ぽんと日和

グルメと旅行大好き!!

東山花背のはなし

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龍の瞳 その7

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 これは龍が踊りくねった姿だ。河が龍の体で、その目はここにある。

苦しみもがいているのか、

龍の瞳は悲哀に満ちた色で私をとらえていた。

 私はポケットにいれておいたビニール袋に池の水を入れて

しっかり口を結ぶ。川沿いの砂、小石、葉っぱ。それぞれを大切に袋へ入れる。

 家に持ち帰った時、袋の中の水は気泡がたって残り少なになっていた。

急いで画用紙を広げ、地図を描く。

立ち入り禁止の入り口から、駆け降りた斜面には糊をぬって拾った砂を

パラパラとかける。

葉っぱは小さくちぎってはりつけた。河の水に絵の具を溶かし、さっき見た

河の色が記憶から薄れないうちにすばやく描く。そしてあの池の下に

「龍の瞳」と書きいれた。

龍の瞳 その6

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 もう少し進むと岩肌が掘られたような所があった。河の水が流れこんでいる。

そこには、河の流れから離れた水が小さな池をつくっていた。

表面は透明だが、奥底は瑠璃色。

造られたように垂れ下がる岩の突起から雫が落ちる。

そのたび水面はうるんだ瞳のようになる。

動の河と静寂の水面。

そのはざ間で、たちすくんだ。

龍の瞳 その5

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 河に沿って歩く。水に足をとられないように、石でつまづかないように、

目線は足元。

透明の水はちょろちょろと石と石の間を通りぬけ、緑のこけが視覚に心地よい。

爽快感。

「きれい‥」
 
 前方を見ると、たたみこむように次々とすばらしい未知の景色が瞳孔に飛び込む。

すごいぞ。テレビなんか目じゃない。リアルなものはこんなにも心を動かす。

目や耳からだけじゃなく身体中の毛穴からも何かが入ってくる。浸透してくる。

美しい冷気が。

「傷つきやすい人間は、また立ち直る力もあるねぇ、河。」なんて河に語りかけたく

なるくらいそれは生きていた。

 

続く。。。。。

龍の瞳 その4

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 ある日、学校へ行くと秦さんという女の子が少し離れたところで

数人の子分たちと私を見てニヤニヤしている。また秦さんか。秦さんに

いじめられへんように、またみんな必死でいうこと聞いてる。

でも、どうも今度の矢は私にむかって射られている。私が転校してきた頃は

秦さんなんて眼中にもなかったけど、3年になってから目につくようになった。

女子はちょうどその頃から自分と他を比べたり、おとしめたり、あがめたり

していく。最初だからその加減は良い塩梅ってわけにはいかない。

買ってもらったばかりのお気に入りの文房具が次々と消えていく。

宿題のプリントもふみたおされてくちゃくちゃになった頃出てくる。

家に帰っても、裏に住んでいる小学生がなんだかひそひそ話ししているように感じる。

なんとも思ってないからね。

 なんで、他人が気になるんだろう、もっと美しいものとか、本とか

音楽とかいっぱいの世界があるのに。

 だから私は私がほんとうに美しいと思うものに今から逢いにいくのよ。

ひとりでね。だれにも、見せてなんてあげないよーーだ。

龍の瞳  その3

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 その頃私の住んでいた所は猪名川が流れる山間部を切り開いてできた住宅街だった。

造られた宅地から河は隠されるようにフェンスで囲われ、危険な場所だと言い聞かされた。

人が入らないので、しだ や つる系の植物でフェンスの向こうはうっそうとしている。

 その穴から先の川辺まで急斜面を勢いで降りる。河は山肌に荒く流れていた。

整然と建ち並ぶ住宅とは反対に、何も規則的なものはなく自由にうねり曲がりしぶきを

あげている。

それを友達とではなくひとりで見つめていたんだ。


つづく

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