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Q1. 自閉症とは
自閉症は生まれつきの障害で、完全に治ることはありません。
自閉症の人は、見たり聞いたりすることや感じることを普通の人と同じように理解することができません。このため、人と関わることや、自分の気持ちを伝えたり相手の気持ちをくみとることがとても苦手です。行動も自分勝手に見えることがあります。
普通の喋り方やコミュニケーションのもち方、人や物事への適切な関わり方を習得することは、容易ではありません。
Q2. 自閉症にはどういう特徴があるの?
自閉症の現れ方は人によって異なりますが、次のような特徴が見られます。
◆ことばの発達が遅れる
ことばは発達するとしても遅れます。ことばが発達する場合、話し方にはたいてい独特のパターンがあり、普通とは違うことばの使い方をします。ことばを上手に操ることのできる人でも、変な比喩を使ったり、気持ちのこもらない話し方をしたりします。
◆人との関わり方が分からない
自閉症の子どもは、視線をそらしたり、抱っこされることを嫌がったり、周りの世界に無関心のように見えたりすることがよくあります。このため、自閉症の子どもは他の子どもと協調して遊ぶということがなく、友情を育んだり人の気持ちを理解することが苦手です。
◆感じ方に一貫性がない
自閉症の子どもは、まるで耳が聞こえず、ことばや音に反応しないように見えることがよくあります。一方でその同じ子どもが、ある時には掃除機の音や犬の吠える声などをとても嫌がることがあります。また、痛みに鈍感であったり、寒さや暑さを感じなかったり、逆にこれらに過敏に反応したりします。
◆知的機能がかたよって発達する
自閉症の人は、描画・音楽・計算・記憶力(ただしそれが持つ意味には無頓着な憶え方で)などで全体の能力と比べると不均衡に突出した能力を持っていることがあります。一方で、大多数の自閉症の人たちは、様々なレベルで精神遅滞を伴っており、平均かそれ以上の知的能力を持つ人はわずかに2割にすぎません。知的能力が様々なレベルにあることが、自閉症という障害をとりわけ分かりにくくしています。
◆活動と興味が限られる
自閉症の人は、手をひらひらさせたり、体をくねらせたり、くるくる回ったり、前後に体を揺すったりなどの動作を繰り返すことがあります。また、同じ道順、同じ着替えの順序、同じ日課などのこだわりを持つこともあります。これらの決まり事に少しでも変更が加えられると、自閉症の人は、たいへんな苦痛を感じます。
Q3. 自閉症の原因は何?
自閉症は生まれつきの脳障害です。脳内の情報処理の仕方に障害があります。しかしその原因はまだわかっていません。ことばと感覚情報とを処理する脳の部位に問題があることをうかがわせる研究結果もあります。脳内のある種の生化学物質に何らかの不均衡があるのかもしれません。遺伝的な要因も関与している場合があるかもしれません。自閉症は、実際にはいくつかの<要因>の組み合わせによって生じるのでしょう。
自閉症は心理的な原因で生じる情緒障害ではありません。
Q4. 自閉症の発生率は?
自閉症は,発達障害のひとつです。生まれてくる子どもの1,000人に1人か2人の割合で発生します。統計上は、東京ドームに5万人集まると、50人〜100人の自閉症の人がいることになります。
Q5. どういう人が自閉症になるの?
人種・国籍・生活様式の別に関係なく、世界中で自閉症の子どもが生まれています。5人のうち4人の割合で男性です。
Q6. 自閉症の人にとって何が一番難しいの?
自閉症の人にとってとりわけ難しいことは、ことばを正しく理解し使うことと人と関わることです。
Q7. 自閉症は行動にどう影響するの?
ことばや人との関わり方の問題に加えて,自閉症の人は,極度に多動であったり,親や家族,他の人々に対して自分から働きかけることが極端に少なかったりします。
Q8. 行動上の問題はどれくらい重いの?
自閉症がもたらす行動上の問題は,とても重いものから軽いものまで様々です。行動上の問題が重い場合は,ひどく攻撃的になることがあり,場合によっては自傷行動に及ぶことさえあります。これらの行動はいつまでも続き改善するのが難しい場合もあります。
軽度の自閉症は学習障害に似たものになります。しかし、軽度の自閉症の人でも、コミュニケーションと対人関係の障害により、周囲に誤解されつらい思いをすることがしばしばあります。
Q9. 他の障害を合併することがあるの?
自閉症は単独で生じることもありますし,精神遅滞(知的障害)・学習障害など別の発達障害やてんかんを合併することもあります。
自閉症は,軽度から重度まで連続した障害であるとするのが最も妥当な考えです。自閉症の重さがどの程度であるのかは、周囲の理解度や活用できる資源の量、ならびにどの程度の精神遅滞があるかで決まります。
Q10. 自閉症と精神遅滞の違いは?
精神遅滞の人は、どのスキルも比較的同じ程度に発達しますが、自閉症の人は、スキルによって発達がばらつきます。すなわち、ある領域(典型的にはコミュニケーションや対人関係の能力)では、発達に障害が見られるのに、別の領域では比較的良く発達するのです。
精神遅滞などの障害と自閉症とを区別して診断することは重要です。なぜなら、これらを混同すると、不適切で効果のない対応をしてしまうことがあるからです。
Q11. 自閉症の人を
援助することはできるの?
はい、自閉症には有効な対応ができます。適切な指導によって、どんな自閉症の人でも目覚しく伸びることが研究の結果明らかになっています。自閉症の人たちの多くは、自分たちの周りの世界を理解する力を身につけるにつれて、人への対応の仕方がよくなります。
Q12. 自閉症の人にとって最もよい教育は?
特別な訓練を受けた教師が、個別指導を重視し、かつ特別に構造化されたプログラムを用いて教育することにより、自閉症の人は家庭や地域社会で暮らすためのスキルを習得することができます。自閉症の人の中には、ほとんど普通の生活ができるようになる人もいます。
Q13. 自閉症の人には
どういう仕事が適しているの?
一般に、自閉症の人は、構造化され、ある程度反復性のある仕事で最も成果をあげます。適切な配慮があれば、私たちと同じように職を持ち、社会に貢献しています。職種としては、レストランやファーストフードの厨房、スーパーマーケットの品出し、クリーニング、ビルメインテナンス・清掃、緑化、社内メール、データ入力、組立・梱包、など、まさに多種多様です。また、特殊な能力を生かし、芸術家やピアノの調律師、そして研究者として活躍している人もいます。現在日本では、学校を卒業後3割程度の人が一般の事業所で働いており、その他の多くの人は福祉的な就労の場で仕事をしています。
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