 DAS LEBEN DER ANDEREN(2006)/ドラマ
 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク/『ツーリスト (2010)』
 出演:ウルリッヒ・ミューエ(ヴィースラー大尉)  マルティナ・ゲデック(クリスタ=マリア・ジーラント)  セバスチャン・コッホ(ゲオルク・ドライマン)
 旧東ドイツで反体制派への監視を大規模に行っていた秘密警察“シュタージ”。本作はこのシュタージ側の人間を主人公に、統一後も旧東ドイツ市民の心に深く影を落とす“監視国家”の実態を明らかにするとともに、芸術家の監視を命じられた主人公が図らずも監視対象の考え方や生き方に影響を受け、新たな人生に目覚めてしまう姿を静謐なタッチでリアルに描き出す感動のヒューマン・ドラマ。
 題名からは音楽を聴いて悪人が改心する感動ドラマ?かと思っていました。 確かに音楽『善き人のためのソナタ』と本『善き人のためのソナタ』はキーポイントではありますが、「シュタージ」の実態を描いたいかにもドイツ映画らしいドラマでした。
“シュタージ”と言うのは、ナチスのゲシュタポ、ソ連のKGB、アメリカのCIAと同様あるいは それ以上の諜報機関で徹底した反体制への監視で東西両ドイツから恐れられている
映画はこの機関で働くヴィースラー大尉の監視任務を通して東ドイツのシュタージの実態と ホーネッカー体制&ソ連の関係それがゴルバチョフ書記長の出現よりベルリンの壁崩壊と繋がる 歴史的背景をバックに焦点を二人の人物に絞りドラマチックに描く。
反体制の疑いをかけられた劇作家ドライマンの自宅あらゆる場所に盗聴器をしかけ 24時間監視するヴィースラー大尉がいる。しかしやがて自身も東ドイツのあり方に疑問を持ち 始めます。一貫した思想のドライマンとは対照的でしたね〜
中でも映画の見どころは、ドライマンの彼女である女優のクリスタの行動と心の動きではないでしょうかシュタージのヘムプフ大臣との関係、尋問での自己保身との葛藤あたりはこの世界で生きることの苦しさです。
終盤家宅捜索でのヴィースラー大尉の行動はやや無理もあるかと思う。それを見逃す上司であり 友人にも東ドイツ崩壊の兆候を感じます。
映画は本筋から時が流れベルリンの壁崩壊後も描くので心晴れるエンディングで幕を閉じる。
「存在する理由がなくならない限り、(ベルリンの)壁は50年でも100年でもあり続けるだろう」 ホーネッカーの言葉が映画のラストでなだれ込んだ西ドイツ製の車にかき消される気がした・・
わかりやすいストーリーで映画としての見ごたえ十分。
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