|
大阪に住む友人が
・列車の窓から見た滋賀の風景に 気になるものがあるという。 田んぼの中の小高い山に 剥きだしの岩が岨立っていて… 太郎坊かな〜 そこで、その友人と太郎坊に行く。
正式名は阿賀神社。
・太郎坊は守護神の天狗さんの名。 岨だつ岩間の石段の急なこと。 石段の数740段…だったかな。 麓の田畑は眼下に遠ざかる。 紅葉はもう盛り… 寄り添う夫婦岩の隙間を潜り抜けて本殿へ。 ご祭神はマサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト 漢字にすれば 正哉吾勝勝速日天忍穂耳命 名前に勝の字が二つ連なっているから勝運の神? 確かに勝運の神様とは言われてるけど… 天照大神の第1皇子でありながら、芦原中国平定に天降るのを躊躇って、時を経て我が子邇邇芸命に 天孫降臨の任を譲る控え目な神さまの印象がある。 本殿から見渡せば、眼下には天智天皇の頃の狩猟場、蒲生野が広がっている。 あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る 額田王 紫草のにほえる妹を憎くあらば人嬬ゆゑに吾恋ひめやも 大海人皇子 天智天皇と弟皇子の寵愛を受けた額田王、万葉集に残る蒲生野での歌のやり取り。 その後まもなく、天智天皇は病に倒れ壬申の乱を経て、大海人皇子は天武天皇となり都は飛鳥に戻る。 大津京はわずか6年で歴史の幕を閉じた。 本殿からの下りもまた急な石段の道。 石段を降り切ったところで馬の像に出会った。 <来年は午年ね〜>と、友がいう。 束の間の古代を巡る小道から、現世へ立ち戻る…
|

>
- 芸術と人文
>
- 文学
>
- ノンフィクション、エッセイ






