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日曜にJ-CASTやヤフーニュースに載って以来、 あちこちで踏み倒しの記事の内容が話題となっているようです。 僕のブログに訪れてくれる人が増えるのは純粋にうれしいのですが、 「踏み倒しの事をブログで書いている獣医師」 と認識されそうな気もして、なんとも複雑な面もあります。 以前から来ていただいている人はご存知だと思いますが、 このブログで目指しているのは、 「獣医師と飼い主さんの喜びや悲しみを、文章で伝える事」です。 いろいろと、書きたい事を書いている中で、 未払い問題というのはその一部のものです。 このブログで伝えたい事のメインではありませんので、 未払い問題が主だと思われてしまうと、 ちょっと困ってしまうところです。 ところで、先日、テレビ局の人から電話が問い合わせがかかって来て、 未払い問題の実際の症例の話や対処法、 周りの先生の話などをお話ししました。 テレビ局でもJ-CASTを見たようで、 そのうちもしかしたら番組で取り上げるかもしれないと言っていました。 番組的には、 「最近モラルの低い人が増えて来て、 動物病院でもその例に漏れず、困っている」 という流れにしたいのかもしれませんが、 実際には、動物病院の未払い問題は、 大昔からあるもので、とくに今始まったというものではありません。 また、僕の病院では、最近増えているかと言うとそんなこともなく、 開業当初と比べて、むしろ最近はずいぶん減って来ています。 その理由はと言えば、時間外の留守電やクレジットカードの導入など、 未払いを発生させないように工夫をした (http://blogs.yahoo.co.jp/ponpoko6691535/17359073.html)、 ということ以外に、開業してある程度日にちがたって、 以前よりも患者さんが、"こなれて来た"、という事があると思います。 動物病院にとって、未払い問題というのは、 新規開業した病院がどこでも体験する、 ひとつの"試練"のようなものとして知られています。 その理由のひとつには、新しい病院がオープンすると、 周りの病院で未払いを作っていて、 そちらに行きにくいという状態の人が次から次へと順々にやって来る、 ということがあるようです。 また、新規開業のときは、 かかって来た電話にはすべて対応しようとする傾向がありますので、 時間外であろうが新患さんだろうがすべて来てもらい、 結果、踏み倒しをする人までたくさん来てしまう、 という面があるようです。 先日書いていた通り(http://blogs.yahoo.co.jp/ponpoko6691535/17260306.html)、 時間外の新患さんで、固定電話を持っていない、 カードを持っていない、という条件が揃っていると、 かなりアヤシくなって来るのは確かです。 そのため、時間外になったら、一度留守電に入れてもらってこちらからかけ直す、 つけはしないようにしてカード支払いをしてもらう、などの対処をすれば、 未払いをするような人を、ある程度事前にブロックする事が可能です。 条件成立のポイントの中でも、 時間外の初診の人というのがかなり要注意なのは間違いありません。 なぜなら、理由のひとつは、時間外の初診の人と獣医師の間には、 「信頼関係」がまだまるきり出来上がっていないからです。 動物と飼い主さんとの間に、互いを信頼しあう心の絆があるように、 飼い主さんと獣医師の間にも、互いを信頼しあう「心の絆」というものがあります。 僕が獣医療において一番理想としている状態というのは、 飼い主さんの「なんとかして欲しい」という思いに、 獣医師が「なんとかしてあげたい」という思いを持って向かい、 互いに思いをまっすぐぶつけあって治療をして行く事だと思います。 飼い主さんにしても、獣医師や動物病院に対する信頼感、安心感を持ち、 そこに心の間の溝が無い状態であれば、 そうそう、 「金が惜しいから、診療費なんて踏み倒してとんずらしてやれ」 なんてことは、頭に浮かびはしないと思います。 また、獣医師の側からしても、 電話をかけて来たのが以前来た事のある患者さんであれば、 時間外の電話だったとしても、 踏み倒しの心配など、最初からしたりはしません。 留守電の履歴だけが残っている状態で、メッセージが入っていなかったとしても、 かかりつけの人であると確認できた時点で、 「留守電が入っていたようですが、何かありました?」と、こちらから電話をかけるようにしています。 それは、仕事だから仕方なしにする、などというものではなく、 何かあったのか、心配になる気持ちが前に出て来て電話をするものです (ただし、携帯からでメッセージの無い場合は電話をしない事が多いです)。 飼い主さんに対してある程度の信頼感を持っていて、 なんとかしてあげたいと思う気持ちが強ければ、 お金が足りなかったとしても、 「お金は後でも良いから、治療してあげましょう。」と言っています。 互いに信頼関係があった場合には、 心を傾けても、それが裏切られておしまいになってしまうというような事は、 そうそうはありません。 踏み倒しをする人が、信頼関係などないから傷つけても構わないやと思うのか、 それとも、信頼関係を構築する事など考えてもいないのか、 それは分かりません。 ただ、獣医師が精一杯治療した時に、 そこに踏み倒しで返して来る人というのは、 飼い主さんと獣医師の「心と心のキャッチボール」を否定し、 獣医師が飼い主さんに対して良いボールを投げようとする気力を奪ってしまいます。 それは、結局、普通のまじめな飼い主さんに対して、 獣医師の対応を硬化させ、診察へのエネルギーを奪う事で、 迷惑をかけているのだと思います。 だからこそ、踏み倒しと言うことをするのは止めて欲しいと、そう願います。 ※動物と飼い主さんの設定と描写には、修正を加えています。
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未払い問題
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この記事は、『踏み倒しのフラグが立つとき』の続きです。 時間外の対応をどうするか、ということは、 どこの動物病院でも頭を悩ませるところです。 というのも、時間外の診察というのは、 獣医師にとって、精神と体力をすり減らすのみならず、 踏み倒しやヘンな飼い主に会う可能性も高く、 トラブルに巻き込まれる可能性もあるからです。 かといって、まるきり診なければ診なかったで、 緊急を要する病気の時に、それを診なかったために命を落とす、 という可能性もありますので、 それは診てあげたいところです。 救える命は救ってあげたいのですが、 全てを診ようとすると、必ずトラブルに巻き込まれ、 自身のリスクが増える事になります。 また、獣医師の精神力と体力が下がれば、 普通に診察時間にやってくる、 一般の飼い主さんに対してのパフォーマンスが低下し、 結果的に他の飼い主さんに迷惑をかけてしまう可能性もあります。 どこで線引きをし、どこまですることにするのか、 どこからはしないことにするのかを決めるのは、 難しい問題ではありますが、一生の仕事としてして行く以上、 自分なりに決めておかなければいけない事です。 僕自身、開業したての頃は、夜中の2時だろうが3時だろうが、 出られる限り、全ての時間外電話に出ていました。 その結果、知った事は、 時間外に来る初診の患者は、あまりに踏み倒しが多い。ということです。あまりにも未払いなどのトラブルが多く、かつ、 時間外に診る必要すらない病気が多いので、 今は、全ての電話を取るということはしていません。 僕自身、今も悩みながらしているところではありますが、 参考までに、僕の病院の時間外の対応について述べます。 僕の病院の対応はシンプルです。 それは、 1.時間外になったら、留守電にする 2.留守電のメッセージに、カルテ番号、名前と用件を入れるよう告げる 3.用件が入っている電話に対して、こちらから改めてかけ直すという方法にしています。 本当に用件があり、診察を依頼したい人は、 留守電にメッセージを入れます。 留守電にメッセージが入った事は、自宅からも分かりますので、 電話があった後、留守電を確認しています。 留守電にメッセージがある場合、 そちらに僕からかけ直しています。 一応、カルテ番号を入れてもらうように言っていますが、 初診で、番号がない場合でも、伝言が入っていれば、 かけ直し、必要があれば診察をするようにしています。 ここで重要な事は、 無言で切れた携帯電話には、けして電話はしないということです。 病院で踏み倒しが発生する場合、 一番多いのは、時間外の初診です。 用件も入れていない様な電話には出ない事にしだしてから、 僕も精神的に、ずいぶん楽になりました。 病院をしていて、感じるストレスの半分くらいは、 踏み倒しとその請求についてのものでしたが、 クレジットカードを導入し、時間外電話に直接出るのをやめてからは、 踏み倒しが発生する可能性がぐんと減りました。 本当に診察して欲しいまじめな人は用件を残しますので、 すぐにかけ直す事によって、 本当に困っている人には対応する事が出来ます。 先日も、「帝王切開して欲しい」というメッセージが入っていたので、 すぐ直後にかけ直し、その後手術をして、事なきをえる事が出来ました。 留守電にメッセージを入れる事は、ホームページの案内にも、 初診の手紙にも書くようにしています。 獣医師の精神力と体力は有限です。 それを誰に割り振るべきかと考えれば、 まじめな飼い主さんに対して割り振るべきだと考えています。 裏切られて、踏み倒しなどで返されると、 精神的なダメージは大きなものになります。 線引きをすると言うのも、苦渋の方法ではあるのですが、 今のところは、この方法が、一番無難かなと思っています。 いい方法をご存知の方は教えて下さい。 ※動物と飼い主さんの設定と描写には、修正を加えています。 傑作、ランキングをクリックしていただけますと、うれしい限りです。 転載、リンクはフリーとさせていただきます。 |
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動物病院をやっていると、 時折診療費を踏み倒されてしまうことがあります。 払うつもりだったけど払えなくなったのか、 最初から払うつもりがなかったのかは分からないところですが、 何も連絡なしに、音信不通になってしまう人間には、 心の底から怒りを感じるところです。 こちらが誠心誠意を尽くしても、 踏み倒しという仕打ちで返してこられると、 本当に腹が立ちます。 何度も踏み倒しにあっていると、 踏み倒しをしそうな人と対応していて、 "これはアヤシいな・・。"と感じる瞬間があります。 いくつか、怪しいポイントはあるのですが、 中でも怪しいのが、 1.時間外の初診 2.固定電話を持っていない 3.カードを持っていないという人です。 つまり、一番怪しいのは、 時間外にやって来た初診の患者さんで、携帯電話しか持っておらず、 会計の時に料金を持っていないと言うので、 カードでも良いですよと言ったところ、 カードなんて持っていないと言う人です。 この3つがそろえば、踏み倒しのフラグは、 もうすでに立っている様なものです。 緊急の病気を除いて、病院に来るというとき、 通常の人は病院の診察時間に合わせてやって来ます。 それを、 「いつからおかしかったですか?」 と尋ねてみると、 「三日くらい前からおかしかったんだけど、 様子が変わらないから、今見てくれ」 と時間外に言ってくる人と言うのは、 やはり首を傾げてしまう部分があります。 おかしいのが分かっているのなら、 様子を見ていずに、普通に早めに連れて来たら?と、 思ってしまいます。 普段、こちらの病院がかかりつけでないのに、 いきなり時間外にやってくる初診の人、という場合、さらに要注意です。 もちろん、純粋に、かかりつけのところに連絡をしたんだけど、 そちらが連絡つかなくて、と言う人もいますので、 そう言う場合は、まじめに対応させていただいています。 でも、普段からかかりつけ医を持たず、 犬なのに、フィラリアもワクチンも狂犬病もせず、 するべき事を何らしていない、と言う人は、 それだけで、倫理観の低い人、と言う事を意味していますので、 要注意です。 カルテを書いてもらう時に、連絡先のところに、 固定電話を書かず、携帯電話しか書かない人、というのも要注意です。 最近は、固定電話を持たず、携帯電話しか持っていない人、 というのもいるようですが、 携帯電話というのは、都合が悪くなれば、 すぐに電話変更をすることができます。 すると、こちらが料金の案内をしようと思っても、 電話番号を変更されてしまえば、それで音信不通になってしまいます。 固定電話がないと言う事は、それだけでこちらとしては、 信用が低くなってしまうことを意味しています。 未払いをする時になって、会計の時点で、 「お金は持って来てないよ。」 という人間は、さらに要注意です。 いくらかでも、申し訳ないと思っていたり、 支払う意思があるのであれば、 診察を受ける前の時点で、 「申し訳ありませんが、今日は急いで来たので、 お金を持って来るのを忘れてしまいました。 改めてお金を持ってこさせていただいてよろしいですか。」 と、断りを入れてしかるべきです。 それが、診察を終えて、会計となった時点で、 「実は持ってない。」 というなんて、良識を持った人間のする言動ではありません。 クレジットカードを持って来ていれば、 それで会計することができるのですが、 お金を持って来ていないと言う人は、なぜか、 クレジットカードを持っていないと言う人が多いです。 以前踏み倒した人も、BMWに乗っていて、 ルイヴィトンの財布を持っているのに、カードは持っていない、 と言って、結局3万円ほどの診療費を踏み倒して行きました。 踏み倒す人は、最初に話をしていて、 "なんだかおかしいな"と思う事も多いですが、 この人はまじめそうだ、と思って、 誠心誠意を尽くしたのに、それを裏切られて踏み倒される事もあります。 精神的なダメージから言えば、 向こうを信じて、それを裏切られた時の方が、 はじめからあやしそうな場合よりも大きなものになります。 信じて、裏切られる、というのが一番嫌な状況ですので、 僕としては、ここまではする、これ以上はしない、 という、線引きをして対応する事にしています。 一番裏切られる可能性の高いのは、 何と言っても、時間外にやってくる初診の人です。 どれだけ裏切られ、嫌な思いをさせられたかは数知れずです。 時間外の対応については、自分の良心と、 自分のダメージとを天秤にかけながら、 折り合いを付けていかなければいけないところです。 それについては、また次の記事で書こうと思います。 ※動物と飼い主さんの設定と描写には、修正を加えています。 傑作、ランキングをクリックしていただけますと、うれしい限りです。 転載、リンクはフリーとさせていただきます。 |
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動物病院にとっての理想は、 |
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獣医師は言うまでもなく動物を治療する職業です。 |
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