▼ 蛍光像
▼ コントラストを強めた像:細胞同士の間に寒天質(?)で出来たクッションがある
解説
- 和名:不明
- 分類:緑藻植物(緑色植物門) > 緑藻綱 > ボルボックス目 > ゴニウム属
- 採集場所:「 こちら」
雑記
ゴニウムは、ボルボックス目に属しますが、良く知られた球形の群体を作るボルボックスとは異なり、オセロ盤のような群体を作くるようです。細胞の数は16個か8個のものが主のようです。
G. formosum と G. pectorale の違いは、細胞間の隙間にあるようで、G. formosum の方は隙間が広く、G. pectorale の方は隙間が狭いようで、主にこれを使って同定しました(参考:「日本淡水動物プランクトン検索図説、水野・高橋、東海大学出版会」)。そもそも写真を見ると、細胞の内部構造や大きさが異なるので、同定がミスしていたとしても恐らく別の種であろうと思います。
今回は、G. formosumの蛍光像を掲載しました。染色は一切していないので、赤く写っているのは、葉緑体の自己蛍光によるものと思います。
それにしても、同じボルボックス目の中に、球状以外の様々な形の群体を作るものがある事が不思議です。いろんな推理ができそうなのですが、なかなか難問です。この辺りの多様さを納得して理解できたとき、世の中の見方が少し変わるかもしれないなぁという予感がします。
ノート:鞭毛
鞭毛
[英flagellum,pl. flagella 仏flagelle, fouet 独Geissel 露жгутик]
ある種の細菌,原生動物中の鞭毛虫類,藻類や菌類の遊走子・配偶子,後生動物の精子およびいわゆる鞭毛上皮を構成する細胞に見られる,運動性の細胞小器官.繊毛とのあいだには基本構造に違いはなく,一般に数が多く繊維部分の短いものが繊毛とよばれるが,運動様式は異なる(→繊毛運動).その構造は細菌類のいわゆる原核生物の鞭毛と,その他の真核生物の鞭毛とにかなりの違いがある.細菌の鞭毛は菌体から突出したらせん状の繊維,菌体の表層に埋れた基底小体,およびそれらを連絡するフックとからなる.繊維はフラジェリンからなり,それがらせん状に連なってふつう菌体の数倍の長さの管状構造を形成している.細菌の種類によっては,繊維が2種類以上のフラジェリンからなるもの,多層の蛋白質重合体からなるもの,あるいは繊維の外側が蛋白質性の鞘によって覆われているものなどがある.鞭毛の数は菌の種類によって異なり,VibrioやPseudomonasの多くは1本しかもたない(単毛菌).一方,SalmonellaやBacillusのように菌体のまわりに多数の鞭毛をもつ周毛菌,菌体の端に複数の鞭毛をもつ局在性多毛菌もある.真核生物の鞭毛は細胞表層に埋れた基底小体と,そこから突出した鞭毛繊維とからなる.繊維部分は円形と馬蹄形が接した横断面構造をしめす9組の小管(軸糸ともいう)が円形に配列し,中央に2本の小管が走り,それらが蛋白質性基質に埋り,さらに細胞膜によって覆われている.このような基本構造の無分枝繊維からなる鞭毛は尾型(whiplashtype)とよばれ,真核生物の大部分の鞭毛がこの型に属する.一方,二毛菌類などでは,細胞から生じている繊維に沿って左右または片側にさらに細い繊維状のひげが分枝列生している鞭毛が見出され羽型(tinseltype)とよばれている.真核生物の鞭毛運動は細菌類のそれと異なり,微小管の伸縮による繊維の波打ち運動によって行われる.鞭毛は生体の移動・捕食,他物への一時的付着に役立ち,また感覚器官として働く場合もある.
【岩波書店 岩波生物学辞典第4版】
ノート:葉緑体
葉緑体
[英chloroplast 仏chloroplaste 独Chloroplast 露хлоропласт]
【同】クロロプラスト
光合成を行う半自律性の細胞小器官.葉緑体は色素体が分化したものであり,黄色のカロチノイドのほか多量のクロロフィルを含むために緑色にみえる.緑藻と緑色植物はクロロフィルaとbをもつが,褐藻にはbはなくcとaを含み,紅藻にはa以外のクロロフィルをもたない.褐藻と紅藻の葉緑体はクロロフィルのほかにそれぞれフィコキサンチンやフィコビリン色素をもち,褐色または紅色にみえる.原始紅藻など細胞体制の下等な藻は,細胞あたり1個の球形の葉緑体を含むが,紅藻・褐藻・緑藻などになるとカップ状・星状・板状・らせん形・網目形など不定形の大きな葉緑体を1個〜数個含むようになる.多細胞の緑藻や陸上植物になると細胞あたり通常十〜数百程度含まれる.ただし葉緑体の形や細胞あたりの数は,植物の生活環を通じて変化する.多くの多細胞植物では,葉緑体は直径5〜10μm,厚さ2〜3μmの凸レンズ形で,内外2枚の包膜につつまれ,内部にはストロマ(基質)や,脂質とプラストキノンに富むプラスト顆粒(plastogranule),および内膜系(ラメラ構造,チラコイド)がある.内膜系の微細構造の基本となっているのはチラコイドである.グラナをもつ葉緑体では異なった大きさのチラコイドが積み重なりあるいは複雑に折りたたまれて,グラナチラコイド(granathylakoid)とそれを連絡する膜系ストロマに直接に接するすなわちストロマチラコイド(stromathylakoid,グラナ間ラメラintergrana lamellae)に分化している.各種の光合成色素や光合成の電子伝達成分,光化学反応中心複合体,H+ATPアーゼなどはチラコイドに存在し,光エネルギーによる色素の励起,電子伝達,NADP+の還元,ATP合成まではチラコイド上およびその表面近くで進行する.これによって生成したNADPHとATPを用いる二酸化炭素の固定はストロマ中で行われる.葉緑体は固有の葉緑体ゲノムをもち,細胞質をとおして遺伝する.葉緑体は,いわば真核細胞の中に区画された原核生物型の遺伝系であり,ゲノムDNAの複製や遺伝子の発現はその中で行われる.しかしながら,ゲノムの遺伝情報は葉緑体を完成するには不完全であり,多くの蛋白質を核遺伝子にも依存している.葉緑体を半自律性の細胞小器官とよぶのはこの理由による.葉緑体のゲノムDNAは蛋白質と結合して核様体を形成し,成熟した葉緑体では数百個ともいわれる核様体が分散して存在している.
【岩波書店 岩波生物学辞典第4版】
ノート:鞭毛藻類
鞭毛藻類
[Flagellata, Mastigophora 英flagellate group 独Flagellaten]
【同】鞭毛類
主に有核有葉緑体の単細胞藻類を鞭毛相の存在を特徴とみて集めた植物の一分類群.体制の簡単複雑に主眼をおく動物分類の立場からすれば原生動物門に入るから,そのうち葉緑体をもつ群だけが特に藻類として抽出されて鞭毛藻類として分類されることとなる.位置づけは異なるが,かつては鞭毛類(Flagellata),渦鞭藻類(Dinoflagellata),黄緑藻類(Xanthophyceae)の3群に分けられた.しかしA.Pascher(1931)の提唱以来,クロロフィル・光合成産物・細胞壁組成・鞭毛構造などの細胞段階での多面性形質の相違に重点をおいた分類が容認されて,今までの鞭毛藻は分割され渦鞭毛藻類,クリプト藻類,黄金色藻類,ラフィド藻類,ハプト藻類,黄緑藻類,真正眼点藻類,ミドリムシ藻類などに分類される.ただし,藻類・菌類などというのと同様,外観的な把握には都合がよいので今も鞭毛藻の語は用いられている.
【岩波書店 岩波生物学辞典第4版】
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