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今回のミニチュア・バンクーバーは、以前に紹介したリッチモンド市の《新市街編》である。前回の《旧市街編》で取り上げた、スティーブストンの記事の日付が2008年10月となっているので、ちょうど2年が過ぎたことになる。2年前か……。時間的には北京五輪が終わって、みんな一息ついた頃だったろう。ずっと前のことのようにも、つい最近のことのようでもある。僕は今と同じ格好で、ブログを書いていたと思うけれど、上野さんだったっけ、あの五輪のソフトボールが凄かったんだ。 リッチモンド市は、一番大きなルル島、バンクーバー国際空港のある海島(Sea Islandという名前)を含む、13の小さい島々で構成されている。フレーザー川の堆積土でできた陸地だけに、海抜が0から12メートルくらいしかなく、島の周囲にはダイクと呼ばれる土を盛った堤防が築かれている。これらの条件のため、地下のある家屋は少なく、また空港が近いことから、ビルの高さも150フィート(46m)までに規制され、どことなく、だだっ広い印象を受ける。 ヤオハン・スーパーマーケット(今は中国企業が経営)の裏側 PENTAX645で撮影。Ilford Delta100使用。 D76 1:1にて現像。 BC州で4番目に人口が多い市で、海外からの移民の人口が全人口の59%(カナダで最高)、そしてそのほとんどが1990年以降に来た、香港、台湾、中国本土からの移民である。 わりと中国。 漢民族の大移動。 この大移動は1984年の英中共同声明により、香港返還が1997年の7月1日に決まったことに起因する。それ以降、英連邦であるカナダに香港系の華人の移民が多くなり、1989年に起こった天安門事件の翌年には6万2千人が移民、バンクーバーは(くだらないけれど)ホンクーバーとまで揶揄されるようになる。 その後はリッチモンド市の(今やメインストリートである)No.3ロード沿いに中国系スーパーマーケットやショッピングモールが乱立され、中国語のみで書かれた商品や、多数の中国語新聞が発行され、売る方も買う方も中国語を喋ると言う状態で、まったく英語を理解しないでも生活できるというような街ができた。 けっこう中国。 前回の《旧市街編》で、リッチモンド市を大阪ベイエリア(住之江区)になぞらえたことをふまえて、この《新市街》を当てはめるならば、その最も適した場所は何を隠そう、大阪市此花区となる。 大阪市此花区も昔は漁業と農業で栄え、その後阪神工業地帯の中心となる巨大工場が田畑の後に建設されたが、1980年以降重工業が振るわなくなり、将来を模索していた。その後の動きとして2001年、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが開業、2008年のオリンピック誘致のため(失敗)人工島である舞洲にスポーツアイランドを造成し、あげくの果てに、巨大でセンスのないラブホテルかと思わせる、下水処理場とゴミ処理場まで建ててしまった。フンデルトヴァッサーという人の建築らしいが、莫大な税金がつぎ込まれたことは言うまでもない。 もちろん此花区は悪くない。すべては大阪府、大阪市に責任がある。 それで、此花区とリッチモンド市の新市街のどこが似ているのかと言う話だが、どちらもデルタ地帯で海抜が低いこと。二つの大きな川に挟まれていること。どちらもオリンピックに関係していること。バンクーバー五輪の会場になったリッチモンド市。大阪が負けて、2008年にオリンピックを開催したのが中国の北京であったこと。北京で起きた天安門事件とリッチモンド市の中国人移民の関係。オリンピックが北京に決まったのが2001年、同年に此花区にUSJがオープン。これだけ観ても、どこか因縁のある奇妙な三角関係に思えないだろうか。 それに、リッチモンド市と大阪市此花区にはどちらも海底トンネルがある。 此花区のそれは、安治川トンネルと呼ばれ1944年に竣工。日本初の沈埋工法(潜函工法)によるトンネルであるらしい。両岸には(此花区と西区)エレベーターがあり、歩行者、自転車が、地下15メートルまで降りて約80メートルの通路を横断するという仕組みで、もちろん今でも現役である。(僕も昔、自動車教習所に通うのによく利用させてもらいました。) 対して、リッチモンド市のトンネルは、フレーザー川の対岸にあるデルタ市とを結ぶ4車線の自動車用のトンネルで、ジョージ・マッシー・トンネルと呼ばれている。1959年竣工。建設にはプレキャストコンクリートで作った6つのトンネルを浮かべておき、繋いで沈める(沈めてから繋ぐ?)北米で初めての方法が用いられたらしい。最深部が25メートル。全長は629メートル。 建設方法や規模、利用客のタイプは違えども、この海底トンネルはリッチモンド市と大阪市此花区をしっかりと結んでいるのだ。 ちなみに、もっと古い中国系移民はバンクーバー市に多く、チャイナタウンを形成している。これは世界の大きな都市だとどこでもそうだけれど、メトロ・バンクーバーでは5人に1人が中国人。 かなり中国。 アバディーン・センターのフード・コートから PENTAX645で撮影。Ilford Delta100使用。 D76 1:1にて現像。 アバディーン・センターは今一番人気のあるアジア(中国)系ショッピング・モールで、中には日本からのダイソーもあります。値段は100円ではなく一律、2ドル。円とカナダドルの為替でしょうか。 それでは、この項、終了。
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2010年10月28日
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