乳癌発覚までの記録

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全摘手術を受けたのだが手術をして初めてわかったことがいくつもあった。

術前に主治医に説明を受けていたがそれ以外にも

「そんなこと聞いてないよぉ〜〜」ということが幾つかあった。

もしかするとどなたかの参考になるかもしれないので一応書いておきます。


脇(リンパ節を取っています)、全摘した部分(おっぱいがあった所)、
術側の二の腕(肩からひじにかけての外側)の感覚が鈍くなっていた。
医師たずねても「手術したんだから」と冷たい返事だった。
脇に制汗剤のスプレーをしても術側は何も感じない。

切り取ってしまった乳首があった辺りが痒いような気がする。
専門用語でなんと言うのか忘れてしまったが、
例えば手や足を切断しても失った部分の感覚があるような気がする、
それと同じような物らしい。

冷たい物を飲むと切った方の胸に冷たさがじ〜〜んと広がる。
医者はそんなはずは無いというが同じ時期に手術をした人も
同じ事を言っていた。

術側の腋毛の伸び方が異常だった。
手術前に両方の脇を同じように剃ったのだが、
2,3週間で術側だけこれまで見た事がないほどの剛毛がどばっと生えてビックリした。

術側の胸の皮が突っ張るような感じがする。
もともとAAカップぐらいで胸の皮膚が少なかったので、
切除したら皮膚が足りなくなったのではと妙な想像をしてしまった。
(そんなことは無いそうですが)

リンパを取ると腕のむくみが出るかもしれないとは聞いていたが、
指先に力が入らなくなったのは想定外だった。
まず、字が下手になったような気がする。
大き目の揚げ物を箸で持ち上げられない。
すぐに腕がだるくなってしまう。
力仕事もしないのみ腕が浮腫みやすくなった。


と思いつくまま書いてみたがこの症状は手術直後のことで、

2年も経つと体自体がこの状態に慣れてしまい、

あまり気にならなくなっている症状も多い。


術後の注意事項として

 草取りはやめる。
 炊事は手袋をはめる。
 重い物を持たない。
 同じ動きを延々とするのを避ける。
 日焼け、虫刺され、怪我に注意する。

など言われたような気がするがこんなことを守っていたのでは生活できない。

しかも右腕だし。

草取りもするし、炊事は素手でやるし、怪我も日焼けも虫刺されもいっぱいしている。

最近は旅館の仕事で右手を酷使しながら掃除もやるし重い物も持つ。

冬になれば雪かきもやった。

結果は「意外と大丈夫なもんだ」

まったく平気ではないが腕が浮腫みそうになったり痛くなると、

肩をブンブン回したり腕をマッサージするとたいていは気にならなくなる。

注意をするに越したことは無いが神経質になることもないようだ。

傷と向き合う

手術の後の一番の難関は傷を見ることだった。
手術前の説明で見せてもらった写真は正視に耐えなかったので、
自分の体もそうなってしまったのかと見るのが怖く、
毎日の消毒の時も、体を拭くときも目をそらして見ないようにしていた。

抜糸した後も傷が目に入らないようにガーゼを当ててもらっていた。
それでもしばらく経つと怖い物見たさで、
そっとガーゼの隙間から覗いてみた。
最初は一瞬だけ、慣れてくると数秒。
おっ、想像していたよりもマシじゃん!

それでも1人でじっくり見るのは怖かったので、
術後の初シャワーには夫を付き合わせてしまった。
鏡に映る自分の姿、ショックが無かったわけではないが、
それよりも命の方が大切だと思った。
見舞いに来た長男(当時4年生)も「見たい」と言うので、
見せてやったが「へぇ〜〜」と言った感じで全く平気だった。

一番心配したのが当時2年生だった長女。
血を見るのも怖がる子だし2年生と言えば微妙なお年頃だ。
思ったとおり「見たくない」と言うので退院後もしばらくは一緒にお風呂には入らなかった。
ここで活躍したのが3歳だった次女。
母親の胸の傷の重大さも全くわかっていない。
それが良かったのだ。
「お母さんとお風呂に入る!!」(入院中は我慢していたんだものね)
と言い張るので、3歳の子に傷を見せることに抵抗はあったが、
思い切って一緒にはいることにした。
心配なんて全く無かった。入院前と同じように私の膝に座り、
胸の傷を触って「痛くないの?」と聞く。

そんな次女の様子を見て長女も一緒にお風呂に入ると言い出した。
でも傷を見るのが怖いというのでタオルで胸を隠しながらの入浴となった。
数日後「もう見ちゃったから隠さなくていいよ」
長女は泣きながら言った。
しばらくは私と2人きりで入浴は出来なかったが、
半年ぐらい経って「今日はお母さんと2人で入りたい」
長女の精一杯の気持ちが嬉しいと同時に不憫でもあった。

子供たちがすんなりでは無かったと思うが傷を受け入れてくれたお陰もあって、
私自身も全摘したことに悔いを残すことはなかった。
が、夏の薄着の時期になると胸元がとても気になる。
元々胸はAAカップぐらいだったので全適しても支障は無いと思ってたが、
乳腺を全部取ると胸が凹んでしまうんです。
あの手この手で修正しているが、
薄着になると左右の違いが目立ってくる。
ストッキングを詰めて修正では無理があるのかもしれないが・・・・
専用の下着を買ったほうがいいのかな??

手術、その後


手術は寝ているだけだったので訳がわからないうちに終わっていた。
手術時間は4時間ぐらいだったと思う。
夫は切り取った部分を見せられたそうだ。
癌の部分を「触ってみますか?」と勧められたそうだが、
さすがに断ったらしい。

病室へ戻ってもまだ意識は朦朧としていた。
生まれて初めの酸素マスクが何故か嬉しかった。
手術直後だったのでいつもは脳天気な夫も、
さすがに心配そうな顔でベッドの脇に座っていた。

痛みと麻酔の影響で不快な気分でいるところへ、
隣に盲腸の手術をした患者(若い女性)が入ってきた。
(手術前に隣にいた彼女はICUに入るので、
一旦一般病棟から転床ということになっていた。)

たかが盲腸だというのに(外科病棟はがん患者が多い)
一族郎党に加え友人知人までが手術当日だというのにどやどやと見舞いにやってきた。
見舞い客が来るたびに盲腸発覚から手術の経過を何度も話す。
しかも消灯ぎりぎりまでひっきりなしに見舞い客がやってくる。
翌日は夜も空けぬうちから父親(病院の関係者らしい)がやってくるし、
朝食後は姑らしき女性が押しかけ甲高い声で喋り続ける。
腹が立つことこの上なかったが、
そのお陰で手術で失った乳房を嘆き悲しむことも忘れていた。

入院〜手術


夫と実母に付き添われての入院だった。
午前中に超音波、骨シンチ、肺機能の検査などを受けた。
しばらく外食が出来ないので景気付けに豪華な昼食をと思ったが、
病院の近くにはファミレスや定食屋ぐらいしかない。
うどんを食べ、BOOK OFFへ行って入院中の暇つぶし用の本を購入。

病室は2人部屋で隣のベッドも同じ日の入院だった。
近所にも親戚にも内緒で入院していたし、
気持ちも最悪な状態だったので隣の人と顔を合わせたくなかった。
ベッドの間のカーテンを閉め切ったままでいたが、
双方の家族が帰って2人だけになってしまったとき、
隣の彼女が声をかけてきた。
「暗いからカーテン開けてもいいですか?」
内心、嫌だったが私のほうが窓際だったので、
仕方なくカーテンを開けた。

この彼女に出会ったことでどんなに精神的に助けられたことか。
同じ日に入院し、手術日も一緒だった。
同年代だったこともありすぐに意気投合してしまった。
それまでの暗い気持ちが嘘のように晴れやかになり、
翌日心配で顔を出した母と夫も驚くほどの変心(?)ぶりだった。
手術までの落ち着かない日々も2人であれこれと他愛無い話で盛り上がった。

そして迎えた二人の手術日。
2人で大騒ぎをして手術用の服に着替えたり、
準備を進めていった。
こんなに明るい気持ちで手術に臨めるなんて思いもよらなかった。

私のほうが1時間早い手術開始だった。
夫はもちろん、彼女と彼女の家族にも見送られて、
元気に手術室へと向かった。

入院までの日々


癌を宣告された翌日からパートも行けなくなってしまった。
朝起きるのもやっと、一日中ふさぎ込む日々だった。
A医師に相談すると精神安定剤を処方してくれた。
私はデパスを飲んでいたが効果てきめん!!
眠くなるのが難点だが気持ちは明るくなってきた。

それでも急に不安が襲うことがありそんな時は子どもが話しかけても
イライラとあたってしまい、そんな自分が嫌になって涙する日も多かった。
そんなある日、私が泣いているのを見た3歳の次女が私の背中をそっとさすりながら、

「お母さんは泣かなくていいんだよ。○○(自分の名)がついてるからね」


次女は上のことちょっと年が離れて、もう子作りを諦めた頃に出来た子だった。
切迫流産でもうダメだと思ったこともあったし、
出産の時もへその緒を体中に巻きつけて心配もした。
そんないくつかのハードルを乗り越えて生まれてきた子だった。
私は神様なんて信じないタイプだがこのときばかりは、

「この子は癌という試練に立ち向かえるように神様が私に与えてくれが贈り物なんだ」
と感謝の気持ちでいっぱいになった。
パンドラの箱で悪い奴らの後に希望がやってくるみたいなそんな感じかな。

泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて過ごした3週間の後、入院の日を迎えた。

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