ミケの日常〜のほほん日記〜(≧∀≦)b

ミケの日常を見て、少しでものんびりされていかれれば、幸いです(*´▽`*)

★物語★

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薫さんたちの踊りが終わり、少しの間ゆったりとした時間を過ごした。
でも、まだまだ盛り上がってる宴会。
私達もほろ酔い気味だった。
 
「しっかしさぁ〜・・・・・・あたし達の中で色恋の話聞いてないよね」
「あっ、確かに誰と誰が付き合ってるとか聞かないね」
「そうだね〜。私達って血は繋がってないものの家族って感じだからじゃないかな〜?」
 
いつの間にか私達女3人で話している。
優夜と伊月は先輩に呼ばれてどこかに行ってしまった。
 
女3人揃うと話すことは、やっぱり色恋の話しになってくる。
いつもは優夜、伊月がいるから何処となく恥ずかしくってできないけど、今日はたくさんできる。
 
「由羅はさぁ、好きな人とかいないの?」
「いないよ」
 
由羅に聞いてみたら顔色も変えずに即答された。
ん〜・・・・・・由羅って結構人気ありそうなんだけどなぁ。
あの青色の瞳なんて神秘的かつ魅力的なのに。
 
「妃紗はぁ?」
「わたしはぁ〜・・・・・・いないよぉ〜」
今、少し間があいたきがする。
妃紗はお酒のせいかもしれないけど、顔が赤かった。
 
「ちょっ、今の間何!?いるんじゃないの?」
「えぇ〜、別にいないも〜ん」
「妃紗〜白を切るんじゃないよ。吐いちまいな」
 
由羅と一緒に妃紗を問い詰める。
妃紗はえへへと笑ってるだけで一向に吐こうとしない。
 
「ん〜じゃあ、吐こうかな!!・・・・・・ウプッ」
妃紗は青い顔をして口に手をあてた。
 
「「本当に吐くなぁ!!」」
 
「あはは。冗談冗談〜」
妃紗が冗談で吐こうとしたから妃紗の話が聞けず仕舞いになってしまった。
 
「で、香乃はいないのかな?」
「そうだよぉ〜、私も気になる〜」
 
由羅がニコニコして・・・・・・いや、ニヤニヤか私に聞いてきた。
妃紗もニヤニヤしてる。
好きな人なんていな・・・・・・なんで、一瞬伊月の顔が浮かんだんだ?
いや、ないない違うでしょ。
 
「なにか、思い当たる節でもあるのかな?かーのーちゃん」
伊月が浮かんだなんて口が裂けてもいえない。
2人がジリジリと近づいてくる。
「さぁ、吐こうか?香乃ちゃん。あっ、さっきの私の手を使っちゃダメだよ」
 
先手を打たれてしまった。妃紗のさっきの手で逃げようとしたのに!!
てか、妃紗雰囲気が変わってる気が・・・・・・。
桜の木がすぐ側にあって逃げることができない。
に・・・逃げ場がない!!
 
「さぁ、逃げ場はないよぉ〜
「香乃ちゃん、言おうか」
 
わかったって言おうとした瞬間、周りの音が少し静かになった。
ちらほらざわついてるものの静まっている。
 
「どうしたんだろ〜?」
「さぁ〜?そろそろ雪華先生の舞が始まるんじゃない?」
 
私を追い詰めていた2人は周りを見渡すために、離れた。
ふぅ〜言わずに済んでよかったぁ。
 
「あっ、香乃また尋問するからね」
「えぇー!」
 
 
 
 
「さて、今年も雨が降ることもなく曇ることもなく満月が綺麗にでています。
 龍風堂の皆さん今日は春の宴会を楽しみましょう!!
 
わぁぁああああああ!!
 
日向先生の言葉とともに龍風堂にいる人たちが歓喜した。
 
龍風堂にある大きな桜の木にはたくさんの花が綺麗に咲き誇っている。
そこに御座を何枚か敷き数人で料理を囲んで座って話をしたり勝負をしていたり思い思い楽しんでいた。
 
「毎年思うけど、春の宴会って盛大だよね。んで、お酒が美味しい」
私の左には由羅と優夜が、右には妃紗(ひさ)が右側に座っていて、
伊月(いつき)は向かい合わせになって座っていた。
 
鈴はちょっと離れてる所で同年代の人達と勝負をして何かを賭けてるようだ。
 
私達は桜の木の真下というとっても良い場所に座っている。
 
今年になってお酒が飲めるようになりちびちびとお酒を飲んでいる。
いつも大人の人達が美味しそうに飲んでるのを見て飲んでみたかったんだ〜。
 
「そりゃあそうでしょ〜。香乃ちゃんホントに毎年それ言ってるよねぇ〜」 
「だって、ホントにそう思うんだもん。歌と舞の人達早く出てきてくんないかな。楽しみなんだ。」
 
妃紗は私と同じ武術を習ってる女の子で、ふわふわしてる可愛い女の子なのに強い!!
武術をやるときの眼光が鋭くなって雰囲気がふわふわから殺気が溢れ出てくる。
 
ちなみに私と妃紗の勝敗は3勝4敗だ。私が悔しくも1敗している。
 
「お前はちったぁ言葉増やせよ、バーカ」
「うるせぇ、この葵瀬先生信者め!!」
 
私と妃紗が喋っていると伊月が話に入ってきた。
伊月は、学問の時同じ机を使ってる男の子で、
何かと私につかかってきて同じ身長なのに私の事をチビと言ってくる。
そして、葵瀬先生信者だ。
 
「信者で何が悪い!このチビ!!」
「はぁ〜?伊月と私の身長同じくらいだし!!伊月もチビじゃん。べー」
 
「俺はこれからも成長するし。お前の背なんてすぐにぬくっての」
伊月はこっちを見たままフッと笑って勝ったみたいな顔をしていた。
その顔に私はカチンと頭にきた。
 
「ふんっ、この年になって背が伸びないとかもう手遅れなんじゃないの?プププッ」
口に手をやり笑う。
 
「俺の背は絶対伸びるわっ!!」
私と伊月は立ちあがって睨みあう。
「へんっ!私は伸びないにかける!!」
 
「じゃあ、一発勝負やんぞ!!」
「いいよ!!返り討ちにしてやるもん!」
 
私と伊月は構えて今にもケンカが始まる一歩手前だった。
由羅、優夜、妃紗は料理を私たちから避けて食べたり飲んだり話してる。
 
ガルルルルルルル!!!
 
フシャァアアアア!!!
 
「はぁあ!!」
「おらぁあ!!」
 
―――シャン シャン シャン
 
ピタッ!!
 
殴りかかろうとした寸前、凛とした鈴の音が聞こえてきて私達はピタッと寸止めになった。
騒がしかった周りの声や音が一斉に静かになる。
 
そして、本堂の障子が開けられて中から綺麗な着物を着て化粧をしてる女の人2人と
黒い着物を着て質素だけどカッコよく鈴を持った数人の男の人がささっと出てきた。
 
―――シャン シャン シャン
 
「うわぁ〜すごく綺麗・・・・・・あっ!あの女の人って薫さんだ!!」
 
一度だけ私が倒れた時に介抱してくれた女の人。
本堂の真ん中に薫さんと女の人が正座をして一礼をするとその後ろに座ってる男の人達も一緒に礼をした。
 
周りにいる人達はその姿にくぎ付けで、全員顔がぽ〜っとしている。
もちろん由羅、優夜、妃紗、伊月もだ。
 
――シャン シャン シャン シャシャン
薫さんが舞い始める。優雅にそして妖艶に鈴の音色とともに。
綺麗な着物を踏むこともなく素早く無駄のない動きで、時には扇子をばっと開いてそれを使って舞う。
その一つ一つの仕草に心が奪われる。
女の人も傘を使い器用に使いこなす。
 
 
――――――――――――――――――――
――――――――――――
数分間あった舞が終わると大歓声と拍手と薫さんを呼ぶ声、女の人を呼ぶ声、男の人を呼ぶ声に包まれて
大成功だった。
 
「ひゃーー!!すごい綺麗だったね!!一弥(いちや)様がカッコいい!!」由羅がキラキラしてる目で言う。
「一弥様かぁ〜!私はやっぱり露木(つゆき)様だよぉ〜!!香乃ちゃんは!?」妃紗がほっぺをおさえてにんまり笑っている。
 
「私は柊(ひさぎ)様かな!あと、薫さんも!!」
柊様とは無愛想だけどカッコよくって踊ってる姿なんかみたら失神もの!!
 
女子陣は鈴を持っていた男の人達の話題で盛り上がった。
男子陣は薫さんや女の人のことで盛り上がっている・・・伊月まで。
むぅ〜・・・なんで、モヤッてするんだろ?
 
「次は雪華先生の歌だよ!それまで、飲んで食べてよう!!」
由羅がそう言って私達はさっきまでの興奮が冷めぬまま雪華先生が出てくるまでたくさん話した。
 
 
 
クソ〜・・・・・・
葵瀬先生め、普段怖い人が急に優しくなると調子狂うじゃん。
だから、私のほっぺに冷たいものが流れてんのは葵瀬先生が優しくなったからだ!!
戻れなくなっちゃったじゃん・・・・・・。
 
「うっ・・・うえっ・・・くっ・・・ひっ」
 
私は、小さく嗚咽を漏らしながらその場所でしばらく小さく泣いた。
 
――――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――
香乃が泣いてる同時刻。
池のほとりである1人の人物が何かを呟き、手のひらぐらいの大きさの池の水が空中に浮きでる。
そして、薄く平らになり水の中が真っ黒になった。
そこから女の人のような声が聞こえてくる。
           
「久しいのう、ぬしらから連絡が来るとは」
耳によく通るような声をしている。
「お久しぶりですね。少しそちらの様子が気になりまして」
 
「どうじゃ、様子わ」
姿が見えないが、向こうから「ふぅ〜」と息を吐いてるのが聞こえた。
 
「楽しいですよ。そちらはどうですか?」
 
「むぅ・・・・・・こっちはちと大変なことになっておる」
声の主が困ったような声を出した。
 
「どうしたのです?」
 
「・・・・・・赤い月がな」
はぁ〜っとため息を漏らす声が聞こえた。
 
「赤い月ですか?」
 
「知らぬのか・・・・・・まぁ、またこっちに来た時に話す。
 その前に何か知るかもしれぬからな。
 あと、かしこまった口ぶりをするな。寂しいじゃないか」
 
「はは、わかった。」
 
「あぁ、またの」
 
―バシャ
 
水が池に戻った。
 
「そろそろ、あっちに戻らなくちゃダメですかね・・・・・・」
その人物はそう言って何処かに行ってしまった。
――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――
 
「あれ?香乃戻ってくるの早いね」
「ホントだ。どうした?」
私は一息ついてもう一回日向先生のところに行こうかと思ったけど、
泣き顔を見られたくなくて自分の部屋に行ったら由羅と優夜がいた。
 
「うっ・・・ゆ・・・らぁ・・・ゆうやぁ・・・・・・ありがとう、ごめんね」
2人の姿を見た瞬間、私はさっきのことを思い出しボロボロと泣き出してしまった。
 
「「はっ!?ちょ、何?どうしたの!?」」
 
さすが、双子こんな時息ぴったし。
 
「あのね・・・うっく・・・父さんたちから・・・手紙が急にこなくなって・・・心配なの」
 
「だからか。元気がなかったのは」
優夜が近くに寄ってきて頭を撫でてくれる。
「心配したじゃんかぁー」
由羅はいひひと笑って背中をトントンってしてくれる。
 
「心配掛けてごめんねぇ」
 
「いいってそんなことは気にしないでよ」
「俺らは家族なんだからさ」
そう言って2人はギュッと抱きしめてくれた。
 
私はそんな2人の優しさが嬉しくて嬉しくて大泣きしてしまった。
2人は笑って私が泣き止むまでずっと慰めてくれた。
 
――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――
――――――――――――――――
「香乃、寝ちゃったね。」 「うん。」
由羅と優夜は香乃が泣いて疲れて寝てしまった香乃を布団に寝かせて寝顔を見て微笑んだ。
 
しかし、2人は険しい顔になった。
「「ごめん、香乃」」
ポツリと2人はつぶやいた。
 
「もう少し待ってて」
「俺たちのことを教えられるから」
 
「香乃、ごめんね」由羅は香乃の頭を撫でた。
 
龍風堂の武道場の中にいるのは、葵瀬先生に連れ去られた香乃はお約束どおり激しい練習をしている。
今は手合わせをしている最中。
 
「ゼェ・・・ハァ・・・ゼェハァ・・・・・・」
 
葵瀬先生め・・・・・・外周10周とそれが終わったら即手合わせとか鬼!!!
それにしても、私がたくさん仕掛けてるのに・・・息が乱れてないなんて・・・・・・。
やっぱり、葵瀬先生は強い。
 
私の目の前には腕組みをしながらどっしりかつ静かに私を見ている葵瀬先生がいる。
小さい頃はあの睨んでる目が怖かった。あと、雰囲気も・・・・・・。
でも、優夜が優しいと言っていたことがあった。それが本当だってことも葵瀬先生を見ててわかった。
 
「チビ、もうそれで終わりか?」
私にゆっくりと問いかけてくる。
その問いの裏には「お前はまだまだやれるだろう?」と言う言葉が含まれてるらしい。
らしいって言うのは鈴から聞いた言葉だから。
 
私はニッと笑う。
 
「まだまだ・・・・・・です!!」
 
そう答えると葵瀬先生はフッと笑って構えた。
 
「やぁああああ!!」
 
―パシッ。ダァアンッ!!
 
「いった〜」
 
「チビは猪か。ただまっすぐに突っ込んでくる阿呆はどこにいるんだ。」
私が葵瀬先生の鳩尾に拳を入れようとしたら受け止められて、
そのまま一本背負いをされてしまった。
 
「ここにいますけど・・・・・・
イダダダダ!!なんふぇ、ふぉへをつまふんですか(なんで、ほっぺをつまむんですか)!!」
 
 限りなくほっぺがちぎれそうな勢いで、葵瀬先生にほっぺをつままれてる。
 
ものすんごい痛いんですけど!!
 
「いや、何か聞こえた気がしてな」
 
私、ぽそっと呟いただけなのに・・・・・・この地獄耳!!
 
「あっ?何か言ったかチビ?」
「なな何でもないれふ!!」
 
あなたは読心術でもあるんですか!?
 
「さて、これは別にいいとして「いいのふぁよ(いいのかよ)!?」・・・あっ?」
「いへ」
 
葵瀬先生は私のほっぺを離した。
 
いった〜・・・うぅ。
ひりひり痛むほっぺを両手でさする。
 
「香乃」
「はっはい!?」
葵瀬先生が香乃と言うのは珍しい事で・・・・・・なにかある。
 
「親御さんから手紙来てるか?」
「へっ?あっ、ちゃんときてますよ」
私はフラフラの体をひきずって道場の縁側にこしかけた。
葵瀬先生も私の隣にどかっとあぐらをかいて座った。
 
・・・・・・嘘。本当はきてない。毎月きてたのにきてない。
 
「今は船の宿場町付近で働いてるそうです」
「・・・・・・そうか。元気そうだな、親御さん」
 
元気そう?それさえも今はわからない。
 
「ほんとに何処に行ってるんでしょうかねぇ・・・・・・私をほっといて」
「・・・・・・」
葵瀬先生は何もしゃべらなかった。
 
船の宿場町で働いてるのは前の手紙に書いてあったことで、今はわからないことだった。
 
「由羅と優夜が、最近お前が遠い目をすると言ってた」
葵瀬先生が急に由羅と優夜の事を喋る。私は静かに内容を聞いていた。
 
「どうしてかわからなくて、香乃に聞いても『なんでもないよ』と答えるだけだと、
 自分たちも喋れないことがあるから、それ以上入っちゃけないと俺に言ってきた」
 
由羅、優夜、ごめん、ありがとう。私の嘘、気づいてたんだね。
私ってそんなに嘘が下手かな。
葵瀬先生のめずらしく優しい声と由羅たちが私の事を気にしてくれてたのが嬉しくて泣きそうになって空を見た。
 
「まぁ、無理に話せとは言わん。
 どうしても、わからなくなったら誰かに相談しろ。ここの奴らはチビの家族なんだからよ」
「ははっ。はい」
最後に恥ずかしくなったのか、香乃からチビに戻ってる。
葵瀬先生は私の頭をくしゃっと撫でると何処かに行ってしまった。
 
ひらひらひら―――。
桜の花びらが風にのり空に舞っている。
 
今、私は日向先生の授業をうけてる。
龍風堂では少し小さい部屋の一番後ろにいた。
 
しかし、この春の揚期に日向先生の心地がいい声に眠気が来ないはずがない。
 
「――その後、この詩人は・・・・・・」
 
「ス―・・・・・・」
 
「香乃さん」
 
「ス―・・・・・・」
春の中の夢心地、香乃はそうそう起きるはずがない。
 
「香乃さん」
「ス―・・・・・・」
 
日向先生に変化があらわれた。
にこにこしてるのだが、その姿の後ろに黒い雰囲気をまとっていた。
部屋にいる人たちはその様子を見ている。
日向先生は香乃に近付き、座ってる高さに目線を合わせた。
 
「香乃さん、今、起きるなら許します。
 もし、十数え終わる前に起きなければ・・・・・・葵瀬先生に「それだけはご勘弁をーーーー!!!」」
 
香乃は葵瀬先生という言葉を聞いただけで、十数える前に起きた。
 
「まったく、私の授業で寝るなんて・・・・・・
 あ〜・・・もしかしてそんなに葵瀬先生に稽古をつけてもらいたいのですか?」
香乃の目の前にいる日向先生は黒い笑みを浮かべながらそう言った。
 
「イヤイヤイヤ!!そんなめっそ―もございませんよ、日向先生!!
 葵瀬先生の稽古激しいのわかってて言ってますよね!?」
 
「もちろんですよ。」
 
さらりと言いましたよ、この方。
 
「毎回、そうやって起こさなきゃならないのなら
本当にそうしなきゃと思いますけど・・・・・・どうしますか?」
 
「うっ・・・・・・すみませんでした。でも、本当にそれだけは嫌です!!」
ばっと頭を畳につけて懇願した。(いわゆる土下座)
 
「・・・・・・だ、そうですよ葵瀬せ〜んせい」
日向先生は部屋の入口のほうを見て言っていた。
 
「えっ?」
私は顔をあげて入口のほうを見るとそこには―――――
頭に鬼の角のようなものをはやしている・・・・・・
イヤ、そう見える葵瀬先生が腕を組みながら静かにそこにたたずんでいる。
 
部屋にいる生徒たちの雰囲気が一気に凍った。
 
「おい、チビ・・・・・・」低い声で私を呼んだ。
なんかもうあの時以来チビで定着しちゃったらしい。
「はっはい!」
怖い怖い!!冷や汗がダラダラ流れてくるヨッ!!
 
スタスタと私のほうへ向かってくる葵瀬先生。
そして、私の頭をガシッっと掴んだ。
 
「そんなに俺と稽古がしてぇのか。嬉しいこったなぁ〜」
めったに笑顔になったりしないのに・・・・・・
今、ものすごく笑顔になっているのは気のせいでしょうか・・・・・・。
 
「めっそーもございませんヨ、葵瀬先生。あはは」
私は平常心を保ってるように言った。
 
「遠慮すんなよ、俺もものすごーーーーく暇だから。」
そう言って立つと私を急に脇に抱えた。
「えっ?ちょ・・・葵瀬先生!?」驚いた私はバタバタと暴れる。
 
「日向先生、香乃を借りますね。授業中お邪魔してすみませんでした。」
葵瀬先生は香乃を抱えながら部屋を出ていった。
 
 
「わぁぁあああああ!!すみませんでしたぁぁぁあああ!!!」
 
 
香乃の大きな叫び声が聞こえ一緒にいた生徒たちは「「「「ご愁傷様」」」」と心の中で唱えた。
 
 
――――――――これが、私のいつもの日常・・・・・イヤ、いつもと違う日常だった!!

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