詩歌句な日々

詩、短歌、俳句の書庫にします。気が向いたら、ぱらぱらとエッセイなども。なお、著作権は作者が保有しています。

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「カラスの暮れがた」


 

木霊するほどの

広さも器もないのが

街だとしたら

 

エコーのかかる声で

カラスは何を唱えているのか

 

自分の言葉といえば

風に乗せても届かずに

 

ぽつん ぽつんと

見えない林檎

 

身体は

吹き抜けのようになり

 

通り過ぎる

求めてはいけない時間

 

終わりの霧が

胸のあたりに押し寄せて

 

動けない

陸に上がった海月のようだ

 

電線の上からうかがう

カラスの気配を振り払う

呪文をくれないか

 

のびきるまでは

影でいられるような

 

そうやって

生贄として慣れてゆくんだ

 

やけに喉が

いや 世界に渇く


*詩と思想2014年12月号入選作



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