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参考:
日経ビジネス 2007.4.2 P.30〜
「正社員だけでは何もできない会社」だらけ。コスト削減を優先するあまり、多くの企業が陥った派遣・請負依存の構図。
偽装、捏造、不具合が頻発するのは他人任せの“抜け殻”正社員が増えたから。
非正社員の正社員化や高卒採用拡大の動きも、まだまだ付け焼き刃の域。
◇これはフィクションであり、現実の事象や団体とは一切関係がありません。
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<登場妖怪>
ぬらりひょん:邪悪な魂を喰い物にする妖怪群の首長
文車妖妃(ふぐるまようび):ぬらりひょんの参謀
蜃(しん):ウィルス型の外来妖怪。取り憑いて「見かけさえ良いもの」に執着させる。
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<ものがたり>
ぬらりひょん:
「人間は、反省する方法を知っている。うかうかしてるとシッペ返しがくるんじゃないのか」
文車妖妃(ふぐるまようび):
「何のことでしょうか」
ぬらりひょん:
「日本人は遠目が利かないから、株主主体の欧米的経済構造を日本に持ち込めば、企業経営者が目先の利益に熱中し、ジコチュウ魂がそこら中に育つ、っていうのが明治維新を仕掛けた我々の目的だった」
文車妖妃(ふぐるまようび):
「そうですね。長かったですね。日本人の中には結構気骨のある者も居て、株式会社だなんていって、実際はオーナー会社。昭和の時代も過ぎ、戦後ここまで来て、オーナー会社の経営者が現場を忘れ、米国企業の突き上げもあり、株主主体の経営者が続出」
ぬらりひょん:
「つまりは、目先の利益重視で保身術に生きがいを感じる経営者が、堂々と口先だけ社員や顧客大事、といえる時代になってきた」
文車妖妃(ふぐるまようび):
「われわれの勝利が近いです。美味しい(利己的で邪悪な)魂が、やっと育ってきました・・・。、何を心配されているのでしょう」
「・・・ああ、あのことですね。目先の利益優先で、正社員を非正社員に切り替えてきた。そのお陰で会社に技術の蓄積がされず、全部非正社員が持っていってしまった。抜け殻現象に経営者が気が付いいてきている、ってことですね」
ぬらりひょん:
「ああ。なかなか、人間どもは邪悪に徹しないね。反省の元に正社員化する方向性が出てきたようじゃないか」
文車妖妃(ふぐるまようび):
「まあ。人間たちが根っからの邪悪心に目覚めるにはまだ100年は必要かもしれませんね。しかし、『反省』というのは間違いです」
ぬらりひょん:
「どうしてだ? 正社員の大切さを理解してきたんじゃないのか」
文車妖妃(ふぐるまようび):
「そんなばかな。そうした方が目先の利益確保に有利だとふんだんでしょう」
「経営者はなんかやってないと株主から無能扱いされますし、例の『蜃(しん)』にやられているお陰で(本質より見かけ)、左へ行き過ぎたハンドルを右に切っている、だけですから」
ぬらりひょん:
「心から反省しているわけではない、というわけか」
文車妖妃(ふぐるまようび):
「大丈夫、大丈夫。本当に何とかしたいのなら問題は簡単ですからね」
ぬらりひょん:
「・・・・」
文車妖妃(ふぐるまようび):
「人間社会に長年かかって植えつけてきたものを忘れてもらっては困りますよ」
「『無責任』の精神ではないですか」
ぬらりひょん:
「ああそうだった。江戸時代までこつこつと人間たちが育ててきた、人にも物にも、事柄に対して示したあの『一生の(長い)お付き合い』精神。こんな魂は全く喰えない、どころか毒だった」
文車妖妃(ふぐるまようび):
「そうして、何事に対してても『一時的なお付き合い』精神を持たせる、これが邪悪な精神の素であることに気が付いた」
ぬらりひょん:
「正社員化はやはり問題ではないか」
文車妖妃(ふぐるまようび):
「もし、社員のことを『一時的なお付き合い』だという考えから『一生の(長い)お付き合い』だと考え直したのならば、ですよ」
ぬらりひょん:
「なるほど、そんなことはないか。ないよな」
文車妖妃(ふぐるまようび):
「経営者は、株主の目もあって、目先の利益のためにそう判断をせざるを得ない。しかし、社員と『一時的なお付き合い』で済ませる方法に躍起になっていることには変わりない、社員だけでなく、株主や顧客ともね」
「そんなことよりも、『蜃』のお陰で(本質でなく見た目にこだわる)魂はカスカスの味ないものになってます。これの方が大問題です」
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