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実践問題

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狩猟民族の欧米人、農耕民族の日本人。まさに文化の違いを感じさせる話ですね?



 そうですね。あくまでも誤解してほしくないのは、国際的な会計基準にはない持分プーリング法を採用する日本が必ずしも「遅れている」というわけではなく、日本の企業結合の実態を考慮したという点です。
 企業結合の国際会計基準が公表される前の国際会計基準審議会では、持分プーリング法を残そうという立場の日本は、孤軍奮闘でしたが、実態をなるべく正確に会計処理に反映しようという日本の考え方は大切にする必要があると思っています。それと共に、持分プーリング法を残したことで、かつてアメリカなどで問題になった持分プーリング法の濫用がおきないように、十分注意する必要があります。そのようなことがおきた場合は本当に「遅れている」ということになってしまいます。

どうして日本は持分プーリング法が認められてるの?




 日本は、2001年のアメリカの会計基準改定のみならず、国際会計基準も同様のものに改定されることがわかったうえで、企業結合について検討してきたのですが、そこでの結論は「いや、持分の結合に当たるような企業結合は、少ないけれども、やはり存在する。だとしたら、その実態を素直に認めて会計処理した方がいい」ということになったのです。
 「もしかしたら『持分の結合』もあるかもしれないけれど、同じ企業結合なのに会計処理の仕方で大きな差が出る。そういう歪みが生じる可能性を排除する方が大切だ」という考え方と「決められないものをむりやり決めると逆に歪みが生じるため、むりやり決めない方がいい」という考え方の違いです。また、日本はアメリカと異なり、完全なる対等合併のように持分の結合となるケースもみられるのではないか、といった企業文化の違いもあったと考えられます。

「持分の結合」に「取得」と異なる会計処理を適用することが日本では認められ、アメリカでは認められていない。この差はどこからきているのですか?


A, アメリカも1970年に公表された会計基準では「持分の結合」を「取得」と区別し、のれんの償却も行っていました。しかしながら、実務での適用において、どういう場合に「取得」とし、どういう場合に「持分の結合」にするか、その区分けが非常に難しく、本来は「取得」として処理すべき企業結合が「持分の結合」として処理されている事例、すなわち、持分プーリング法の濫用が多いのではないかと議論になっていました。「取得」としてパーチェス法で処理すると、のれんが計上されて償却費が発生しますので、なるべく「持分の結合」として持分プーリング法で処理したいという企業が多かったからです。また、2001年の改訂にあたって、一般に大多数の企業結合は取得であり、特に、2つの企業の結合の場合は、すべての結合が「取得」であり、対等な合併や企業統合というのはほとんどありえないとする意見が多数を占めました。そうであれば、適用にあたって問題の多い「持分の結合」との2本立ては止めて、すべて「取得」として処理しようということになったのです。

日本とアメリカの企業結合会計には、はっきりした違いがあるそうですね?




A,ええ。米国基準では、企業結合には基本的に「持分の結合」はない、あるとしても「取得」と区別する必要はない、という考え方をとっており、すべての企業結合を「取得」と考えてパーチェス法で処理するよう定めています。これに対して日本の企業結合会計基準は、「持分の結合」のケースも確かに存在し、「取得」とは区別して会計処理する必要があるという考え方に立っており、パーチェス法と持分プーリング法を使い分けています。
 もう1つの違いは「のれん」の取扱いです。米国基準ではのれんは償却しませんが、日本では償却します。

パーチェス法と持分プーリング法はどう違うのですか?



A、 パーチェス法とは、一口で言うと「被結合企業(被合併会社等)から受け入れる資産、負債の取得原価を、対価として交付する現金、株式等の時価とする方法」です。取得の場合、結合企業は被結合企業を取得したのですから、一般的に物を取得するのと同様に、被結合企業の個々の資産・負債を、現金等の対価の時価で取得したと考えるというものです。
 パーチェス法による処理を単純化した例で示してみましょう。資産100、負債70、純資産30の企業の全株式を取得する場合、その全株式の時価総額が300であるとすると、純資産30の企業を300の時価で取得することになります。では、純資産30と時価300の差額270はどこから来るのでしょうか。まず、土地に含み益がある場合など資産の時価が帳簿価格より高くなっていることが考えられます。また、企業は帳簿に計上されている資産や負債のほかにも、法律上の権利やブランドなど、様々な価値を保有しています。これらのうち、一定の条件にあったものは、企業結合時に時価で認識することができます。こうしたものを含め、資産や負債をすべて時価に置き換えても、差額である270が埋まらない場合は、これを「のれん」として計上することになります。のれんは一般に、企業の超過収益力とみられており、企業結合などにより取得した場合を除いては、自ら創設したものとして帳簿に計上することは禁じられています。
 これに対して「持分の結合」の際に行われる持分プーリング法は、どちらかがどちらかを取得したというわけではないため、資産100、負債70、純資産30のまま、ただ「くっ付ける」だけとなります。土地の含み益やのれんなどによる価値270が上乗せされないため、貸借対照表の内容も会計処理の仕方も、「取得」の場合と大きく異なることになります。
 同じ「企業結合」と言っても、その実態の把握の仕方によっては、決算書に現われる数字にも大きな違いが出てくるわけです。


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