どうぶつ病院診療日記

動物病院の診察風景や、獣医師が日頃思っていることなど

病気、ちょこっとアドバイス

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獣医師としての、病気に対してのちょこっとしたアドバイスです。
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僕も子どものころから犬を家で飼っていましたが、
昔不思議に思っていたしぐさとして、
「お尻を下にこすりつけながら、前足で前進する」
というものがありました。

子どものころはその意味も分からず、
面白い仕草だと思っていたのですが、
今から思うと、あまり楽しめるような仕草ではないと思います。

なぜなら、その仕草の時には、
肛門嚢に液体がたまったり、炎症が起こったりして、
それを気にして犬がおしりをこすりつけているものだからです。

犬、猫などには、肛門の横に、別名「におい袋」とも呼ばれる、
肛門嚢という袋があります。

通常はその液は、便をする時に肛門括約筋の収縮によって、
便に付着して出て行きます。

作られるのと釣り合う量が定期的に出て行く事によって、
たまりすぎないようにバランスが保たれているのですが、
肛門括約筋が弱かったり、便が柔らかかったり、
分泌液の粘稠性が増加したりすると、
うまく液が排出されず、たまりすぎる事があります。

貯留しすぎたり、嚢に細菌が感染したりして炎症が起こると、
肛門嚢がむずがゆくなって、下でこすりはじめます。

したがって、下でこすっているのを見つけたら、
早めに肛門嚢をしぼって、たまっている液を排出させてあげる方が良いです。

もし炎症が起こっていたりすると、しぼった液に出血が見られる事になりますので、
その時には、動物病院で診察してもらって方がいいです。

下にこすりつけているのを見て、面白いなぁと見ていると、
下でお尻をこすっているうちに、液が排出され、
その液は床に塗り付けられているということになる可能性があります。

肛門嚢液は臭いですし、衛生的ではありませんので、
あまり下でこすって出させると言うのは、
気持ちのいいものではありません。

今は、肛門嚢の存在は割合良く知られるようになっていると思いますが、
下でこすり始めたら要注意のサインですので、
ご注意ください。

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「皮膚にしこりができました」
というのは、動物病院ではよく聞く主訴ですが、
可能性としては、腫瘍か炎症か、それ以外か、というあたりがほとんどです。

ところで、皮膚にぷっくりと何かができた時、
気になっていじる飼い主さんというのも多いようですが、
あまりいじりすぎたりはしない方が良いです。

なぜなら、皮膚のしこりの中には、
触られる事で全身状態が悪くなる可能性のある
「肥満細胞腫」というものがあるからです。

肥満細胞腫は、細胞内にヒスタミンやへパリンなどの生理物質をたくさん抱えている細胞で、
それが腫瘍化していた場合、
揉まれる事で細胞内の顆粒が細胞外に放出される可能性があります。

すると、放出された物質によって体が影響を受け、
全身状態の急激な悪化を引き起こす可能性があります。

中でもヒスタミンなどが放出されると、
突然死を引き起こす可能性もありますので要注意です。

しこりができた場合、その大きさを確認するために、
ぐりぐりと触る人もいるようですが、
それにより思わぬ結果を引き起こす可能性がありますので、
しこりが見つかった場合は、あまり触らないようにして、
早めに動物病院で診てもらう方が良いです。

動物病院では、しこりを見つけたら、
まずは針を刺して、どんな細胞がそこにあるかを検査します。

肥満細胞腫は腫瘍の中でも珍しく、
細胞診で診断のつきやすい部類の腫瘍であり、
一方で、見た目だけではさほど悪くなさそうなものと見誤る可能性がありますので、
しこりの時は細胞診が必須です。

獣医師にとっても、しこりがあるからなんだろなと触診した後、
細胞診をしてみたら肥満細胞がごっそりできて来て、
肝を冷やすという事もあります
(うっかり触ってしまった後は、
 ショック予防のためにステロイドの注射をうっておくようにしています)。

もししこりを見つけたときは、くれぐれもあまりもんだりしないようにご注意ください。
見た目だけではだまされることもしばしばですので、
まずは早めの診察が一番ですね。

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これからの時期、いろいろな中毒物質に気をつけなければいけない時期になって来ますが、
患者としてやって来るのはだいたいが犬です。

農薬のついている草を食べたり、落ちているものを拾ったりして、
中毒物質を摂取してしまうという事が多いようです。

ところで、犬の方が猫よりも中毒の発生率は多いと思いますが、
体の構造から言うと、犬よりも猫の方が、中毒になりやすい構造になっています。

なぜかと言えば、犬は雑食動物ですが、
猫は完全肉食動物だからです。

雑食動物というのは、植物性の食物も口にする動物なのですが、
植物性の食物と言うのはしばしば動物に害を与える毒素を持っています。

植物にとっては、動物に食べられると言うのはすなわち、
自分の生存を脅かされるという事ですので、
自分の体内に毒を作る事で自分の身を守っています。

植物が毒を持って身を守るように進化して来ている一方で、
動物はそれを解毒する力を得るように進化して来ています。
毒が体の中に入って来て、それを分解できなければ、
食べたものによって自分が死に至る可能性が高まってしまうからです。

雑食動物であれば、自分が食べたものの中に、
いつ毒素が混ざっているか分かりませんので、
それにある程度対応できるように、うまくしくみができあがっています
(それを超えた量の毒が入って来た時に中毒が起こるのですが)。

それに対して、猫は完全肉食動物です。
完全肉食動物においては、毒を持っている植物は口にする事がありません。

毒が入って来ることがないのであれば、
入って来た毒に対処するという必要もなくなります。

したがって、猫は毒素を分解する能力がとても低い動物となっています。
分解する能力が低いと言う事は、
生物として欠陥であるとかそう言う事ではなく、
"必要がない"から身につけてこなかったということです。

解毒能力が低くても、中毒物質を口にしなければ問題にはならないのですが、
本来の食物ではないものを食べてしまった時には、
犬よりもその毒の影響を強く受けてしまいます。

例えば、アスピリンと言うのは柳の樹皮から取れる化学物質ですが、
猫ではアスピリンの分解能力が低いため、
間違えて人間の薬を口にすると、
人間にとっては少ない量でもアスピリン中毒になってしまう可能性が出て来ます。

その他にも、犬では大丈夫だけど、
猫では口にすると中毒になってしまう可能性のあるものはけっこうあります。

とはいえあまり猫で中毒が起こらないのは、
犬に比べると、変なものを口にする可能性が低いからです。

猫が自分で"中毒になるからやめておこう"と思っているわけではないでしょうけれど、
人間用の薬などでも間違って口にすると、
犬が口にしたときよりも中毒になりやすいですので、
猫を飼っている家庭では、薬などは特によけておいた方が良いと思います。

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病気の中には、椎間板ヘルニアや骨折の様に、
"絶対安静"が必要になって来る病気というものもあります。

そう言うときは、
「しっかり安静にしておかないと、恐ろしい事になる可能性がありますよ」
と、少し強めにおどしておけば、たいがいの場合は、
きっちりと安静を守ってもらえる事が多いです。

ただ中には、ものすごく元気な動物であったり、
同居犬がいたりして、安静に保てなかったりする事があります。

中でも同居犬がいる場合は、もう一頭が乗っかって来たりすると、
それで状態が一気に悪くなってしまったりする事もあります。

ダックスの椎間板ヘルニアでは、もう一頭に乗っかられて、
急に神経症状が悪化するという事もあったりします。

そうなると、"治療"においての一番の課題が、
「どうやってもう一頭からの乗っかり攻撃を防ぐか」
ということになってしまいます。

「安静にしておいて下さいね」
と口で言うのは簡単ですが、
もう一頭が病気のこの事を好きで好きで、
すぐにくっ付いて来る、という場合は、
どうやって安静を保とうか、頭を悩ませてしまう事になります。

先日も、椎間板ヘルニアでグレード的には重度ではないものの、
もう一頭のかまって攻撃で家で安静を保てないのでという事で、
ホテル預かりでしばらく入院した子がいました。

預かってしている事と言えば、ケージの中でおとなしくしておいてもらう事だけだったのですが、
もう一頭の子は、大好きだった仲良し犬がいなくなってしまい、
かなりしょげ込んでいてかわいそうだった、ということでした。

ただ、一番怖いのは、家に帰してしばらくして、
急激に悪化して、
「こんな状態になってしまいました・・。」
と、後ろ足が動かない状態になって連れてこられる事ですので、
安静にしていて悪化を防げるのであれば、
よくなるまでの少しの間、申し訳ないけれども我慢しておいてねとお願いするばかりです。

犬と言うのは自分の行動することで、それがどういう結果に結びつくか、
という事は想像できませんし、言っても分かりませんので、
人間が結果を見越してなんとかしてあげるしかありません。

遊びたがっているときでも、遊ばせてかまわないわけでないときもあるわけで、
そういうときは心を鬼にして接するしかないですね。

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ハムスターというのも不思議に、腫瘍ができる事がしばしばある動物です。
それも、体表にぽっこりとした腫瘍ができることが多いです
(血液系の腫瘍があっても診断はできないのですが・・)。

腫瘍があるときの基本は手術になるのですが、
ハムスターではひとつ気をつけないといけないことがあります。

それは、ハムスターでは、

腫瘍の進行がとても速い

ということです。

ハムスターの寿命はだいたい2年半〜3年くらいです。
人間であればだいたい70〜80年くらいですが、
ハムスターの寿命というのはその30分の一くらいしかありません。

そのため、病気の進行というのもその分経過が早い事になります。
犬でもドッグイヤーと言って、人間よりも速い時間の流れの中で生きているのですが、
ハムスターの場合は、時間の経過がそれよりもはるかに速いです。

実際、ハムスターの場合は、
しこりはできてから、見る見る大きくなって行ってしまいます。

時間の流れが30倍という事は、
1日様子を見れば、人間だと1ヶ月近く様子を見てしまうという事であり、
1週間様子を見れば、半年以上様子を見てしまうことになるという事です。

実際、1ヶ月前にしこりができて、様子を見ていたら、
ハムスターとほぼ同じ大きさまで腫瘍が成長してしまった、
という症例も時折見かけます。

そのため、ハムスターで腫瘍を見つけたら、
手術をするのであれば一日でも早く手術をする事が推奨されます。

犬猫では、手術するかどうかしばらく考えてもらうというのも可能ですが、
ハムスターの腫瘍の場合は進行がずば抜けて早いですので、
考えてもらっている間にどんどん大きくなり、
リスクも高くなって手術もできなくなってしまうという可能性もあります。

それにしても、ハムスターは腫瘍ができる事が多いのが不思議です。
だいたいは皮下にポッコリとあって、きれいに取りきれるものが多いのですが、
なぜなんでしょうね。

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