諸国漫遊記

旅とグルメの記録を綴っています。

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東京都千代田区紀尾井町にある 『 ホテルニューオータニ 』  その1 です。
 
『ホテルニューオータニ』は、当時「大谷重工業」の社長だった「大谷米太郎」氏が80歳の時につくったホテルで、
1964年(昭和39年)9月1日に開業しました。
 
「大谷米太郎」氏の象
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『ホテルニューオータニ』の日本庭園内にある「大谷米太郎」氏の象です。
「大谷米太郎」氏は、裸一貫から巨万の富を築いた傑物としてはあまりにも有名で、
この方の生き方を私がはじめて知ったときは、
尊敬と感動が入り混じる複雑な気持ちになった事を覚えています。
『ホテルニューオータニ』を記事にするにあたり、「大谷米太郎」氏(以下、米太郎(よねたろう)と略します)
の偉人伝を紹介しないわけにはいきません!
 
 
米太郎は、1881年(明治14年)、富山県の現在の小矢部(おやべ)市の貧しい小作農の家に生まれました。
小学校にはほとんど行かずに働き、早くに父が死去した事もあり、母、弟1人、妹5人を一人で支えてきました。
懸命に働いてもさっぱり楽にならない暮らしの中で、(なぜか?)東京で金を稼ごうと決意し、
1911年(明治44年)4月、29歳の時に、わずか20銭の所持金だけのまさしく裸一貫で上京します。
小学校中退?のため学力は全くなく、保証人もいない単身田舎から出てきた者には、
日雇いの仕事しかありませんでしたが、
子供のころから人一倍大きかった体は健在で力自慢でならしていました。
そんな折り、大相撲の稲川部屋から声がかかり力士の道を歩む事になります!!
砺波山という四股名でデビューし、後に鷲尾獄に改名しますが、褌担ぎから幕下筆頭にまで昇進しますが、
故障によりわずか2年で力士の道は断念する事になります。
1913年(大正2年)7月に酒屋に転身する事を決意し、四股名でもあった「鷲尾獄酒店」を創業、
力士の酒屋として評判を得、国技館一手扱いとなりました。
その頃、米太郎は結婚し二人の子供にも恵まれていました。
酒屋で十分な利益を得た米太郎は、更なる利益を求めて鉄鋼圧延用のロールを作る
「東京ロール製作所」を起業するまでになります。
 
しかし、それらは、1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災により全てを失ってしまいました!
関東大震災は、190万人が被災、10万5千人余が死亡あるいは行方不明になったとされます。
建物被害においては全壊が10万9千余棟、全焼が21万2000余棟と、
日本災害史上最大級の被害であった事は間違いありません。
普通の人間ならば絶望とショックで何も手に着かない状態になるであろうが、米太郎は違いました。
家族を懸命に探したが見つからず、倒壊と猛火の惨状を目の当たりにし、
生きてはいないだろうと思ったそうです。
そんな中でも落胆などせず翌日から再建に取り掛かりました。
すると、三ヶ月程経ったある日、行方不明だった家族が突然現れたそうです!
上野の山から知人宅の川口へ逃げていたとの事で、その後は夫婦で寝る間も惜しみ死ぬ気で働き、
焼けたロールがそのままで売れた事が幸いし「東京ロール製作所」は再建しました。
その後は震災復興に伴う鉄鋼需要に注目し「大谷製鋼所」を設立し、
建築関係の鉄鋼製品の製造で利益を挙げました。
更に1939年に「大谷製鐵」を設立し材料の特殊鋼製造にも着手し、
翌年の1940年には「大谷製鐵」「東京ロール製作所」「大谷製鋼所」を合併させ、
「大谷重工業」を設立し、満州への進出まで果たし、当時の「鉄鋼王」と呼ばれるまでになりました。
 
貧しい小作農から力士となり、引退後は酒屋から鉄鋼王に上り詰める人生は、
私のような凡人には想像すらできませんが、波乱万丈の人生はまだまだ終わりません!
「大谷重工業」は、太平洋戦争で大きな損害を受けますが、朝鮮特需により繁栄を取り戻します。
その頃、1964年10月に東京オリンピックが開催される事が決定していました。
開催まであと2年と迫った1962年、1日に約3万人が訪れると想定される外国人客の受入れ施設が
不足する事が明らかであったため、政府、東京都、そしてオリンピック委員会は、
財界に対しホテル建設を打診していました。それを受託したのが「大谷米太郎」氏です。
その時「大谷米太郎」氏は既に80歳、右も左もわからないホテル業への進出です。
ホテルは無事開業し、東京オリンピックも成功に終わりましたが、
本業である「大谷重工業」は経営不振に陥ります。
ホテル事業については、開業した翌年には社長の座を追われ、
「大谷重工業」は「八幡製鐵(現在の新日鉄)」の経営支援が必要となり事実上実権を失う事になります。
ホテル開業の4年後の1968年には、脳腫瘍が原因で永眠しております。享年86歳でした。
それから9年後の1977年には、「大谷重工業」は「大阪製鋼」と合併し「合同製鐵」となりました。
ひとつの歴史が終結したようにも思われます!?
「大谷米太郎」氏がつくった企業で、現在も名前が残されているのは、
『ホテルニューオータニ』グループだけになります。
 

ザ・メイン 外観
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東京オリンピックの開催は1964年10月10日でしたが、伏見宮邸跡地に『ホテルニューオータニ』の
建設が着工したのは1963年4月1日です。
地上17階、延べ床面積84,411m2、客室数1,085室という東洋一の巨大ホテルを、
僅か1年半で建設するという当時としては無謀とも思われる計画でした。
ユニットバスルームを世界で最初に実用化させたり、アルミを鉄骨にはめ込むカーテンウォール工法を
採用するなど、当時としては最新の合理化工法が数多く取り入れ、
日本企業の実力と建築職人の技の結集により、1964年8月31日に無事竣工し、
翌日の9月1日に、現在の「ザ・メイン」が開業しました。
オリンピック開催期間中には約6万人の外国人を迎え入れています。
 
「ザ・メイン」には、最大の特徴ともいえる最上階の展望レストランがあります。
「最上階の展望レストランを回転させて、すべての外国のお客さまに日本が誇る富士山を見てもらいたい」と、
「大谷米太郎」氏からの要望があり、急遽設計変更したものだそうです。
回転レストランは既に世の中に存在はしていましたが、直径45mもの展望台を回転させる大規模な機構は、
当時では世界でも例がありませんでした。
その実現のために、"戦艦大和"の砲座を回転させる技術が応用されたそうです。
1回転は約70分、その間、床やテーブルが揺れる事はありませんし、
もちろん、グラスの飲み物がこぼれる事もありません!
現在も、ビュッフェ&バー「VIEW & DINING THE Sky」として営業しています。
 
日本庭園①
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『ホテルニューオータニ』には、江戸城外堀に囲まれた約4万㎡と広大な日本庭園を有しています。
加藤清正公(1562年〜1611年)の下屋敷後に井伊家中屋敷の庭園として400年余りの歴史があり、
東京名園の一つに数えられています。
写真は「ザ・メイン」宴会場階出入口近くで望む景観です。
右手前に見える大きな石は、赤褐色の独特な色彩から「赤玉石」と言われているもので、
佐渡島の金山より運ばれた高価な庭石です。

日本庭園②
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庭園内の一部は、枯山水を象った様式となっています。
松樹と大小の石で山の雰囲気を醸し出し、白い砂利は水を表し、
小波のごとく線が引かれています。
 
日本庭園③
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清泉池と呼ばれる池です。たくさんの錦鯉が泳いでいます。
正面に見える建物は「なだ万本店 山茶花荘」です。
 
日本庭園④
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「ザ・メイン」客室から望む日本庭園です。
 
日本庭園⑤
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日本庭園内に造られた滝とともに望む「ザ・メイン」です。

今回は、「ザ・メイン」の11階と12階に設けられた「エグゼクティブハウス 禅」を利用してみました。
2007年に総工費100億円をかけて「ザ・メイン」の大改修が行われ、ホテル イン ホテル”という
まったく新しいコンセプトにより誕生した全87室のスーパーラグジュアリー空間です。
 
エグゼクティブハウス禅 エレベータエントランス
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客室フロアへはカードキーによるセキュリティとプライバシーが保たれています。
おもてなしのキーステーションとなるエグゼクティブラウンジは11階にあります。
今回利用したのは12階の客室でした。
 
客室からの景観①
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今回は日本庭園に面した客室を利用する事が出来、赤坂、青山方面の景色を望む事が出来ました。
1974年9月1日に開業した地上40階建の高層ホテル「ガーデンタワー」(左)と赤坂方面の景色です。
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真ん中のマンションとビルの谷間をズームすると「ビッグハット](TBS赤坂本社社屋)が望めます。

客室からの景観②
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赤坂、青山方面の景色です。
 
客室からの景観③
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青山の高層ビル群です。
「青山ツイン」(新青山ビル)、「HONDA青山ビル」、「伊藤忠ビル」、
日本オラクル本社が入居する「青山OM-SQUARE」などが望めます。
 
客室からの景観④
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青山方面の夜景です。
 
客室からの景観⑤
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ライトアップされた日本庭園と夏季期間は夜22時まで営業しているガーデンプールです。
 

撮影:2012年8月

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