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劣化ウラン
核燃料や核兵器を製造するために、天然ウランを濃縮する過程でできる副産物です。
ウラン235を取り除いた後に残り、ほとんどがウラン238でできています。核分裂をしないので、劣化ウランと呼ばれていますが、放射線を出すことに変わりはありません。半減期(放射能の強さが元の半分になるまでの時間)は45億年です。
ウラン235に比べて、通常の状態で体外から被曝する危険性が低いため、人体に影響はない、と言われてきました。そのため、日本の民間機を含めた、航空機の部品に使われていた時期もありました。しかし、ウラン238を主成分とする劣化ウラン=放射性物質が空気や水、食べ物を通じて直接、体内に入ると、微量であっても、さえぎるものがない状態で長い間、放射線を浴びる体内被曝をおこすと考えられます。
また、放射線だけではなく、重金属中毒の被害も深刻です。
※本来は「劣化ウラン=denatured uranium」、「減損ウラン=depleted uranium」であり、
劣化ウランを"depleted uranium"と表記するのは、かなり一般化した誤用だという
説もあります。
劣化ウラン弾
劣化ウランに少量のチタニウムなどを混ぜて金属状に加工し、主に戦車の装甲を貫通させる徹甲弾の弾芯に用いたものです。
劣化ウランを用いた砲弾は、従来のタングステン製と比べ、密度が高い(=重い)ため、貫通効果が向上します。しかも、タングステン製より遥かに安価に作ることができます。
劣化ウラン弾は、標的に命中した時の摩擦熱で燃え上がり、焼夷(しょうい)効果が得られますが、同時に微粒子の塵(エアロゾル)になって周囲に拡散します。
これは一時的な放射線の放出ではなく、放射性物質そのものの飛散を意味しています。この微粒子は、10万分の1〜200分の1ミリという非常に小さいもので、空気だけでなく、土壌や水に入り込みます。
米軍は、湾岸戦争で300〜400t、アフガニスタンで500〜1,000t、イラク戦争で800〜2,000tの劣化ウラン弾を使用した、とされています。また、ボスニアやコソボでも使用されました。
最近では、バンカーバスターと呼ばれる大型の劣化ウラン砲弾が使用されるようになりました。
劣化ウラン弾については、今も様々な説があります。米軍や国連の機関(WHO)は、劣化ウラン弾による被曝の危険性を公式に否定しています。
しかし、それらの安全説を確信させる情報が少ないこと、米軍内部から劣化ウラン弾の使用上の危険を示唆する資料が出てきていること、日本でも原子力発電の使用済み核燃料は厳重に管理されていること、等の理由で、不安や疑問は消えていません。
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