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久々にさわやかな涙を見た。
3日行われたプロ野球の2007年高校生ドラフト会議。
ヤクルトが指名権を獲得した佐藤由規投手(仙台育英)の頬をいく筋もの涙が落ちた。
入団する球団が地元・楽天でなく、ヤクルトだったから、というわけではない。
会見で「ご両親に何と伝えたいですか?」という質問に対してだった。
「野球を始めたのは、兄から勧められたのがきっかけだった…」
こらえきれず、もう、目頭を押さえ始めた。
「野球は好きでなかったが、今は野球をやっててよかったと思っている」。
子供のころからの思い出がよぎったのだろう。
そして、あふれ出る涙をグッとこらえるように、こう言った。
「両親の支えがあったからここまでこれた」と。
途切れ途切れであっても、その言葉は、確かに感動的だった。
テレビを見ながら、私自身も胸が熱くなった。
家族への思いというものを素直に表現した佐藤君の純粋さに打たれたのかもしれない。
こんな時、高校野球をずっと見続け、詩に書きとどめた阿久悠さんなら何と書いただろう。
阿久さんの足元にも及ばないが、つい書きたくなった。
野球少年の涙は MAX157キロの直球ではなかった
頬を伝う水滴は 右に曲がり 左に落ちた
一滴一滴は家族との思い出
君にしか流せない涙がそこにあった
男は人前で涙を見せるものではない と教えられてきた
だから 昔の男は泣かないように努めた
苦しさや厳しさ、悲しさには耐えられたし
どんなときでも 絶対に泣くものかと自分に言い聞かせていた
それでも 我慢できない時があった
母親や父親 兄弟 家族のことになると無性に涙が出てきた
こればかりは どうにも止めようがない
愛情に包まれた過去の出来事が 涙腺をONにする
ごく自然に とめどなく流した涙は幸せの証し
君がどれだけ家族に支えられ 愛にはぐくまれてきたかは
君の涙がすべて物語っている
家族への大きな恩返しを 君は晴れ舞台で見せたのだ
次は過去にではなく 未来に涙を見つけよう
君の右腕でチームを日本一に導いた時
君は泣き 歓喜の涙に包まれることだろう
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