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「ポストモダン暦」
立春や剥がされてゆくアスファルト 飲み干したグラスの底の雨水かな 目覚めれば世界の全て蜃気楼 衛星のふらここ蹴って彼方まで 踏み絵なき世界はあるか珈琲飲む 離別するヴィスコンティ忌のルージュかな 背中から男消えゆく竹落葉 風の中虚数の如く蛇の衣 夏の星東京駅の押し黙る 夜会服ただ一枚の夏の月 水の星飲み干すラムネ瓶の中 カルチェラタン鋏で刻み秋とする 賢治の忌交流電気仄光る 経済合理性的夜食かな 紅葉散るストロンチウムの土の声 裸木とただ語り合うタオイズム 毛糸玉ころがる宇宙のひも理論 セーターの形に人を脱ぎにけり 指先に寒の戻りし不協和音 冬星座ポストモダンの構造図 *第42回俳句人連盟賞佳作5位連作 *この賞に応募していない既発表作は可ということでしたので、 Twitterなどで投稿したり詠んだものが入っています。 |
俳句・自由律他
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「異質の星」
致命祭平均律の雨となる
道化師の化粧の矜持四月馬鹿
啄木忌苦悩かすれしボールペン
独り言の如くぽつりと亀鳴けり
独活の文字己が明日を映しけり
目借時いずれ世界を見る気なく
アスパラの癖ある匂い睦み事
浮草や水の星まで抱く男
びいどろの中閉じ籠る色気かな
河童忌や不安の容スケッチす
天使魚は成層圏の碧をぬう
海亀やアトランティスの胸の内
蛍火の導く先の天球儀
フラスコの空気熔けゆく旱星
病棟の廊下伸びゆく夏の果て
現など踊る幻風の盆
形而上形而下露なき宇宙かな
紫を綴る桔梗のような人
秋の星拾い集めるモノローグ
耳眺む色なき風の詩のかけら
透き通る等身大の昼の月
秋寂びてインクの青の褪せる音
檸檬なき色の世界の液晶板
腹筋をマダム語らう冬のカフェ
墓囲うホモ・サピエンスの末裔かな
冬の凪ケサランパサラン時知らず
年尽きて世界の終わる雑貨店
傀儡師やネットワークの人口論
寒の入りハープシコードの音細し
閉じた眼の裏に流れし枯野星
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