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経営学

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PPMのグループ経営への拡張


 PPMは、ある企業の営んでいる事業がどのような構成になっているのかを分析するものです。しかし、この考え方はある企業内の分析にとどまりません。現在、“連結グループ経営”が大きな話題になっていますが、事業を子会社に置きかえると、PPMはグループ経営の分析ツールとしても有効性を持つ可能性があります。たとえば各子会社が担当している事業領域のシェアと、それら事業が属している市場の成長率に基づき、グループ全体のキャッシュフローに対する各子会社の比率を計算すると、グループ経営のPPM版が成立します。もしくは、マトリックス上に各子会社の事業領域をプロットし、それぞれの子会社の担当事業領域の再構築に対する指針も得られるかもしれません。

 もちろん、「撤退か投資か」という決定を、当期のキャッシュフローだけ、つまり静態的な材料に基づいて行っていいのかどうか(この批判に対しては将来キャッシュフローをモデルに組みこむことで回避できます)、また(極端に言うと)「“金のなる木”に分類された事業は投資の必要性がない」というPPMの前提に対して現在では否定的な見解があること、など様々な批判があります。したがって、グループ経営の分析に対してPPMをそのまま活用することにも問題があると思われます。グループを形成する個々の会社の自律性を重視するのか、子会社間のシナジーを重視した統合と分散の最適な組み合わせを重視するのかなど、グループ経営の本質とは何かを見極めながら、PPMの考え方を参考にした分析ツールを開発する必要があるのでしょう。

PPMの問題点


 PPMは非常に便利なもののように感じます。しかし日本企業はPPMの考え方をそれほど活用しなかった、と言われています。それは様々な問題点をPPMは持っているからだと分析されています。

 まず、ある時点における市場成長率とシェアで事業を評価しているにすぎないため、将来に向けての事業展開を考えたときの最適資源配分の問題には解答を与えてくれません。ある事業に新規参入した場合は、市場の成長率は高いものの、既にライバルが参入しており、それほど大きなシェアが獲得できていないため、問題児に分類されるケースが出てきますが、PPMによると、問題児に分類されると集中的に資金を投入するか、もしくは撤退するかのどちらかであるとされています。将来的には有望であるにもかかわらず、PPMでは撤退という戦略的示唆になる場合があるのです。これでは企業が将来にわたって長期的に存続するという目的に反するような結果になります。

 また事業間の相乗効果をまったく無視している点も、多くの研究者によって指摘されています。ある事業が問題児に分類されて撤退したことによって、他の事業で生産している製品まで弱体化してしまうことは大いにあり得ます。それが製品の競争力を決定づけるような基幹部品である場合はなおさらです。キャッシュフローと言う指標で評価しているために、PPMは財務主導ですべてを分析しています。つまり技術的な競争力は判断の要因にはなっていないので、PPMでは企業の長期的な競争力の議論を展開することは難しいようです。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)


 PPM(Product Portfolio Management)とは、「事業あるいは製品に関するキャッシュフローは、市場の成長率とマーケットシェアの組み合わせによって決まる」という考え方に基づくポートフォリオ分析のツールです。たとえば、自社のマーケットシェアが高くて市場成長率が低い場合には、自社製品はよく売れるうえに、それほど設備投資などをする必要がないので、非常に多くのキャッシュフローを生み出すだろう、と考えられます。他方、シェアは低いが市場成長率が高ければ、莫大な投資をしないと競争に負けてしまいます。そのため入ってくるお金は少ないものの、投資という形で出て行くお金は多くなりますから、キャッシュフローは赤字になるでしょう。PPMはキャッシュフローを切り口にして、市場成長率とシェアの2つの要因から事業および全社ポートフォリオのあり方を分析するためのツールです。

 具体的にPPMとは何かを見ていくことにしましょう。ポイントは縦軸・横軸は何か、そして何が分類されるのか、の二つです。まず、PPMは縦軸が市場成長率、横軸が最大の競争相手に対する相対的なマーケットシェアで形成される2×2のマトリックスです。縦軸はGDP成長率を基準に高い成長率か低い成長率かが判断されます。また横軸は、たとえば最大の競争相手のシェアが25%、自社のシェアが40%であれば40/25=1.6という数値になり、横軸を区切る基準は1.0とか1.2といわれていますから、上記の1.6という数値は、相対的マーケットシェアが高いと判断されることになります。これらの軸からなるマトリックス上に各事業がプロットされますが、そのときの事業の単位はSBU(戦略事業単位)です。SBUが分類されるのです。PPMでは各SBUが円で表現されますが、その円の大きさはSBUの企業全体のキャッシュフローに対する比率にしたがって異なります。このようにPPMでは、各事業が感覚的に分類されるのではなく、定量的に分類されます。

 PPMは4つの象限から形成されます。それぞれの象限には名前がつけられており、金のなる木(cash cow)、花形(star)、問題児(problem)、負け犬(dogs)と呼ばれます。ある事業の市場成長率と相対的なマーケットシェアの組み合わせによって、どの象限に属するのかが明らかになります。この作業をすべての事業に対して行うことによって、市場成長率とマーケットシェアの観点から、企業が営んでいる事業がどのような分布になっているのかが明確になるわけです。


 では、それぞれの象限は企業にどのような意味を持っているのでしょうか。また企業はどのような対応を行えばいいのでしょうか。PPMでは、基本的に成長率の高い事業はキャッシュフローはマイナスになる、シェアの高い事業はプラスのキャッシュフローをもたらすと考えているようです。

 まず“金のなる木”に分類される事業は、市場成長率が低いため一般に成熟分野に属していると考えます。またマーケットシェアは相対的に高いわけです。そのため、シェアを維持するために必要となる再投資を上回るキャッシュフローをもたらすと考えられます。

 花形は成長期の事業で、シェア維持のための資金需要は自らの力で創出します。花形事業で生まれる資金はそっくりそのまま再投資されます。入ってくるキャッシュフロー(キャッシュ・イン・フロー)と出ていくキャッシュフロー(キャッシュ・アウト・フロー)が等しく、キャッシュフローはプラスマイナスゼロであるだろうと捉えます。

 問題児は新規事業の場合が多く、キャッシュ創出能力は非常に低いと思われます。しかし新規事業の場合は、市場の成長についていくために積極的に投資を行わなければなりません。したがって“問題児”に属する事業は、常に資金不足に悩まされている状態と考えることができるでしょう。

 最後に、負け犬は成長率もシェアも低いセグメントです。このような事業はキャッシュ創出能力が低く、シェア維持のための資金は不足し、さらに市場の成長率が低いため、将来性もあまり高くないと判断されます。基本的には撤退戦略が採られると、PPMでは考えます。

 このようにPPMでは各事業の性格によってキャッシュフローのパターンが違っていることが明確にわかりますから、「事業の性格に応じて各事業への資金配分を考え、企業全体として資金バランスがとりやすいように事業を組み合わせるべきである」という指針が得られます。企業が持続性のある成長を達成し、それと同時に、成長のために経営資源を最適に配分するためには、金のなる木で得られた資金を問題児に集中的に投入することで、問題児に属する事業を花形の象限に移さなければならないと思われます。花形はシェアを維持するために絶えず自分で創出した(稼いだ)資金を自分に投入することによって、事業の競争力を維持しなければならないでしょう。このように、PPMを描くことによって、企業の資源配分問題に関して、ある一つの方向性が与えられるのです。

「全社ポートフォリオ分析の方法」

 イントロダクション

 現在、日本の大企業の多くは複数の事業を行っているのが一般的です。たとえばエレクトロニクスの企業は半導体などのデバイス事業からパソコン等のコンピュータ事業、もしくはテレビなどの家電事業を行っているところもあります。また、業績の悪化した企業が、既存の事業とはまったく異なる事業に進出しているケースもあります。

 そのような多角化企業においては、どの事業にどれくらいの資源を配分するかは非常に重要な経営課題です。単一の事業しか行っていない場合は、その事業にすべての資源を投入することになりますが、複数の事業を行っている場合には、保有している資源が分散して投入されるので、資源の投入パターンもしくは配分を誤ると企業の競争力を失いかねません。また、利益の出ている事業は、原価償却も終わり、おうおうにして成長率の低い事業が多いようです。しかし、多角化企業が持続的な成長を達成するためには、利益の出ている事業ばかりでなく、利益は出ていないものの今後急成長しそうな事業、将来の企業成長の源泉となる事業を持っていなければならないでしょう。つまり全社的に見て事業のポートフォリオ構造を考えなければならないわけです。
このように、現在の事業の分布/パターン/ポートフォリオがどのようになっているのか、したがって事業間でどのような資源の配分を行えばいいのかに関する分析ツールは重要です。それらの代表的なものとして、今や経営学の領域では古典的な手法に分類されるものになりつつありますが、1970年代に開発されたPPMというツールがあります。

一般環境分析の変数


 全社レベルの戦略を策定する時、リポートの最初に一般環境分析のページが盛り込まれる場合が多いようです。その際、どのような環境変数に着目するべきなのでしょうか。一般には、下記のような主にマクロ要因が将来どのように変化するのか、を把握することが重要と考えられます。

〈一般環境分析の際に考慮するべき要因〉

(1)経済条件:GDPの傾向、利子率、マネーサプライ、インフレ率、失業率、為替、
(2)人口統計的傾向:人口成長率、年齢分布、人口の地域間移動、平均寿命、出生率
(3)技術変化:政府R&D投資、民間R&D投資、特許、技術の焦点
(4)社会・文化的傾向:ライフスタイルの変化、結婚動向、
(5)政治・法律的傾向:環境保護、独占禁止法、景気刺激策、外資規制


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