法だ。中国では北京や上海といった都市別のほか、端末の価格帯別にも広告を出し分けることができる。例えば、4000元(約5万円)以上の端末に広告を配信すると設定すれば、富裕層に狙いを定められる。「ユーザーを絞り込むことで売り上げを20%伸ばした日系企業の例もある。携帯向けサイトを訪問したユーザーへのアンケート回収率が97%を記録したこともある。日本では考えられないことが中国では起きる」(石氏)
 とはいえ、中国のモバイル市場は立ち上がったばかりだ。石氏は「中国に進出してきた日系企業には、まずマーケティング活動を徹底するよう勧めている。半年間は可能性を探って、どれくらいのアクセスがあり、どんな反響があるかを試すことが重要だ。何が当たるかわからないし、ニッチなことをやっても大きな市場だけに日本では想像できない反響が返ってくることがある」と解説する。
 中国で事業を展開すると、独特の商慣習や知的財産侵害の横行などに戸惑うことも多い。逆に、マーケティングがうまく当たれば、大きなリターンを得られるというチャンスも十分にあるようだ。



米製造業、再活性化のカギは? 米ダウ・ケミカルCEO アンドリュー・リバリス氏に聞く 資本よりアイデア重要に
 米国の製造業の地位低下が著しい。国内総生産(GDP)に占める製造業の割合は1950年代初めは3割弱だったが、2009年は約11%。経済のソフト化の陰で、イノベーション(技術革新)の空洞化が起きていると危機感を強める経済人もいる。活発に政策提言する米化学大手、ダウ・ケミカルのアンドリュー・リバリス会長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。
 ――6月に製造業の再活性化策をオバマ政権に提言した。
 「貿易促進や規制改革、エネルギー戦略など7つの取り組みを『高度製造計画』として提言した。製造業が衰退すると研究開発がなくなり、人材教育も劣化する。いま米国は競争力を失う重大な危機にある」
 「米国はかつて政府が課題を設定し、産業界がそれに応える形で発展してきた。60年代は月面着陸に向けて米航空宇宙局(NASA)が設立され、航空宇宙産業やコンピューターが発達した。こうした時代のように政府と産業界が連携し、先進的な投資や人材育成を進めるべきだ」
 ――政府と企業の関係強化は正しい方向性か。
 「民間に任せきりでうまくいく時代ではない。いわば貿易戦争、経済戦争の時代だが、一方でグローバルな秩序の確立への意見交換も必要になる。政治や経済における勇気あるリーダーシップが非常に重要だ」
 ――米国で製造業の空洞化が進んだ理由は。
 「生産コストが安い場所への移転は空洞化とはいえない。真の空洞化は高度なイノベーションを他国に先行された結果生じる。韓国や台湾などハングリーな場所で技術力の高い製品が生まれ、米国の消費者はこうした製品を選んだ。米国勢は油断してイノベーションで追いつけなくなった。今後の競争は資本や労働力でなく、アイデアをどう迅速に商業化するかの勝負だ」
 ――日本の競争力をどうみる。
 「日本は現実に対し目を開きつつある。農業部門の開放の話などが日本人の口から出てくるとは想像しなかった。現実に基づいて厳しい選択をし、企業のリストラや経済の再編成を進めるべきだ。政府も意味のある形で民間にかかわり、アジェンダ(政策課題)を設定していく必要がある」
 「製造業も海外進出は果たしたが、迎え入れには成功していない。日本企業でびっくりするのは経営者がみんな日本人であることだ。当社のトップ20人には8カ国の出身者がおり、世界中からベストの人材を活用している。日本企業は真のグローバル企業になるための変身を遂げていない」
<聞き手から一言>国家間経済競争、リーダー重要に
 オバマ大統領が1月に打ち出した「輸出倍増計画」。リバリス氏はこの政策を推進する評議会のメンバーの一人でもある。官民が一体となって輸出拡大や製造業の再活性化に乗り出すさまは、米国の本気度をひしひしと感じさせる。
 世界に目を転じても、原発などの国家間セールスに官民の協調は欠かせない。「経済競争は総力戦の時代」に入ったのかもしれないが、それは癒着とは異なる。リバリス氏の指摘通り、政治や企業のリーダーシップによる高い目標設定が重要になる。



企業メセナ 文化支援での役割は大きい(11月28日付・読売社説)
 企業によるメセナ協議会が1990年に設立されて20年が過ぎた。
 以来、協議会を中心に数多くの企業が、美術館やホールの運営、芸術祭の企画、地域文化の振興など、様々な分野で社会貢献活動に一段と力を入れるようになった。
 日本には昔から、実業界の篤志家らが、教育や文化に資金を提供して育てる伝統があった。
 その多くは匿名で行われてきたが、今や企業活動にも説明責任が問われる時代だ。これまで以上に顔と個性が見える社会貢献が求められよう。
 「メセナ」は、芸術・文化支援を意味するフランス語である。
 文化庁の年間予算が約1000億円なのに対し、1年間の企業によるメセナ活動費の総額は約250億円と推計されている。少ない国の予算を企業が補う形だ。
 しかし、企業を取り巻く経営環境は厳しい。企業メセナ協議会のアンケート調査によると「経済状況の悪化で、メセナ活動が見直し・削減の方向にある」と回答した企業は40%に上っている。
 それでも「活動が定着し継続への期待が高い」「自社への信頼・評価を得ることにつながる」などの理由から、多くの企業が活動の継続を模索している。
 駅構内にアートエリアを設ける鉄道会社や、障害者参加の舞台芸術を支援する保険会社もある。
 島根県の医療用品製作会社は、石見銀山の史料を収集し、自前の資料館に展示した。これが石見銀山の世界遺産登録に貢献した。
 こうした企業にエールを送ってきた企業メセナ協議会の福原義春会長(資生堂名誉会長)が、今年の読売国際協力賞を受賞した。
 80年代後半のバブル経済の時代、土地などを買いあさる日本企業に対して、海外では「金もうけ主義」との批判が高まり、製品のボイコット運動も起きた。
 これを反省し、外国のメセナ組織と交流しながら、地道に内外で活動を続け、日本と日本企業のイメージアップに貢献したことなどが評価された。
 福原会長は、「日本の企業にも文化を大切にする心があることを示したかった」と、活動のきっかけを語っている。
 日本におけるメセナ活動の今後の課題の一つが、自治体と企業の連携を強化することだ。
 例えば、メセナ活動の経験豊富な民間の人材を、文化政策の専門家として自治体が登用するなら、行政と企業の間で、よりきめ細かな協力が可能となるだろう。

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