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「闇サイト」女性殺害初公判 3被告、起訴事実認める
9月25日15時52分配信 産経新聞
名古屋市の会社員、磯谷利恵さん=当時(31)=が昨年8月に拉致、殺害された闇サイト事件で、強盗殺人や逮捕監禁などの罪に問われた元新聞セールススタッフ、神田司(37)ら3被告の初公判が25日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)で開かれた。3被告はいずれも起訴事実を大筋で認めたが、殺害に至る経緯などについて「記憶と違う部分がある」などと述べた。
ほかの2人はいずれも無職の堀慶末(33)と川岸健治(41)の両被告。
検察側は冒頭陳述で、被告らは携帯電話の闇サイトで知り合い、犯行数日前に別の強盗殺人を計画。磯谷さん殺害後にも、まとまった現金が入手できなかったため新たな強盗殺人の計画を立てたと指摘した。
起訴状などによると、3被告はサイト「闇の職業安定所」で知り合い、昨年8月24日夜、名古屋市千種区の路上で帰宅中の磯谷さんを車内に拉致し手錠を掛けて監禁し、現金やカードが入ったバッグを奪った。25日未明、愛知県愛西市の駐車場の車内で、磯谷さんの頭に粘着テープを巻き、金づちで何度も殴った上、首を絞めて殺害。遺体を岐阜県瑞浪市の山林に捨てた。
■母「知るのは怖いが真実話して」
「本当のことを話してほしい」。名古屋市の磯谷利恵さんが拉致、殺害された事件から1年余り。亡き娘の無念と被告への憤りを胸に、母の富美子さん(57)は25日、傍聴席から3被告を見据えた。
冒頭陳述では検察側が殺害の詳細な場面に言及。富美子さんはハンカチで何度も目頭を押さえた。揺れる心の支えになればと、持ち込んだバッグには利恵さんの写真が収められている。
今でもふとした瞬間、食卓でのやりとりが浮かぶ。料理に舌鼓を打ちながら、たわいもない話で笑った時間。胸が締め付けられるような気持ちで思い出と向き合う日々が続く。
「耐えきれなくなって、利恵の笑顔を頭から追い払おうとする自分がいる。本当は受け止めてあげたいのに…」。1周忌を迎え納骨も済ませたが、気持ちの上で「何の区切りにもならなかった」。
昨年9月から被告らに極刑を求める署名活動を始め、28万人を超える署名を集めた。今年3月には当時の法相に闇サイトの法規制を求める手紙も書いた。すべては「娘の無念を晴らしたい」という一心だった。
法廷で被告らが真実を話すことを願う。「でも本当は怖い。利恵が一番つらかった状況を知ることになるから」。富美子さんの苦しみが消えることはない。
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