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会計制度委員会研究報告第11号
「継続企業の前提が成立していない会社等における資産及び負債の評価について」
本研究報告は、継続企業の前提が成立していない会社等を対象として、継続企業を前提とする会計基準の適用に関する問題点や資産及び負債の評価に関する会計上の考え方について、実務の参考に資するため取りまとめたものです。
<主な内容>
(1)解散会社
解散会社は、清算手続において財産を換価処分する過程にあるため、解散会社の資産に付すべき評価額は、基本的には事業の清算を仮定した処分価額を付すことになると考えられる。また、負債については、基本的に債権調査により確定された評価額や清算業務に必要な費用の合理的な見積額をもって計上することになると考えられる。
(2)更生会社
更生手続の開始決定時において、更生債権者、更生担保権者等が旧所有者から資産等を新たに取得し、また、更生計画の認可決定時において新たな会社所有者が再構築後の事業を取得したと解釈することを前提とすれば、更生手続開始決定後の会社は、開始決定時及び認可決定時において、資産及び負債をすべて評価替えする必要があると考えられる。なお、負債の評価額の多くは、債権調査手続により確定されることとなる。
(3)民事再生会社
民事再生会社については、継続企業の前提が成立していない会社として位置付け、会計上すべての資産及び負債の評価替えを強制することは、適当でないと考えられる。民事再生手続の開始申立てを減損の兆候とみなして、再生計画に基づく将来キャッシュ・フローにより減損会計を適用する必要があると考えられる。
(4)被合併会社
合併会社においては、企業結合会計基準の適用により、被合併会社から承継する資産及び負債は、基本的に取得を仮定した時価(パーチェス法)または被合併会社の帳簿価額(持分プーリング法、共通支配下の取引)で評価される。しかし、被合併会社においては、清算手続の実施により残余財産を株主に分配するようなことはないため、売却を仮定した処分価額により評価替えするのは適当でない。被合併会社の資産及び負債は時価評価すべきでないとすれば、その帳簿価額について従来と同様、通常の事業活動の実施の中で回収又は返済を前提として評価することが基本となる。ただし、合併前の会社である被合併会社の資産及び負債は、合併後の合併会社における事業活動ではなく、合併を前提としない被合併会社単独の事業活動の実施を仮定して評価せざるを得ないことになると考えられる。このことは、被合併会社が計上する繰延税金資産についていえば、その回収可能性は、合併を前提として判断してはならないことを意味することとなる。
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