どうぶつ病院診療日記

動物病院の診察風景や、獣医師が日頃思っていることなど

植物の話

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ナス、ジャガイモ、トマト、タバコ、ハシリドコロ、ホオズキ、
イヌホオズキ、ビタースイート、ベラドンナ、
これらの植物に共通するものは、「ナス科」だということです。

そしてもうひとつこれらの植物に共通することは、
「これらの植物は毒を持っている」
ということです。

ジャガイモとかトマトとか入ってるじゃないの、
と言われそうですが、ジャガイモとトマトも、
実はたまたま食べられるだけで、茎や葉の部分には、
やはり毒を持っています。

ジャガイモの新芽の部分は毒があるから取り除かなければいけない、
という話は、誰しも聞いた事があると思います。

たいていのナス科植物は、ソラニンという毒素を持っています。
トマトやジャガイモでも、葉や茎にはソラニンを含んでいますので、
食べればおそらく具合が悪くなってしまいます
(試そうとも思いませんが)。

ハシリドコロやベラドンナでは、アトロピン、ヒヨスチアミン、
スコポラミン 、トロパンアルカロイドなど、
もっと複雑な毒素を持っています。

ハシリドコロという名前は、神経異常をきたして、
食べた人が、狂躁状態で走り出す事から名付けられているそうです。

トマトはメキシコ原産で、大航海時代にヨーロッパにもたらされましたが、
ヨーロッパの有毒植物であるベラドンナと似ていたため、
中毒を恐れて、しばらくは観賞用としか用いられなかったという事です。

それを食べ始めたのはイタリアの貧民層で、
食うに困って食べたところ、「あれ、これ食べれんじゃん!」
と気づいたようです。

今でこそ、「トマトはおいしい」というのは誰もが知っている事ですが、
その当時食べ始めた人は、とても勇気がいったのでしょうね。

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動物、特に犬は、おもちゃをかじって遊んでいるうちに、
それを誤って飲み込んでしまうという事故がたびたびあります。

中でも、果実の種子と言うのは味もついていてまるっこくて、
かじっているうちに誤って飲み込んでしまうと連れてこられる頻度が高いです。

リンゴ、ウメ、モモ、アンズは、すべてバラの仲間なのですが、
その種は、直接的な異物として腸閉塞になってしまうという以外に、
気をつけなければいけないことがあります。

それは、種が割れると「青酸中毒」となって命に関わる可能性があるという事です。

バラ科の種子には「アミグダリン」という成分が入っているのですが、
これが胃の粘膜上で胃液と反応すると、
ベンズアルデヒドとシアン化水素(青酸配当体)が産生されます。

すると、そのシアン化水素によって、
青酸中毒となり、命に関わって来ます。

主な症状は呼吸困難ですが、
解毒剤はないため、飲み込んだのを見つけたら、
早く吐かせるしかありません。

胃液と反応するまではシアン化水素は産生されませんので、
発見後、迅速に処置をする事が必要です。

ちなみに、種が割れなければ、アミグダリンは出ませんので、
異物として腸閉塞の心配がメインとなって来ます。

ところで、果実が熟していた場合は、青酸中毒になる可能性は低いです。
というのも、種子が青いうちはアミグダリンが多く含まれているのですが、
果実が熟して行くと、アミグダリンは分解されて行くため、
熟した果実では危険性は少なくなるからです
(青いうちは、まだ果実の方も「食べられる準備ができてないから食べるな」
 と言っているのでしょうね。
 うまいことできているものだと思います。)。

そう言えば、杏などの種の中身を取り出して粉にしたものが、
民間療法で用いられていたり、製品として販売されていたりするそうですが、
厚生労働省は、リスクがあるものとして、
注意を呼びかけているそうです
(アミグダリンには、そもそも効能は証明されていないとの事です)。

種はそのまま割らずに飲み込めば腸閉塞の原因として危険ですし、
割れたら割れたで、中毒を起こす可能性があるので、
いずれにしろ危険です。

中でも食卓においてある頻度が高いからか、
一番多いのは「梅の種」なのですが、
あんな酸っぱいものを食べて美味しいと感じるのかどうか、
梅の種を飲んで連れてこられる症例はちらほらと見かけます。

今のところ、青酸中毒で死亡したという例は見た事がないですが、
青い果実の実を食べてしまった、という場合は、
それなりに危険だと思います。

犬は何を飲み込むか分かりませんので、
食べる可能性のあるものは、手の届くところにおいておかないように注意が必要ですね。

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セリ?ニラ?

こないだ植物の事を書いた後、そう言えば近くの河原は大丈夫かなと思ってしまい、
河原を散歩した時に注意して見てみました。

すると、水辺にセリらしき植物が群生しているのを見つけました。
注意してみていなかったので気がつきませんでしたが、
こんな身近に、こんな群生があるとは気がつきませんでした。

イメージ 1


水辺には群生があるのですが、よく見ると、歩道の柵のすぐ向こう側にも、
けっこう咲いています。
散歩している犬がちょっと首を突っ込めば、
楽に食べる事ができそうな距離です。

となると心配なのが、セリらしき植物が、
食用にもなり得る「セリ」なのか、
それとも毒性を持っている「ドクゼリ」なのか、
ということです。

もしドクゼリであれば、間違えて犬が口にしてしまうと、
死に至る可能性も十分にあります。

そのため、獣医師としての使命感(?)から、
一本引っこ抜いてちょっと調べてみることにしました。
ドクゼリの毒は皮膚を通じても体に吸収されるということなので、
一応ナイロン袋を手にはめてから、注意して引っこ抜きました。

手元の本によると、ドクゼリにはセリの様な香気がなく、
根元には根茎があるという事です。

臭いを嗅ぐと・・、

・・むっ・・、けっこうツーンといいニオイがするな。

根っこは・・、

・・根茎は・・なし!

ということは・・、「セリ」か?

図鑑の知識だけでは心配だったので、
引っこ抜いた株を家族にも見てもらうことにしました。

見せて尋ねてみると、
「臭いがするからそうなんじゃない?」
との事でした。

ほっ、良かった・・。
これで、とりあえず近所の犬がドクゼリ中毒で倒れる心配は減りましたが、
その近くには、これでもかとばかり、ヒガンバナが赤々と群生を作っていました。

・・これも危険だなぁ・・。

それ以外は特に危なそうなものは分かりませんでしたが、
散歩中に道ばたの植物を食べると実は危険というものも、
さりげなくあちこちにあるような気もします。

ヒガンバナは誰もが毒草だと知っているので気をつけるでしょうけれども、
毒草と知らずに食べてしまい、中毒になってしまった、
という事にならないよう、注意は必要だと思います。

※とここまで書いて、「ニラ」なんじゃないのというコメントをいただきました。
 たしかに言われてみると、そんな気がしてきました。
 ニラを調べてみると、開花日も姿形もたしかにそんな感じです。
 あれは香りではなく、臭いでしたか・・。

※専門外であり、内容には100%の自信はありませんので、
 ご指摘などありましたらお寄せください。
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カタバミとクローバー

ウサギにあげるゴハンの相談をされたとき、
野草を摘んであげる話をする事もしばしばあります。

以前も食欲不振のウサギさんで、
何か食べてくれるものをあげてみましょうという話をしていて、

「クローバーとかオオバコだったら安心して食べられますので、
 探してあげてみて下さい。」

と飼い主さんに言いました。
すると、飼い主さんが

「あぁ、クローバーですね。
 それでしたら家の庭にけっこう生えているのであげてみます。」

とおっしゃいました。

・・"家の庭"・・?

ちょっと引っかかるものがありました。

「お家に生えてます?」

「はい、花壇の隅によく見かけます」

・・ひょっとして・・?

「いっぱいありますよ。
 かわいらしい花も咲いています。」

「花は何色ですか?」

「えーと、かわいらしい黄色です。」

・・やっぱり・・

「それはクローバーではなくて"カタバミ"かもしれないですね。」

植物図鑑を取り出して来て、写真を見せながら説明しました。

「クローバーとよく似た植物で、カタバミという植物があるんですが、
 クローバーはマメ科で、カタバミはカタバミ科で、
 実は全然違う種類の植物です。」

「あら、違うんですか。」

「クローバーは白いふわっとした花をつけて、
 葉がまんまるこくて紋があるのが特徴です。

 一方、カタバミは黄色い五枚葉の花をつけていて、
 葉はハート形で紋はありません。
 たまに紫っぽい葉のものもあります。」

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「はぁ、そうなんですか。
 まぁ、どっちをあげてもいいんですよね。」

「それが、実はカタバミは毒性のある植物です。
 可溶性シュウ酸を含んでいるので、胃腸炎や腎臓障害となる可能性があります。

 似ているので間違えやすいんですけど、
 あげるのは止めておいた方が良いと思います。」

「えっ、そうなんですか・・。
 危うくあげるところでした。」

先に忠告する事ができて、幸いにも事なきを得る事ができました。
もしかしたら、ウサギ飼いの人でも、
あまりカタバミとクローバーの違いを知らない人も多いのかもしれません。

それ以来、野草をあげる話をする時には、
カタバミとクローバーを間違えないように、
あらかじめ伝えておくようにしています。

野草というものも、あげてもいいものもある一方で、
食べると毒になってしまう様なものもけっこうあったりします。

オオバコと似ている種類と言うと、「ギシギシ」という植物も、
けっこう似ている毒草ですので気をつけなければいけません。

植物というのはけっこう毒を持っていることが多く、
毒を持っていない科はイネ科くらいですので、
ウサギに限らず、ペットに植物を食べさせる時には気をつけた方が良さそうです。

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