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PPMのグループ経営への拡張
PPMは、ある企業の営んでいる事業がどのような構成になっているのかを分析するものです。しかし、この考え方はある企業内の分析にとどまりません。現在、“連結グループ経営”が大きな話題になっていますが、事業を子会社に置きかえると、PPMはグループ経営の分析ツールとしても有効性を持つ可能性があります。たとえば各子会社が担当している事業領域のシェアと、それら事業が属している市場の成長率に基づき、グループ全体のキャッシュフローに対する各子会社の比率を計算すると、グループ経営のPPM版が成立します。もしくは、マトリックス上に各子会社の事業領域をプロットし、それぞれの子会社の担当事業領域の再構築に対する指針も得られるかもしれません。
もちろん、「撤退か投資か」という決定を、当期のキャッシュフローだけ、つまり静態的な材料に基づいて行っていいのかどうか(この批判に対しては将来キャッシュフローをモデルに組みこむことで回避できます)、また(極端に言うと)「“金のなる木”に分類された事業は投資の必要性がない」というPPMの前提に対して現在では否定的な見解があること、など様々な批判があります。したがって、グループ経営の分析に対してPPMをそのまま活用することにも問題があると思われます。グループを形成する個々の会社の自律性を重視するのか、子会社間のシナジーを重視した統合と分散の最適な組み合わせを重視するのかなど、グループ経営の本質とは何かを見極めながら、PPMの考え方を参考にした分析ツールを開発する必要があるのでしょう。
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