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前回の記事でフィラリア薬の記事を書いて、 |
フィラリアについて
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フィラリアについての話です
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今年は、かつてなくどの動物病院も頭を悩ませている春になっていると思います。 というのは、フィラリアの予防薬が、今年の春から一気にレパートリーが増えるからです。 特徴としては、今まではフィラリアの予防薬はフィラリアの効果(プラス回虫もあったけど)のみだったものが多かったのが、 ノミやマダニの効果もあるものが増えてきたということです。 フィラリア単味の薬ももちろんありますが(値段は安め)、 ノミの効果もあってスポットタイプだったり(でもマダニには効かない)、 ノミやマダニにも効果があってものすごく美味しい(でも価格が結構高い・・) ものなどが出てきて、どれをオススメするか悩みどころとなっています (去年まであった薬と効果がかぶっているようなものもあります)。 全種類を病院に揃えておくというわけにもいかないので、その中から5-6種類を選んで、 飼い主さんに説明して選んでもらうという形になりますが、 どれが選ばれるか全くわからないので、 今年の仕入れは様子を見ながらという形になりそうです。 目下の予想では・・、 1.フィラリアと回虫のジャーキータイプ 値段が一番安いですから 2.フィラリアとノミと回虫・鉤虫のスポットタイプ 値段もそれなりで、ノミとフィラリアを別個でするよりお得。 駆虫範囲が広く、ノミにもおなかの虫にもアカラスにも効く でもマダニには効能がない 3.フィラリアとノミ・マダニ、回虫・鉤虫・鞭虫にも効くソフトチュアブルタイプ ソフトチュアブルタイプですごく美味しい。 駆虫範囲も広く、マダニにも効く ただ、値段が高めなのがネック 4.注射タイプ(6か月と12か月タイプ) 年間に1-2回で済む 半年タイプは血液検査も免除で、採血の難しい子に使いやすい フィラリアにしか効かない というあたりになるでしょうか。 去年だったらこの時期にはもうまとめ買いをしていたのですが、 今年は飼い主さんの選択がどうなるかさっぱり分かりません。 飼い主さんがどれを選ぶかですが、 何を持って飼い主さんが選択するかもそれぞれなのでしょうね。 ※リンクと転載はご自由にどうぞ
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facebookの方で作って公開している、「フィラリア薬をネット購入されている方へ」のプリントの原案です。 この文章は、ご自由にご利用いただいて結構です。 フィラリア薬をネット購入されている方へ フィラリアの予防薬は、誤った使用方法を行うことにより動物の死亡につながるため、「要指示薬」という指定がされています。要指示薬というのは、決められた手順を踏んで獣医師が"処方"しなければならないと法律で定められているということです。 フィラリア予防薬は獣医師でもネットで販売することは禁止されており、日本国内で販売すれば違法行為として逮捕されます。海外の業者のため規制ができないだけで、違法すれすれの行為です(日本国内で規制されている大麻を、海外に行って吸って来るというのと同じ話です)。 海外からの薬がきちんとしたものかも分かりませんし(人間でも海外性のバイアグラで粗悪品が多く出回っています)、動物がフィラリアにかかり死亡したとしても、それは飼い主さんの自己責任です。実際にネット購入をしていてフィラリアに感染したという報告も出て来ています。 フィラリア薬は動物に危害がおよぶ可能性がある薬ですので、ネットで海外から購入することは絶対におやめください。 フィラリアの薬をネットで購入するということは、するべきでない一線を越えている行為ですので、フィラリア薬を海外から購入されている方と、当院で処方している方とは区別して対応させていただきます。以下の点ご了承ください。 1.フィラリアの検査代について 当院で処方させていただいている場合、検査代は採血料をサービスして、検査キットの料金だけいただいています。検査だけ当院で行う場合は、診察料+採血料+検査キット代となります。 2.診療について 診療においては、ネット購入されている方の場合も、するべきことをさせていただきます。当院でフィラリア薬を処方させていただいている方には、治療や投薬へのアドバイス等は通常、付随サービスとして無料でさせていただいておりますが、ネットで購入されている方へのアドバイスについては別途、料金を請求させていただきますのでご了承ください。 治療薬や時間外料金などについても、当院で処方させていただいている方とは一部料金が異なりますのでご了承ください(かかりつけの飼い主さんの場合は状況に応じて割引したりしています)。 当院では、獣医療というのは獣医師と飼い主さんとの信頼関係がなにより大切だと考えております。
一方で、かかりつけで当院でずっと処方させていただいている方とネット購入の方とに同一に対応することはフェアではないと考えています。ずっと当院で処方させていただいている飼い主さまの方をより大切にしたいと考えておりますので、その点ご了承ください。 |
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動物用医薬品類のネット購入が獣医療で問題視となって来て久しいですが、 もっと深刻な問題として、「フィラリア薬のネット購入」というものが出て来ているようです。 フィラリア薬は日本国内では、「要指示薬」となっているため、 診察なしでの購入はできないのですが、 海外からの輸入品は個人輸入という形で買うことができてしまうようです。 フィラリアの薬は用法・用量を守って飲まないと、 動物が死亡することのある薬ですので、通常の薬とはわけが違います。 通常は、春に血液検査を行い、検査で陰性であることを確認してから投薬開始となるのですが、 時期設定を間違っていたり、体重を間違っていたり、飲み方を間違っていたりすると、 フィラリアに感染する可能性が出て来ます。 まして、海外からの格安品となると、 「本当にフィラリア感染予防に効くのか」 というのがそもそもの問題となって来ます (人間のバイアグラも海外から粗悪品が多く入って来ているという話です)。 フィラリアに感染してミクロフィラリア血症という状態になっているときに、 それを知らずにフィラリアの薬を飲むと、 ミクロフィラリアが肺動脈につまり、急激な肺高血圧からベナケバシンドローム(弁閉鎖不全による急性心不全)になったり、 腎不全やアレルギーの症状を起こして動物が死亡する可能性があります。 フィラリアの薬は、決められた手順を踏まないと死亡につながる可能性があるからこそ、 「要指示薬」として勝手に販売できないようになっているのです。 飼い主の勝手な判断のもと使用する人が増えて来るような事態になると、 それこそ6月から9月だけ飲ませていたり、体重を間違って飲ませていたりして、 誤った使用によって感染し、動物に害が及ぶような事態になることも考えられます (粗悪品ならそれ以前の問題ですが)。 きちんと予防しないと命に関わる病気の薬で(フィラリアに感染すると悲惨な死に方をします)、 要指示薬となっているものを、自分の判断で勝手に飲むということは、 獣医師としてはまったくおすすめされませんので、 もしもしている人がいらっしゃいましたら、直ちにやめるよう、強く推奨いたします。 実際、ネットで購入していてフィラリアに感染したという話も出てきています。 フィラリア予防薬を海外から個人輸入して勝手に飲ませると言うのは、 「するべきでない」一線を越えてしまっています。 自分の子どもに、ともすれば命に関わる薬を勝手な判断で飲ませることができるかと考えれば、 そんなことはあり得ないのではないかと思います。 もしも感染して治療することになれば、それこそ"得をした"と思っていた分と、 比べ物にならないような金額の治療費がかかることになってしまいます。 療法食や動物用医薬品を勝手に自分の判断でネットで購入して使用する人が増えて来ると、 結局害を受けたり不利益を被るのは、当の動物です。 今のところ多く見かける訳ではないですが、 たまに見かけるようになって来ましたし、 「ネットで買えるからそっちの方がお得だよ」 というような口コミが広がると良くないですので、 「けしてそうではないよ」 ということを、獣医師としてお伝えしなければいけないと思っています。 ※転載、リンクはご自由にどうぞ
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「蚊に刺されるとフィラリアをうつされる可能性がある」 というのは、犬を飼っている人にとってはほぼ常識だと思います。 一方、フィラリアが蚊から犬にうつる方法については、だいたいの人は、 「針で刺した時に、体内に注入されるんじゃないの?」 と思っているのではないかと思います。 目で見て見えるものではないので完全に明らかになっていない部分もあるようですが、 フィラリアは蚊の体内でのほほんとしていれば、 自動的に犬の体内に移動させてもらえるというな甘いものでもないようです。 フィラリアは、蚊の体内でL1(吸血直後)からL3(感染幼虫)まで成長した後、 吻鞘という口の根元の部分に移動して待機します。 そして、蚊が吸血を行う際に、 吻鞘の中の液体とともにL3幼虫は皮膚の上にまき散らされます。 そのままじっとしていたら体が乾いて死ぬか、 犬にぼりぼりされて、地面に落っことされてして、 死を待つしかありません。 皮膚の上に落とされたフィラリアが生きる道はただひとつ、 「蚊の吸血によって出来た穴にもぐりこみ、体内に侵入する」 ということです。 時間がたつと、穴も塞がってしまう可能性がありますし、 唾液が乾燥すれば液体の中を泳いで移動するということも出来なくなります。 そのため、フィラリアは必死に泳いで、 ただひとつの道を通って生き抜くために、 体に入ろうとするのだと思います。 だまっていればすっと体に入れるわけではなく、 うまく侵入できると決まったわけでもありません。 考えてみると、ミクロフィラリア(L1幼虫)が蚊にうつる際も、 蚊の吸血の時に犬から蚊に移行するわけですが、 ミクロフィラリアの状態で血液中を流されていても、 そもそも蚊に吸ってもらえなければそのまま犬の体内ではかない一生を終えるわけですし (圧倒的にほとんどのミクロフィラリアがそうなるのだと思います)、 蚊に入ってうまく犬までたどり着いても、 皮膚の上でひからびてしまえばそれでダメです。 そのうえ蚊が吸血をした相手が、 フィラリアの宿主にふさわしくない相手だったりすると、 せっかく侵入しても成長することもできません (終宿主を吸血してくれるかどうかは運次第です)。 なんとか幸運に幸運を重ねて犬に入り込めても、 近年は恨めしいことに最後の敵として「獣医師」というものが出現していますので、 駆虫薬を使われてしまうと、長い道のりの末にせっかく犬にたどり着いたとしても、 あえなく殺されてしまうことになります。 最近は簡単・確実にフィラリアの幼虫の駆虫を行える薬(予防薬のことです)が登場していますので、 ますますフィラリアが一生を全うするのは困難な時代になっているのかもしれません。 そう考えると、フィラリアの一生というのも、 なんとも大変で切ないもののように感じますが、 そうは言っても、だからといって犬に感染したフィラリアを温かく見守ってあげる、 というわけにもいきませんので、 獣医師としては、毎月定期的な投薬をお勧めすることになります。 フィラリアを予防/駆虫することが"業の深い"ことなのかどうかは何とも分かりませんが、 たまには、はかなく死んでしまったフィラリアのために、 手を合わせてあげるのも良いかもしれませんね。 ※動物と飼い主さんの設定と描写には、修正を加えています。
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