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夏草が生い茂り、頭上から木立の枝が葉を繁らせて垂れ下がる。 茂みの向こうの湖上の景色も草木の緑にすっかり遮られてしまった。 <夏草や兵どもの夢のあと> ここでこの芭蕉の俳句は不似合いかな〜 この句が詠まれたのは陸奥の平泉。 ここも城跡には違いないのだけれど・・・ ここは関が原の合戦の翌年に徳川家康が築いたお城跡。 徳川家の勢力は、その後300年近くも続いたのだから、家康の描いた夢はそれほど儚くはなかったはず。 それにしてもこの城址、それらしいものは何にも残っていない。 つわものといえば、木曽義仲が壮絶な最期を遂げた粟津の原は、この向こう岸辺りかな。 かつては湖岸に沿った東海道の街道に湖上から風が吹き付け、並木の松が鳴るさまを<粟津の晴嵐>と呼ばれていた。 今は松並木もなく、東レやNECの工場が建ち並ぶ。 義仲の墓所のある義仲寺は東海道沿いに残っている。 芭蕉は何度もこのお寺を訪れていて、遺言によりここにお墓が建てられた。 <旅に病んで夢は枯野をかけ廻る> 大阪で最期を迎えた芭蕉の亡骸は弟子たちにより川を遡り、ここまで運ばれて来たとのこと。 芭蕉は最期にどんな夢を見たのだろう・・・ さざなみや・・・を枕詞に始まるこの地〜岸辺の波間に菱の葉が揺れている。 水面にメタセコイアの木立が揺れる小船のたまり場を印象派風に描いてみようかな〜と思ってみたけど、 やはりイマイチ。 |

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