ポケットライダーのプライムタイム♪@INDIA

今年34歳のチヌ落とし込み(一旦お休み)現在南国でオフショア男子。日々起こるびっくりな出来事を書き連ねます。

全体表示

[ リスト ]

運命の日

2017年1月10日。

会社のデスクで仕事していると傍らに置いた携帯がブーと鳴る。
妹からのLINEメッセージ。
「おにーちゃん、どうしよう、どうしたらいいかわかんない」

今日は父親の検査日だと聞かされていた。
二週間ほど前からパタリとご飯を食べられなくなった父さん。
これはおかしいと胃カメラ検査などしたが異常は見られず、精密検査をしましょうと言って迎えた10日。
LINEの文章を見て大きな真っ暗な不安の塊が押し寄せる。

つい先月、生まれたばかりの次男の心臓手術を経験したばかりの俺は、大きな病気って決して珍しくなんかなくて誰にでも起こるということを身に染みて分かっていた。
そんな最中の出来事。

しかも元々高校球児で甲子園にも出ているほどのからだ自慢がご飯が食べられないという、普段からは考えられない出来事。

すぐに携帯を手に取りLINEで妹に電話をする。
電話の向こうで泣きながら「父さんが、父さんが、、」と繰り返す妹。

ガツーンと大きな石で殴られたようなにぶい衝撃のなかで
「落ち着いて。話してごらん。」と平静をギリギリ保った声で話す。

「父さんの膵臓に、こぶし大の腫瘍があるって」

あ、やっぱりかと思いながらもピンと来なかった。

聞くと
・悪性の可能性が高い。
・こぶし大は非常に大きい。
・膵臓ガンの5年生存率は非常に低く、ガンの王様と言われていること。
・明日すぐに大きな病院でより精密検査

ということだった。

最悪だと思いながらもまだ分からない、明日の結果次第だからと気持ちを落ち着けた。


そして迎えた11日。

ステージ4周囲複数臓器に転移あり。
余命はなにもしなければ3ヶ月、やっても1年か。

最悪の結果だった。

頭がぼーっとする。
夢うつつのような感覚。

ほんの1か月前、福岡の病院で子供の心臓手術が終わって喜んでいた父さん。
あの時は微塵も感じなかった。

なんで!?

まだ56歳だよ。
孫が4人もいて、まだまだこれから大きくなって、学生になって、結婚して。
見届けるんじゃないの?

4月からは関連会社の社長になるって喜んでたやん。

なんで?

握りしめた携帯を叩きつけたくなる、近くのコンクリートの壁を足が割れるほどけりたくなるくらいこの状況が憎い。

その憎さをなんとか噛み砕いても、悲しみが押し寄せてくる。

仕事で忙しくしてると逆に気持ちが紛れて良かった。

今日LINEで日本にいる妻からのメッセージで、父さんとLINEで話したという。
普通だったよと。

でも怖かった。
自分からはとても掛ける気にはならなかった。
それに気づいてか妹が病院から掛けるという。

仕事のミーティングの終盤、妹からの電話。
Sorryと伝え、部屋の外に出た。

妹だった。
ふぅ。

替わるね。

向こうから聞こえてきたのは、ほんの少ししゃがれ声になったけどいつも通りの優しい父さんの声だった。

「おう、〇〇か、父さんよ。」

ほっとしたり、悲しかったり、いろんな感情が入り交じった瞬間だった。

「なんか大変なことになっとるじゃん」

「ほーよ、ほんまにびっくりじゃわ。」

「どう?、体調は?」

「えーよ、今日は昼も夜も全部食べたで。明日から一日半絶食じゃけーのう」

「そーか、それは良かったわ」

「まあ、ちょっと早かったのうーや。子供らの大きくなるとこが見たかったのう」

「まだすぐにって決まったわけじゃないんじゃけえ、頑張ろうや」と言おうとしたけど言えんかった。

涙で前が見えなくなって、一言でも出したもんなら号泣しそうだったから。

そんな俺を察してか
「まあ、ほいでも頑張るわ、もうちょっと頑張って生きんといけんもんのう」

「うん」

続けて
「月末に休みとってインドから帰るけー。」
と伝えると

「分かった。気を付けて帰ってこい」と珍しくすんなりと返してきた。

今までなら80%くらいの確率で、帰ってこんでもええわー、みたいなことを言ってたのに。

そしておもむろに「母さんのこと頼むで。なんかあった時のう。」と言ってきた。

まさかそんな映画みたいな言葉を父さんから聞くなんてね。


で電話は終わり。

目を真っ赤にして皆の元に戻ったからばれたかな、、。

まだ受け止めきれない自分もいる状況の中で、でも確実に1日1日とその日は近づいてる。

勿論あがくことはしながら、
残りの時間をどうやって父親と過ごすのか、ましてや、インドに駐在中の身。

まずは妹が父親の携帯にLINEをいれたから毎日メッセージは送ろう。

それからやりたいことを列挙して少しずつやっていこうかなと思います。

きっと何年かしたら見返したくなるであろう、そして、子供らにも伝えようと思いブログに残したいと思います。

去年の春、
なんか急にやりたくなって、20年ぶりくらいに父親とキャッチボールをした。
昔はよくやってたのよね。

相変わらず良く伸びる父さんのボールだった。

年取っても父さんは健在だなと思ってたのに。

早すぎるやろ。

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事