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そう言えば今年も先日、獣医師国家試験が行われており、 もうそろそろ合格発表が行われる時期になったようです。 獣医科大学に入学したとしても、それで獣医師になれる事が保障されたわけではありません。 大学の卒業が決まった時点で、 国家試験を受け、それに合格できなければ獣医師にはなれません。 大学を卒業したとしても、国家試験に受からなければ、 「獣医師」と名乗る事はできないのです。 国家試験と言うと、なんだか堅苦しい響きではありますが、 獣医師国家試験においては、受かるのはそれほどの難関ではありません。 それまでの6年間で勉強して来た事の総決算の問題となるのですが、 国家試験の前には、「国家試験予想問題集」というものがみんなに配られ (それぞれの大学で、学生が編集・作成するものです)、 それを元に学生は勉強をします。 それさえしっかり勉強しておけば、よほどさぼったりしない限り、 ほとんどの人は合格します。 合格率はと言えば、大学によって異なりますが、だいたい8~9割です。 僕の母校に限って言えば、毎年9割を超えているという事で、 試験に落ちるのは、学年の中でも数人です。 試験を落ちた人はまた次の年、勉強をして試験を受け直す事になりますが、 一度試験に落ちた人の次の合格率は、 2回めが約50%、その次からは1~2割と、 年を追うごとにかなり難しいものとなるようです。 僕の学年でも、落ちた人は数人いたのですが、 この間の同窓会で、知っていた人が試験に何度も落ちて、 結局獣医師になれなかったという話を聞きました。 獣医師免許を持っていなければ、 獣医科大学を卒業したとしても獣医師ではありませんので、 動物病院に就職する事も、公務員になる事も、 大動物臨床にいく事もできません。 その人も、しばらく試験を受けながらアルバイトをしていたそうですが、 何度か落ちた後は試験を諦めてしまい、 その後、連絡もできなくなってしまったそうです。 同窓会の時にも、獣医師になれなかった人と言うのは、 おそらく出席してこないでしょうし、 他の人とも連絡を取らなくなってしまう可能性が高いと思います。 9割の人が受かる試験だと言っても、 残りの1割の人は落ちてしまうわけで、 そういう人達はその後どう言う人生を送っているのだろうかと想像すると、 何とも寂しい気持ちになりました。 きちんと勉強さえしていれば普通は受かる試験なので、 自己責任と言えば自己責任なのですが、 せっかく獣医科大学に入っておいて、 獣医師になれないと言うのはとても気の毒ではあります。 そして、それ以上に気の毒なのは、 その人達の両親です。 せっかく苦労して大学に入らせる事ができたのに、 その苦労が報われなかったとしたら、 親御さんの気持ちはいかばかりかと、 何とも胸が痛くなります。 僕も大学にいたときは、落ちるなんて事は露ほども考えなかったのですが、 卒業して十数年経ってから、大学時代の友人のそう言った話を聞くと、 何とも切ない気持ちになってしまいます。 今学生の人たちは、受からない事にはどうにも始まりませんので、 人並みに頑張って勉強して、 獣医師としてのスタートを切れるように、 無事試験を乗り切って欲しいと願います。 ※動物と飼い主さんの設定と描写には、修正を加えています。
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国家試験
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獣医師の国家試験というと、さぞ難しい試験のように聞こえます。 たしかに、出て来る問題と言うのは、とても特殊な問題で、 一般の人が受けても、まずさっぱり答える事ができません (僕も今受けると怪しいですが)。 では、獣医師国家試験の合格率はどれほどか、というと、 これが何と、ほぼ90%以上です(学校によって違いますが)。 大学に行っていた間に学んだ知識の総合を、 広く深く問われる問題ですので、 すべての教科をもう一度勉強し直さなければ受かる事はできません。 ただ、教科ごとに、問われやすいポイントはある程度決まっています。 したがって、過去問をやりながら、 その問題で問われやすいポイントを整理しながら勉強して行けば、 たいがいの問題は答える事ができます。 出やすい問題の傾向とそのポイントをまとめた「国試対策問題集」が、 毎年編集を繰り返しながら作られています。 その問題集をしながら、語呂合わせを一生懸命覚えれば、 国家試験を通過できるまでには、知識を身につける事ができます。 だいたい、何人かでグループを作って、 お互いに議論をしあったり、問題を出し合ったりして、 一緒に勉強をして行けば、たいがいは落ちるものではありません。 逆に、一人でしようとしたり、人と変わった勉強法をしようとすると、 落ちる可能性が出て来ますので、 みんなと一緒に、人並みに勉強すればそちらの方が確実だと思います。 そういえばもう12月で、そろそろ勉強をしだす頃合いではありますが、 がんばって勉強をして、立派な獣医さんへの扉を開けて欲しいものだと思います。 ※動物と飼い主さんの設定と描写には、修正を加えています。
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獣医療には、当たり前ですが医学的な知識が必要です。 知識の中には、理屈で考えれば理解できるという、覚えやすい知識もありますが、 中には、理屈も何もなく、純粋に暗記するしかない知識というのもあります。 中でも解剖学的な知識というのは、代表的な"暗記するしかない"科目です。 解剖学には、覚えにくい知識というのはごろごろしているのですが、 脳神経の配列なんてのも、なかなかに覚えにくい知識です。 脳神経というのは、脳から直接出ている抹消神経です。 普通の末梢神経と言えば、脊髄から出ているのですが、 脳神経だけは脳から出ている特殊な末梢神経で(その分重要な神経です)、 目や鼻、その他のところの感覚や運動を司っています。 脳神経は12対あるのですが、その配列の順番というのを覚えようとすると、 普通に覚えようとしても覚えられません。 覚えていても日々の診察で役立つ事はそれほどないのですが、 時折雑誌や本を見ていると、その神経の名前はちらほら出て来ます。 また、国家試験では、けっこう問題として出しやすいところですので、 学生時代はみんな頑張って覚えさせられました。 僕は普通に覚えようとしても無理でしたので、 僕は「語呂合わせ」を使って覚えました。 その語呂合わせはと言えば、 まるで呪文かなにかにしか聞こえませんが、 実はこれだけ覚えておけば、脳神経の12対は完璧に覚える事ができるという、 とてもありがたい呪文だったりします。 それぞれを解説すると、 第1神経(嗅神経):かいで 第2神経(視神経):みる 第3神経(動眼神経):うごく 第4神経(滑車神経):くるまの 第5神経(三叉神経):さんの 第6神経(外転神経):そと 第7神経(顔面神経):かお 第8神経(内耳神経):きく 第9神経(舌咽神経):のどの 第10神経(迷走神経):めい 第11神経( 副神経):ふく 第12神経(舌下神経):ぜっか です。 僕も人から聞いたので、これは僕のオリジナルではないのですが、 人間でも脳神経の配列は同じですので、 もしかしたら医学部の方で誰かが作ったのかもしれません。 学生時代に覚えた語呂合わせも、ほとんどはその後もさっぱり使わなくなってしまい、 忘れたのですが、脳神経はけっこう本にも出て来ますので、 その度にこの語呂合わせを思い出しては、 「えーと、"うごくくるまの"だから・・、三叉神経は第5神経か。」 などと、時折役に立っています。 これから国家試験を迎える医学生、獣医学生は、 この語呂合わせを知っておくと、ちょっぴり幸せになれると思いますので、 よければ覚えてみて下さい。 ※動物と飼い主さんの設定と描写には、修正を加えています。
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獣医科大学というのは、六年間学校に行かなければいけないのですが、 大学に受かり、六年間大学に通ったからと言って、 自動的に免許がもらえるというわけではありません。 六年生の卒業の時に、国家試験を受け、 それに合格して、初めて獣医師となることができます。 国家試験に受かっていない段階では、 大学生はまだ獣医師の卵であり、獣医師ではありません。 国家試験自体は、ちゃんと勉強さえすれば、 けして難しいものではなく、 平均以上の学生であれば、通常受かって当たり前のものなのですが、 勉強をさぼっていたり、効率よい勉強をしていなかったりしたら、 落ちてしまう可能性があります。 国家試験に受かれば、晴れて獣医師となるのですが、 もしも、国家試験に落ちてしまうと、 獣医師免許はもらう事ができず、獣医師にはなれません。 もし、国家試験に落ちてしまうとどうなるかと言えば、 また来年の国家試験がやって来るまで「国家試験浪人」となり、 一年間、勉強しながら過ごさなければいけません。 国会試験は、一年に一度しかありませんので、 また次の年に国家試験が行われるまで、 一年待たなければいけません。 となると、困ってしまうのが、就職先に関しての話です。 六年生は、国家試験の時期までには、 ほとんど全ての人が就職活動を終え、 動物病院などに就職が決まっています。 もちろん、動物病院にすれば、 獣医師として採用するために就職内定を出すわけで、 3月の中旬になってから、「試験落ちました・・」 と言われては、困ってしまうわけです。 獣医師としての知識も技術も、 動物病院で働き始めてから身につけて行く部分が大きいのは事実ですが、 国家試験に落ちてしまうと、獣医師ではないため、 診察をする事もできず、診療行為をする事もできなくなってしまいます。 国家試験に受かって免許さえもらえば、獣医師となるのですが、 大学を卒業しても、国家試験に落ちてしまえば、 大学を卒業しただけの普通の人でしかありません。 内定を出していた動物病院にしてみれば、 獣医師として働いてもらう予定にしていた人が国家試験に落ちてしまうと、 困った話になります。 動物病院は4月に入ると、狂犬病やら、フィラリアやらで、 忙しい時期になるのですが、 4月までに急いで求人をし直すというのは至難の業です。 どうしても獣医師を今雇いたかったという病院であれば、 内定を取り消して、新しく求人をしなければいけませんし、 余力があり、心やさしい病院であれば、 一年間、病院のお手伝い(診療行為以外)をさせながら、 次の国家試験に受かってくれるまで待ってくれる所もあるようです。 その場合でも、当然ながら、獣医師としての給料をもらえるわけではありません。 免許がなければ、手術をする事もできませんし、 ましてや注射一本、うつわけにはいきません。 「獣医科大学を出ました」と言っても、 国家試験に受かっていなければ、まだ獣医師ではありませんから。 ※動物と飼い主さんの設定と描写には、修正を加えています。
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国家試験の時は、僕も、人生のうちでこれほどつめて勉強した事がない、 というほど勉強しました。 朝6時に起きて、朝から大学の勉強部屋に行き、 夜の11時くらいまで食事以外はずっと部屋で、 大学の友人と一緒に勉強していましたので、 文字通り、勉強づけの日々でした。 国家試験で一番大切なのは、要領よく、 試験に出る事を覚えて行くという事だったのですが、今から思えば、 国家試験の勉強というのも、とても貴重な、楽しい経験だったと思っています。 ただ一方で、今の臨床の役に立っているかと言われると、実のところ、 う〜ん、どうなんだろうな、というところです。 国家試験は、解剖学や病理学、生理学や外科学、内科学など、 大学で学んだ事の総決算としての試験になって来るのですが、 国家試験のメインとなるのは、 牛や豚、馬、犬についての全般的な知識です。 中でも多いのは産業動物についての問題であり、 猫やウサギについての問題は、ほぼ皆無です(10年前の話ですが)。 昔から獣医学というのは、畜産の興隆を目的として発達して来たのですが、 国家試験にも、その性格が色濃く反映されています。 試験の内容も、 「牛の結腸の形はどんな形でしょうか」 「○○年に、コイに流行したウイルスは何でしょうか」 など、あまり小動物臨床とは関係ないような問題が多かったりします。 小動物臨床において大切な知識や技術というのは結局、 卒業してから、各自が勉強して習得して行く事になります。 国家試験の勉強は、突貫で、短期集中で覚える分、 受験に受かり、しばらくすると、 気持ちいいくらい、どんどん忘れて行ってしまったりします。 大学で学んだ知識を、全般的に、けっこう詳しくまで勉強し直しますので、 かなり勉強にはなるんですけれども。 ※傑作、ランキングをクリックしていただけますと、うれしい限りです。
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