どうぶつ病院診療日記

動物病院の診察風景や、獣医師が日頃思っていることなど

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シカと救護

病院に携帯からの電話があり、出てみると、
「あんたのとこ、野生動物診れるよね?
 野生動物がいるんだけど、何とかしてよ。」
という内容。

状況をもう少し知りたいので、
「何の動物ですか?」
と聞いてみると、
「シカだけど。」
という話。

うーん、シカかー。
うちの県では、シカは有害鳥獣に指定されているため、2年前からシカは"救護しないように"ということで、野生動物の救護対象から外されてしまっています。
これまでだったら、連れ込まれた野生動物は、地元の動物病院で応急処置をした後、二次救護施設である地元の動物園に搬送され、そちらで元気になるまで保護をしたのち、野生に放獣する、という流れになっていました。

ただ、シカなどの動物は、増えすぎたために農業などへの被害が深刻で、行政が予算を組んで、毎年駆除を行っているというのが現状です。
救護される頭数の何百倍もの数を駆除しているのに、なぜ救護するんだ、という声があったのと、放獣をするにしてもどこの地域の人も、「うちの地域には絶対に放獣するな」という声ばかりなので、どこにも帰す場所がない、という現状もありました。

そのため、野生動物の救護ガイドラインで、「救護を行わない動物」として指定されてしまったのです。
当然二次救護施設である動物園はガイドラインに従ってしか動けませんので、もうすでに「搬入お断り」です。
動物病院においても二次への搬送ができませんので、受け入れはもうすでに不可能です(シカを入院させるのはもともと無理ですが)。

「野生動物救護のガイドラインで救護を行わないとなってしまったので、シカは救護できないんですよ」
と言うと、
「そんなこと関係ないでしょ。
 目の前に怪我して倒れてるんだから、なんとかしてやってよ。」
とお怒りの様子です。
一昔前なら、行政に電話を言って動物園に搬送の流れでしたが、いまはおそらく行政に言えば、そのまま殺処分です。
"救護をしない"のですから、それ以外の選択肢はありません。

「行政に言って引き取ってもらうとたぶんそのまま殺処分となります。
 もしくは、そのままにしておいて様子を見るかでしょうか。」
と言うと、そのままガチャン!と電話を切られてしまいました。

間違えても、"動物病院に連れて来てもらってお預かり"というのは、出口がなくなった現状では取り難い選択肢です。
先日もアジサイの電気柵で家族が亡くなるという事故がありましたが、その背景にあるのは、増えすぎたシカ問題です。
うちの地域でも、町外れに行けば、どこもシカ除けの電気柵だらけです。

怪我をした際に、救護をして、元気にして、野に放つ、というのは、農家の人からしたら、顔を真っ赤にして「止めろ!!」と言われることなのかもしれません。
怪我をした動物を見ると、なんとかしてやりたいと思うのが人情ではあると思いますが、農業にも大きな被害が出ているのが実際ですし、シカとより頻繁に接している人たちは、シカを厄介者としか思っていませんので、問い合わせをされた際の説明というのはなかなかに難しいです。

※転載、リンクはご自由にどうぞ

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~~~ヾ(^∇^)おはよー♪
「鹿」が、そんなに「問題」に、なって居るとは・・・
初耳です
「共存する道」が、無いのが哀しいですね
ナイス

2015/7/27(月) 午前 11:29 [ メイ ]

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> メイさん
農家の人に「シカをどうしたらいいと思いますか」と聞いたら、ほとんどの人が「ぶっ殺せ」と言いますよ、という話を以前聞いたことがあります。
結局バランスが崩れたところがシカの増加につながっているのでしょうけれども。

2015/7/27(月) 午前 11:52 ぽこ

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去年保険所に就職した息子がシカの駆除に立ち会ったり、マダ二の採取をしたりしています。
農家の方のご苦労を目の当たりにして、今までの「野生動物=かわいい」の感覚を捨てたそうです。
〜駆除したシカ肉は食べるそうです。
近くの産直の店にはシカ肉や猪肉も売ってます。罠にかかったヤツなのかな?
私も食べたことありますが、怪我をした野生動物を目の当たりにしたら、助けたい、と思っちゃいますね。矛盾してますが。

2015/7/27(月) 午後 6:04 むうま

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> むうまさん
ジビエという言葉を最近目にするのは、増えたシカというのがまずあるのでしょうね。
昔は救護と駆除の矛盾を感じたことが多々ありましたが、今は矛盾は無くなりましたが、すぱっとしすぎていて複雑です。

2015/7/27(月) 午後 7:51 ぽこ

シカたがないのでしょうね。
複雑な気分です。

2015/7/27(月) 午後 9:00 サンマリー

農家をしている人にとって 鹿などの害獣が 許せないのは わかりますが 駆除されているのを 目の当たりするのは ほんとに胸が苦しくなります。

私の住んでいるところは 鹿も出ますが アライグマが多く たくさんの
仕掛けのついた檻が 置いてあるんです。

犬の散歩に行ったときなどに
檻に捕まってしまったアライグマを見るたびに 逃がしてあげたい気持ちでいっぱいになります。
動物たちも 生きる為に 必死なのでしょうから。
こういう事を書いたら 偽善者だって 叩かれますかね💦
先生も こういう問い合わせは
お辛いですね。

2015/7/27(月) 午後 11:17 jituko

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> サンマリーさん
たシカに。
> jitukoさん
アライグマは特定外来生物なので、もっと別格ですね。
元を作ったのは人間なのですが。

2015/7/28(火) 午前 10:12 ぽこ

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ナイショさん、該当記事のほうにお願いします。

2015/8/10(月) 午後 5:07 ぽこ

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(時間外も全て診るというスタイルなのですが)深夜2時に電話かかってきて開口一番「たぬき轢かれてるんで来てほしいんスけど」としれっと言われたときの事を思い出します。色々な感情を抑えてやんわり無理と答えると「はあ?なんで!!」とキレる始末。
(悪い意味で)子供の心を持ったまま大人になっちゃった人たちなんでしょうね。仮に治療したら自分達が治療費を払わなくてはならないという認識があるのかもかなり怪しいです。

2015/8/10(月) 午後 11:35 [ huk*usi ]

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> huk*usiさん
夜中に来る初診の人には、正直、ろくでもない(失礼!)人が少なからずのような気がします。
少なくとも深夜に人を起こしておいて、気遣いというのが皆無ですね。

2015/8/12(水) 午前 9:16 ぽこ

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ここで あなたや行政を含め 動物に関わる仕事で生活している人が今後考えなくてはならないのは何か?

全て救うのも無理があり かといって そのまま苦しませ続けるのも忍びない
おのずと やるべき事がわかるはず

2015/9/24(木) 午後 1:32 [ でんきゅう ]

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> でんきゅうさん
小動物の動物病院に言うのは筋違いですよ。

2015/10/2(金) 午前 9:28 ぽこ


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