どうぶつ病院診療日記

動物病院の診察風景や、獣医師が日頃思っていることなど

獣医療に思うこと

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診療・治療しながら思ってること
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先日、連休を利用して、久しぶりに家族で旅行に行って来ました。
子どもたちが前から行きたいと言っていた、
南の方にあるアンパンマンの館に泊まりがけで行って来たのですが、
何とか天候にも恵まれ、入院や急患もはいらず、
家族と充実した時間を過ごす事が出来ました。

動物病院をしていると、お出かけというのがそうそう出来ないのが辛いところなのですが、
久しぶりにパパらしい事ができて、
僕としてもホッとしたところです。

ところで、開業している獣医師の多くがそうだと思いますが、
おでかけとなると、出かける前から祈るような気持ちで日を過ごし、
当日は電話がかかってこないうちに、
そそくさと旅立つ、という人が多いと思います。

僕も、お出かけ当日になり、
出かける直前で電話がかかって来てお出かけは取りやめになった、
という経験を何度もしていますので、
この日は絶対に出かけるという日は、ごめんなさいと心の中で謝りながら、
早く出かけるようにしています。

先日の旅行でも、帰って来ると、
留守電にメッセージが何件か入っていました。

今回は急患の用件はなく、電話をしてみると、
「ちょっとしんどそうだったんですけど、
 今のところ落ち着いているのでまた明日行かせてもらいます。」
というくらいの、平和な用件くらいでした。

今回は無事にすんだのですが、休日でも、
どこかにお出かけしたり、セミナーで出かけていたりしている間に、
病院に電話がかかって来ている事もあります。

うちでは、お出かけ中は留守電に設定しておいて、
帰宅後にメッセージを確認し、
折り返し電話をさせてもらうようにしています。

もしくは、セミナーなどで出かけていて、
嫁さんが自宅に残っているときは、
途中で家に電話をして、変わった事がないか確認するようにしています。

飼い主さんに折り返し電話をすると、だいたいの場合、
「休日にすみませんねぇ」
と飼い主さんが言って来て、こちらも
「いえいえ、こちらも出ていましてすみません」
という流れになります。

ところで中には、電話をすると、
「電話をしたのになんでいないんですか」
と、こちらを責めて来る人もいたりします。

休日に電話をかけて来るのは、
それだけの用件があるだろうからだとは思うのですが
(中には3日前から下痢だけど、今診てくれという人もいます)、
年中無休を標榜しているというわけでもなく、
休日がある事は電話帳にもHPにも明記させてもらっています。

”電話したんだからいろよ”
と言われても、こちらも人間ですので、
休日に出かけている事もあります。

獣医師という、特殊な部分の多い仕事ではありますが、
僕自身、妻も子供もある、一人の人間です。
しょっちゅうとは言いませんが、
たまには家族サービスもしてあげたいところです。

また、出かけているからといって、
遊びに行っていると言うわけでもなく、
セミナーや学会などに出かけている事もあります。

休日はセミナーなどにも行かず、
病院でずっと留守番をしているというのも、
長い目で見れば、知識や技術が向上しませんので良い事でもありません。

実際には、家族とお出かけするよりも、
家族をほったらかして、どこかに勉強会などで出かけている回数の方が多いとは思うのですが、
そうなると、遊びで出かけているわけでもないですし、
獣医師として出かけているわけですので、
それほどけしからん事をしているわけでもありません。

「なんでいないんだよ」
と言われた時に、セミナーなどであれば、
まだ理由を誇らしげに言う事も出来るというものですが、
家族で出かけていたというときは、
何となく、理由を言いにくいと言うのは、不思議なところでもあります。

"家族で出かけている暇があるなら、うちの子を診ろよ"
と思われそうだからなのか、
"病気の動物を放っておいてでかけるとはけしからん"
と言われそうだからなのかよく分かりませんが、
出かけられそうにない状況であれば僕とて出かけるわけにもいきませんので、
外出は状況を見ながらとなります。

実際には、休日にどこに出かけようが、
個人の自由であるはずではあるのですが、
何となく、出かける時に罪悪感を感じたり、
出かけるということ自体に後ろめたい気持ちを感じるというのも、
不思議なところです(一種の職業病なのでしょうね)。

とはいえ、一年365日病院にべったりというわけにもいきませんし
(それではセミナーにも行けません)、
夫として親としての家族サービスもしなければいけませんし、
僕自身の精神的にも良くなさそうなので、
出かける時にはすぱっと気分を入れ替え、リフレッシュした上で、
休日明けにはまた頑張って診察、というほうが良いような気もします。

とは言っても、生き物相手の仕事ですので、
いつ何があるか分からないですし、
休日が急患でつぶれる事があると言うのは、
仕方のないところではあります(これは諦めています)。

他の休日をしっかり取れる職業の人と比べると、
そういうところが家族にも迷惑をかけてしまうところではありますので、
仕事を続けて行く上で、家族に理解してもらうことはなにより大切です。

一年365日診察しているけど、
気がつくと家族が誰もいなくなっていた、
というのはそれも困りますので。

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獣医師と言うのは、互いにライバルであり、
互いに負けないように競り合う相手ではありますが、
かといって、けして敵同士なわけではありません。

獣医師が目指している事は、
「動物を治療し、健康を守る事によって
 飼い主さんの役に立ち、社会へと貢献する事」
です。

同じ目的のために頑張っている他の獣医師は、
同じ道を一緒に歩きながら、同じ喜びと苦しみを感じている、
仲間であり、同志です。

同じ道を歩く仲間の間で、それぞれ知識を分け合い、
ともに向上しあって行こうとする事は、
獣医師にとっても、飼い主さんにとっても、
社会にとってもプラスになることです。

セミナーや勉強会をしたり、学会を開いたりして、
医療者が、自分の持っている知識や技術を、
他の先生、後輩達へと伝えて行くということは、
すべての医療の世界において、ずっと昔から続けられて来た事です。

医療者同士の間で続けられて来た事は、
「与えあい、支えあい、補いあい、そして高めあう」
ということです。

与えあう事をしあえる医療者は、互いに認めあう事が出来るのであり、
それをしあえる関係が、同じ目的に向かって歩んでいる仲間だという事なのだと思います。

経済的な利益は、もちろん大切でありますが、
それは自分の仕事をして行くための手段としてのものです。
利益を求める事は、獣医師としての最終的な目的ではありません。

他の医療者を排除してから利益を独占する、
ということを目指したり、医療者が互いにつぶしあうようなことは、
結果として、社会のためにはなりません。

知識と技術を生かして「大切なものを守る」ということが、
獣医師の獣医師としての本分なのだと思います。

獣医師が知識や技術を高めて行く事はとても大切なものですが、
それは、医療者が互いに与えあう事でなされて行くものです。

自分の得た知識や技術を周りの人に与え、
医療をより良くしていく人は、
周りから認められ、尊敬されます。

でも、他のまじめにやっている人から奪い、かすめ取ろうとし、
医療を壊そうとしているだけの人間を、
認める人はいませんし、尊敬する人はいません。

もしも仮に、ネットで安売りをしたり、
私設集合狂犬病を開いてフィラリア薬をばらまいたり、
気に入らない獣医師の前にわざと病院を作って、
そこで予防薬を半額以下で売って、ライバルをつぶすためにつぶそうとする、
といったことをするような人がいたとして、
そんな人が他の人に認められたり、尊敬されるかどうかは不明です。

すくなくとも、そんな事をしていれば、
誰からも相手をしてもらえなくなりますし、
学会にももちろん出られなくなってしまいます。

獣医師として大切な事のひとつは、
自分の仕事に誇りとやりがいを持って働けるかということだと思います。

医療者が互いに相手をつぶしあおうとするその向こうに、
良い医療はないと思います。

僕は、獣医師と言うのは、まじめな人がまじめに働いて、
それで幸福感を味わうことができるという、
とても幸せな職業なのだと思っています。

互いに与えあう事で、みんなが幸せになれる、
そんなあり方が、誰もにとって、
一番良いあり方なのだと思います。

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動物病院というのは、どこも民間経営です。
行政が支援してくれるわけでも、税金が投入されるわけでもありません。
経営の資源はすべて、飼い主さんが支払ってくれたお金です。

病院経営と言うのは、半端ではなくお金がかかります。
日々の診療もコストがかかりますし、
超音波やレントゲンなどの高価な診断機器や、
さまざまな治療、手術のための機器なども必要です。

しかも、一旦買ったらそれで終わりではなく、
機械というものは定期的に壊れますし、新しい機器も出て来ますので、
補修や買い替えにはひっきりなしにお金がかかります。

ちょっとした診察機器でも数百万円単位のものがごろごろしていますので、
そういうものを買うために、
それぞれの獣医師は借金をしたり、月々のリースをしながら工面しています。

病院経営は走り続ける事でのみ回し続けることができる、
止められない車輪のようなものです。
一旦始めたら、がんばって働き続けて借金を返し続けるしかありません。

良心的な経営と言うのは、しっかりと勉強し、
知識と技術、経験を向上させて行きながら、病院の設備も充実させ、
飼い主さんからいただいた原資を、
飼い主さんにしっかりとフィードバックして行く事なのだと思います。

動物病院の収入源は様々ですが、
治療費はもとより、フィラリアやフード、ノミの薬、ワクチン代などが、
それぞれ貴重な動物病院の原資となります。

病院に入って来たお金は、設備投資や獣医師の勉強を支え、
次に病気になった時によりよい診療を受けられるということで、
飼い主さんのところにフィードバックされます。

動物病院は、飼い主さん達に支えられて運営が出来るものであり、
支えられる事によって、はじめて良くなって行けるものです。

今まではどちらかというと、
「健康な時に予防代としていただいた分を、
 病院を支える貴重な経営資源として役立て、
 病気になった時になるべく安く治療を受けられるようにしていくために、
 薄く平らに飼い主さんからお金をいただく」
というのが、運営に置けるひとつの哲学としてあったように思います。

ところで、最近の流れとしては、
ノミや療法食、中にはフィラリアの薬(海外品)まで、
インターネットで販売しているサイトがあるようです。

治療費以外の収入も、動物病院を経営するためには大切な原資ですので、
動物病院を経営するものとしては、入って来る蛇口の部分を、
直に締め付けられる事になります。

動物病院の経営は、飼い主さんからいただいたお金を元に、
設備を整え、それで診察や治療を行わなければいけないのですが、
病院の収入源がなくなるということは、
病院を維持して行く事はおろか、更なる設備投資によって、
病院を今よりも良くして行くこともできなくなるということです。

ネットでは、販売者は
「できるだけ安くお届けしたい」
と言っていますが(目的は利益だけだったとしても)、
ネットで購入された場合には、その収益が飼い主さんに、
還元される事は絶対にありません。

還元される部分がないからこそ、安く設定されている、
という部分もあります。

ネットでの購入は、医療を支える原資を削り取り、
「地域の医療レベルを引き下げる」
ということに直結することです。

とはいうものの、自由主義経済の社会においては、
規制がない限り、消費者がどこから購入するかと言うのは自由です。

購入する人は、地域の医療レベルの事まで考えて買うわけではないでしょうから、
購入に当たっては、その時点での自分の利益が一番の決めてであると思います
(長い目で見れば不利益を被る可能性があるとしてもです)。

今のところはネットでの動物用医薬品類も規制されるそぶりがないようです。
かといって、個々の動物病院としては、このまま収入源を減らされることに、
何も対処をしないわけにはいきません。

ネット販売をしない動物病院としては、

・収入が減った分、医療レベルを下げる
・別のところから収入を得て、医療レベルを維持する

という、どちらかの選択をするしかありません。

多くの病院は医療レベルを下げたくはないと思っていますので、
おおむね、二番目の「別のところから原資を確保する」
という選択をすると思います。

となると、よほど別の事業がある病院でなければ、
販売部門以外には、本業の医療部門しかありませんので、
医療費を値上げする、という事になって来ます。

となると、
「誰から」「どこから」
値上げをするかがまた問題です。

ここでの選択肢は、

・ネットで買っている人に割り増し請求をする
・全体的に値上げをする

というどちらかです。

従来は、健康な人にも原資を広くいただいていて、
病院を支えてもらっていたのですが、
ネットで買うという事は、見方を変えれば、
「かかりつけの病院を支えるということを拒絶する」
ということでもあります。

病院で普段から購入してくれている人は、
その利益で病院を普段から支えてくれているという事ですので、
ネットで安く買っている人と、病院で普段から買ってくれている人に、
診療費を同じように値上げすると言うのは、
あまりに申し訳ない事です。

普段から病院で購入している人からすれば、
「なぜ普段から病院で定価で買っていて、
 治療費まで値上げまでされなきゃいけないのか」
という疑問がわいてもおかしくありません。

そのため、普段から病院で買ってくれている人には従来通りの値段、
そうでない人は、今までよりも割り増しの料金、
というのは、十分理屈にあう事ではあると思います。

動物病院と言うのは、自由請求ですので、
ひとつの治療に対していくら請求するかと言うのは、
完全に獣医師の自由です。

「普段から病院に来ている人かどうか」
を、請求の時に思案に入れると言うのは、
それほど難しい事ではありません。

少なくとも、病院を普段から支えてくれていない人に、
割引をする必要はまったくありません
(ぼったくると言っているのではありませんが)。

会員制やゴールドカードなどを発行して、
会員は割引料金、それ以外は割高料金、
というシステムと言うのも、十分にありだと思います。

うちでもスタンプカードを導入したりはしていますが、
「囲い込み」というのは、これからの経営を考える上でのキーワードになって来ると思います。

動物病院にとってありがたいのは、
普段から病院を支えてくれ、また獣医師と人間的に信頼関係を構築できる飼い主さんです。
普段はネットで買っていて病院を支えてもくれず、
信頼関係もなくインフォームドコンセントも成立しない相手と言うのは、
動物病院としては必ずしもありがたくない相手です。

病院を普段から支えてくれている飼い主さんとそうでもない人を、
同じに見扱う方が、もしかしたらよほど不平等なのかもしれません。

もうひとつは、
「ネットで買える部分はうんと安くして、
 動物病院でしか出来ない部分は、今までよりもきっちりといただく」
という選択肢です。

ノミの薬は最近はネットでも買えますが、
なぜ近所の動物病院よりもネットで買うかと言えば、
「ネットの方が安いから」
です。

であれば、動物病院の値段もネットと近いレベルまで引き下げ、
ネットで買う利点をなくしてしまい、
その代わりに、その減った収入の分を、
治療の分に転嫁するということは、かなり現実的な選択肢です。

ネットで買える部分は一律値下げし、
動物病院でしか出来ない部分は、一律に値上げする、
というのは、かなり飼い主さんに対しても"平等"です。
飼い主さんの間の扱いなどに、頭を悩ませる必要もありません。

うちでも、ネットで買える部分はスタンプカードを導入して、
10%還元と言う形で実質値下げをし、その代わりに治療費の部分は、
今まで以上にきっちりいただく
(まだ値上げまではいっていませんが、割引をなくす、という感じです)、
という方向にシフトしています。

その上で、スタンプカードを導入して還元しますよと言っている状態で、
それでもネットを選択する飼い主さんと言うのは、
「信頼関係はない飼い主さん」
と、すっぱりと諦めるようにしています。
これなら、こちらの精神衛生上もストレスは減ります。

ネットで儲けていた人は、今まではライバルがいなかったために、
ぬれ手で粟の部分があったと思うのですが、
これからはライバルも増えて来ますし、
ネットで買える部分をがくっと値下げする病院が増えれば、
ネットに流れる顧客が減るという事になりますので、
今までのようにぼろい商売ではなくなります。

今からネットに手を出しても、
あまりメリットもなさそうですし、失うものの方が多そうですので、
僕自身、ネット販売に手を出すつもりはまったくありません。

ネット販売に手を出して、他のサイトの動向を気にしながら、
一生懸命配達作業にいそしむ、
という「業者」になるつもりもありません。
まともな獣医師は、まともなままで生きて行ける方向を模索していく方が性に合っています。

今後は、診療費の値上げ、ということは避けられない状況になると思いますが、
ネットで安く買って徳をしたと思っていたら、
病気で病院にかかって、今までよりもずいぶん高い治療費を請求された、
という状況も、これからはその分出て来るようになると思います。

治療費が今後高くなっていくのは避けられませんので、
「動物用の健康保険」の重要性と言うのはより高くなって来ると思います。

健康保険に入っていれば、飼い主さんも病気になった時に安心ですし、
獣医師も安心して請求できますし、踏み倒しの心配もなくなります。

となると、「月々の保険代を払えるか」ということが、
動物を飼う上でのひとつの敷居となってくるのかもしれません。

ネットが一般的になって来ている一方で、
動物病院における「料金の適正化」もこれから再考されて来ると思いますが、
それは飼い主さんにとって、好ましい事ばかりではないと思います。

病院によって選択肢はそれぞれだと思いますが、おおむねは、

・ネットで買える部分の値下げ(もしくはポイントなどでの還元)
・診療費の値上げ(これはまず避けられません)
・飼い主ごとの値段の差別化

というのが、これからの流れの方向となっていくのではないかと思います。

「なにもしない」というのも、動物病院としてはありかもしれませんが、
何もしなければ、足下を削られて行き、
そこから流れて行った飼い主さんがネットで買い物をして、
業者が喜ぶだけですので、まずはネットで買える部分の値下げ、
というのは、多くの動物病院が選択する事になるのではないかと思います。

「ネット販売をしていてもそれほど割に合わない」
というのが、料金の適正化の進んだ状態の、
ひとつの終着点となるような気がします。

一方、料金の適正化のもうひとつの結果は、診療費の値上げです。
「ネットで買える部分」が値下げされて良かったなぁ、
と思っていても、その先には飼い主さんにとって"思っても見なかった事"
が必ずセットでやって来ます。

少なからずの飼い主さんが、治療費の値上げとなってから
「なんで??」
と思うかもしれませんが、それは起こるべくして起こっているという事ですので、
その点はご了承ください。

※転載、リンクはご自由にどうぞ
たいていの病気はすんなり診断がつき、すんなり治療が出来ることが多いですが、
時には気をつけないと、ありふれた症状のようでいて実は落とし穴がある、
と言う事もあったりします。

臨床において大切な事の一つは、
「何かがおかしい」
ということを、直感で感じ取る能力であると思います。

動物は言葉をしゃべれませんので、
どこがどう悪いとかをしゃべってくれるわけではありません。

また、飼い主さんも問題点に気づいていなかったり、
本当の問題とは違う事が気になって、
異なる事を主訴として来院して来ていたりする事もあります。

言われたところしか見ていなかったりして、
全体を観察するのを忘れていたりすると、
本当の問題点に気づかず、大切な部分を見落としてしまう可能性があります。

皮膚の毛並みが悪いと言う主訴で来られていても、
実は皮膚の問題ではなく、別のところに問題があり、
そこから二次的な症状として皮膚病が出ている、
などということもしばしばです。

目やにが出ると言う主訴だったりしても、
目が問題ではなく、実は体の中に大きな病気があったりして、
そのために目やにが出ているのかもしれません。

そこで、「何かおかしいな」と気づく事が出来れば、
本当の問題点が潜んでいる事に気づけるかもしれませんが、
そこで何も感じずに、問題点を見過ごしてしまえば、
出来るはずの対処が出来なくなってしまったり、
治療をするタイミングを逃してしまったりする事になります。

今治療をしていて、その反応を見ていると言うときでも、
予想している反応と違ったり、何か違和感を感じた時に、
自分が感じた違和感をしっかりと拾い上げることができるかが、
思わぬ事故を防いだり、
九死に一生を得る事になる境目だったりする事もあります。

おかしいと感じた時には、たいてい何かがおかしいからそう感じているということが多いです。
何かがおかしい時に、それをおかしいと思えず気づかないと言う事は、
臨床家としてよろしくない事です。

診察と治療には、すべて理論的に考えて進めて行く事が必要ですが、
その入り口と曲がり角には、しばしば、
動物的なカンというものも必要です。

動物的なカンと言うのは、
"これは・・”"と、"その時"に、直感で感じる事が出来るかと言う事です。
心の中に、危険を感じるためのセンサーを持つと言う事でもあります。

心の中のセンサーをみがいて行くには、
勉強して知識を得て行きつつ、日々の診察で経験を積んで行くという事が大切ですが、
一方で、センサーの感度を保つためには、
精神的な部分も大切です。

中でも、疲れやストレスがたまったりしていると、
心の中のセンサーが麻痺してしまうのか、
日頃なら見抜けるはずのものが見抜けなくなってしまったりする可能性があります。

いつ何時何があるか分からないと言う注意を持っておくと同時に、
気力、体力を充実させて、日頃の診療に望みたいと思います。

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最近の医療においては、インフォームドコンセントというものが、
とても大切なものと考えられるようになって来ています。

医療者の側も、何かをする前に、
「インフォームドコンセントをしました。」
と確認してから、医療に当たるようになって来ています。

ところで、医療者側がインフォームドコンセントをする、
という言葉には、若干引っかかるものがないでもないです。
というのも、インフォームドコンセントは、
医療者側が"する"ものではないからです。

インフォームドコンセントというのは、
カタカナ言葉なのでいまいち分かりにくい言葉ではあるのですが、
日本語に訳すと、「説明を受けた上での同意」となります。

患者側からすると勝手な医療を防ぐため、
医療者側からすると医療訴訟の発生を防ぐため、
「これこれこういう状態なので、こうさせてもらっていいですね。」
と、行う医療に納得してもらった上で医療を進めて行くという考え方です。

ところで、同意の前には、説明と納得、理解というものが不可欠なのですが、
説明をしたのは医療者にも分かるとして、
納得してくれているか、きちんと理解してくれているか、
その上で同意をしてくれているかという事は、
直接分かるものではありません。

だからこそ、「同意書」という形で、
「分かりましたので、同意します。」
という契約書をとる必要があるわけです。

インフォームドコンセントがもてはやされる風潮の中では、
同意書さえとれば、インフォームドコンセントをしたことになる、
と思われがちかもしれません。

でも、本当に必要なのは、
書類ではなく、患者側の理解と納得です。

患者が納得して上で同意をしなければ、
インフォームドコンセントがなされたことにはなりません。

あくまでも、"説明をされること"ではなく、
"説明を受けた上で同意をする"ことが、
インフォームドコンセントというものの一番大切なところです。

同意書と言うのは、理解をし、納得をし、同意をした事の証として残されるものです。
だからこそ、同意書を書いておきながら、
説明をした事についてのクレームとなると、
「同意してもらったじゃないですか」
となるわけです。

もちろん、同意書をもらう前には、
きちんと説明をしたか、きちんと不明点を聞き出して説明をしたか、
ということが大切になって来ます。

医療者側からは、インフォームドコンセントを"してもらった"とか、
"取り付けた"という表現は出来ても、
"した"とはいえるものではありません。

なぜなら、納得し、同意を出来るのは、患者の側だけであるからです。

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