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あるところに、二つの地区がありました。
ルス地区とイナシ地区です。
二つの地区は同じくらいの暮らしをしており、同じくらいの街並みで同じくらいの暮らしをしていました。
そこに、「選挙というものを行って、代表者を決めて、その人に政治をしてもらうことにしよう」と話が持ち上がりました。
早速立候補者が何人か出てきて、その人たちは、二つの地区を回り、それぞれ
「この地区を良くします。生活を良くして、収入を良くします。」
と訴えました。
選挙が終わり、政治家となる人が決まりました。
蓋を開けてみると、ルス地区の人たちはほぼすべての人たちが投票を行っており、それと対照的に、イナシ地区の人たちはほぼすべての人たちがさっぱり投票には行っておりませんでした。
「そんな選挙なんて、行っても何も意味なんてないよ」
イナシ地区の人たちは、皆口々に言ってケラケラと笑っていました。
政治家となった人たちは、それぞれの地区を良くしようと、町を整備し、不便なところを改善しようと奮闘しました。
どこの地域を良くするか、どう良くするかは、政治家によってそれぞれでした。
そして月日が経ち、任期が終わったため、また選挙をし直して代表を決め直そうという話になりました。
また立候補者たちがそれぞれの地区を回り、「この地区をどんどん良くします。」と口々に訴えました。
投票率は、以前と同じでした。
ルス地区の人たちはほぼみんなが投票に行っていましたが、イナシ地区の人たちはさっぱり投票には行っていませんでした。
ただ、前と違うことが一つありました。
ルス地区を良くしようとしていた前回の政治家は、ほぼ皆当選していたのですが、イナシ地区を良くしようと頑張っていた前回の政治家は、ほぼ皆が落選していたのです。
なぜなら、イナシ地区を良くしようとした人たちには、ルス地区の人はあまり票を入れなかったのですが、イナシ地区の人たちはそもそも投票に行っておらず、票がさっぱり入らなかったからです。
ルス地区を良くした人たちは、ルス地区の人たちからの得票によって再選されていました。
そうして次の政治家たちは、ルス地区を優先的に良くしようと活動するようになり、イナシ地区を良くしようとは誰も思わないようになりました。
また次の選挙の時期になった時、立候補者の中には、イナシ地区を良くすると訴える人は誰もいませんでした。
立候補者は誰もが「ルス地区をいかに良くするか」を訴えるようになり、ルス地区の人たちも、「ルス地区をいかに良くしてくれるか」を考えて投票を行うようになりました。
数十年経った頃、ルス地区には立派な建物が立ち並び、暮らしも住み良くなっており、収入も高くなっていました。
それと比べて、イナシ地区の暮らしは昔と変わらず、収入も低いままでした。
イナシ地区の人たちの中には、選挙へ投票に行った人たちもいましたが、なぜ誰もイナシ地区を良くしてくれず、しようともしないのか、全く理解できませんでした。
「なぜ政治家はこの地区のことを考えてくれないのか!」
二つの地区の扱いに憤る声だけが、むなしく響くのでした。
※言うまでもないと思いますが、架空の話です。
投票しないと、こうなる可能性もあるのですよという話の一つです。
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政治家は一部を見て全体を見ないんですかね。
票を高く見てくれた人たちだけしか興味が無いんでしょうかね。
本当は違うと思うんですけど。
2016/7/12(火) 午前 11:00
> サンマリーさん
まぁたとえ話ですから、こんなに投票率がきっぱり別れることもないかとは思います。
でも、ここで言いたいことは、「投票をする層」と「投票をしない層」があれば、おそらく投票をする層を意識した政治をする方へインセンティブが働くよということです。
そして、「軽視される層に属しているために、投票をしているのに不利益を受ける人たち」が出る可能性があるよ、ということです。
2016/7/12(火) 午後 0:12