「万葉仮名の六十二個」の一音節語の解説コーナー。

日本語の意味論「日本語の意味の構造」の理論を展開!

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 『ク』とは。  人の口・穴の入り口②くわえる力・食い付く様。
 
 『口の意味』


 「クチ・クツ(古形)」は「ク・入り口」+「チ・ツ・体液・水(この場合は唾・ツ)」で入り口に唾のあるものの意。
 「クボミ・窪み」=「ク・凹形状・口お少し開けた形状」+「ボ・ホ・穂・頬・ふくらみの形状」+「ミ・四段」=中が丸みのある空洞・口を開けた形。
 名詞の「クボ・窪・凹」の意は、山や岡の谷間の湿地とか女陰(ツビ)を表す。
 「クボテ・窪手・葉手」は、添え物を盛る器の一つで、大嘗祭の祭壇に、柏の葉を並べて竹ひごで閉じて窪んだ皿の形に整形した器「クボテ・葉手」に、柿・栗・椎の実などを盛り付ける。
 土器を使わずに香りのよい柏の葉を使って神前にお供えをする様式に、土俗的な原始生活の伝承を垣間見る思いがする。
 「ククミ・含み(四段)」=「ク・口」+「クム・汲む」=口の中に含んでいる。この語から「クミ・汲み」は「組」で、両手を組み合わせ(手を結ぶ=窪んだ器の形状)て、水を口に「くくむ」のである。


 両手を結んで、透き通った冷たい涌き水をクム乙女たちの、はしゃいだ黄色い声が聞こえてくる、天平の春の歌。 
 
 もののふの やそ乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の かたかごの花。【大伴家持・万葉・4143】


 大勢の乙女らが、寺の涌き水の廻りで明るくにぎやかに、水を汲みあってさざめいている、その湧き井戸の堤に,堅香子の花(かたくり)が咲いている。


 これは、恐らく中国か朝鮮の絵画を眺めて作った歌であろう。家持の眼の移動を感じさせるあまりにも座りがよすぎる歌である。そして実はこの風景画の裏側に別の絵が描かれている様に思われる。


 「クカタチ・探湯」とは、犯罪を白状させる巧妙な、奈良時代の罪人取り調べの手段。
 古代において、神かけて、湯を沸かした釜(クカベ・探湯瓶=クカダチヘイ)に手を入れさせて嘘か誠か、正か邪かを判断した。嘘をつくものは火傷をし、正直な者は無傷であるとされた。
 「クカタチ」は「ク・口」+「カ・堅い」+「タチ・絶ち」で、堅い口を割らせる為の手段である。


 「クシ・串」は「クジル・穴を開ける」道具である。
 「くだ・管」は「ク・口」+「ダ・垂れ」=口を開けた細長いもの。
 「クダキ・砕き」は、口でモノをかみ砕く「ク・口」+「叩き・タタキ」である。
 「クダモノ・果物」は「砕き」+「もの」で、既に砕かれている様に柔かな食べ物の意。
 この果物を一説に「ケダモノ」の「ダ」と同じで「ダ」は「ナ(連体助詞)」の転じたものと説明している。つまり「くだもの」は「木ナ物」で「ナ」は格助詞の「ノ」と同じだと説明する。つまり果物は「木のもの」の意だと解く。そして「ケダモノ」は「毛のもの」と解くが果たしてそうか。
 果物が木から取れるので「木の物」との解釈は、変な「コダワリ」である。「キ・木」の古形は「コ」である。また格助詞「ノ」から連体助詞「ナ」に変化し、さらに「ダ」に転じたとする説は、変転し過ぎの感がある。
 正しくは「ケダモノ・獣」は「ケダ=四角張った形状」+「もの」である。


 「ケダ」【鶉衣】「……ケダ(四角)なる袖を円(マドカ)になしてよく人の心をうつし」
 「ケダ」【三教指帰】「……ケダ(四角)なる底に円(マドカ)なる蓋を覆うて……」
 四足の動物を全体像で捕らえると、四角張ったケダ・モノとなる。人は二本足で立った姿をしているが、獣は四本足で歩く「四角・ケダ」形状のもの。
  「ヒト」は、「ヒ・甲類」+「ト・乙類」=「一・ヒト・(甲類+乙類)」で「人差し指」一本を突き出した形が「ヒト」で、四角張った形状のケダ・モノとは大きく異なるのである。


 「クラ・蔵・倉」=「ク・口」+「ラ・同じ物の集合体」=口が大きくなったような形状を言う。この語から「暗ひ=倉の中の状態」「食らひ=口の中の機能」「暮す=家の中の生活、暗いところに居る」。
 「栗・くりくり」=「ク・口」+「リ・盛り上がった形状(盛・森・尻などの・リ)」これは口の中から少し盛り上がった形状を表す。栗のイガから頭を覗かせた状態が「クリ」である。「眼をくりくりさせて……」「くり石=小石」「刳形・くりかた(えぐりだした穴)」。
 「ククム・含む」ハ、口の中に含んでいて飲み込まずにいる状態を示す。
 「クキ・岫」=「ク・口」+「キ(甲類)・切れ・眼に見えない」=つき抜けている洞穴・トンネルで、山にのみ限定はされない。地名の「九鬼・(磯にある岩の形から)」も同意であろう。
 「クジル」=穴を抉る。ほじくる。
 「釧・クシロ」=「ク・口」+「シ・棒(手足)」+「ロ・取り囲まれた形状」=手や足に巻く飾り・腕輪・足輪。縄文遺跡から出土する、鍬形の貝製品に価値がある。




歴史的仮名遣い・音義対比解説



 第8回………「く」


 85、喰い・杭 ●歴史仮名「くひ」 ▲現カナ「くい」 

 「く=動作を実行する形態・口の形態が原義」+「ひ・動詞語尾は反復・継続的な生命力の形態〔甲類〕」=食込の形態。


 86、屑 ●歴史仮名「くづ」 ▲現カナ「くず」
 「く=動作を実行する形態・口の形態が原義」+「ツ=液体の形態・tsu・液体系〔Ⅱ類〕」・「濁音はその清音の意味に障りの形態をを付与する」。


 87、崩 ●歴史仮名「くづし」 ▲現カナ「くずし」
 「く=動作を実行する形態・口の形態が原義」+「ツ=液体の形態・tsu・液体系〔Ⅱ類〕」+「し=下の形態・行う形態」。
 口の中で食べ物を噛む時に唾液(ツ・津=唾)が出る。


 88、紅 ●歴史仮名「くれなゐ」 ▲現カナ「くれない」
 「く=動作を実行する形態・口の形態が原義」+「れ=垂れ下がる形態」+な=なよやかな形態・軟弱な形態」+「ゐ=ウ+イ=uiwi(母音調和)・猪の形態・連続する形態」=「くれ・暮」+「な・軟弱」+「ゐ・連続」=「夕陽の崩れるときの暫く続く夕日の色」。


 89、鍬(桑) ●歴史仮名「くは」 ▲現カナ「くわ」 
 「く=動作を実行する形態・口の形態が原義」+「は=歯の形態・端の形態・葉」=「蚕の喰う葉」。


 90、加 ●歴史仮名「くはへ」 ▲現カナ「くわえ」
 「く=口の形態・繰り返す動き」+「は=歯の形態・端の形態」+「へ=重ねる形態・減らす形態〔甲類〕」。口の端で重ねる形態。


 91、詳 ●歴史仮名「くはし」 ▲現カナ「くわし」 
 「く=口の形態・繰り返す動き」+「は=歯の形態・端の形態」+「し=下の形態」。口の端の様子を観察する意。モノの先端を観察する形態。


 92、企 ●歴史仮名「くはだて」 ▲現カナ「くわだて」
 「く=口の形態・繰り返す動き」+「は=歯の形態・端の形態」+「たて・建て」。物事の端(とっかかり)を建てる。物事の初担を起こす。



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原義六十二音義一覧表

 上段・音義関係の定義。◆乙類は「コソトノモヨロ・キヒミ・ケヘメ」◆ツにⅡ類あり。

 下段・真仮名・左は「音」・右の〔 〕内は「訓」

(母音)「あ・吾・主体」
 阿、安、鞅、婀 〔足(アシの略)〕
(母音)「い=射る形態・尖りの形態」
 伊、怡、以、異、已、移・射。
(母音)「う・∩形・屈曲した形状」
 宇、羽、于、有、雲、紆、禹、汗、烏・得、卯、菟、免。
(母音)「え=選ぶ形態」

 愛、哀、埃、衣、依、愛、埃、荏・得 、榎。

(母音)「お=押す形態・圧迫する形態」
 意、憶、於、應、淤、隠、飫、乙。
 「か=硬・強固・噛む・力む形態」
 加迦可訶甲箇架嘉哥汗賀荷歌可介伽河柯舸軻。〔香、蚊、鹿〕
(甲類)「き・眼に見えない・気・聞・切(甲類)四段」
 支、岐、伎、妓、吉、棄、弃、枳、企、耆、祇、祁〔寸、杵、服、來〕

(乙類)「キ・kui(乙類・前母音脱落)⇒ki= 木・杭・食い込む形態(茎・槙・真木・薪)」

 歸己紀記忌幾機基奇綺騎寄氣既貴癸。〔木、城、樹〕
 「く・口の形態・喰ふ」
 久玖苦丘九鳩口君群句絢倶区區矩衢窶。〔来〕
(甲類)「け・異常な形態(甲類)けや」
 祁計稽家奚鷄谿溪啓價賈結。〔異〕
(乙類)「ケkie(乙類・前母音脱落)⇒ke=消え・姿を消す形態(毛、食、飼、消、笥)」
 氣開既[禾、既] 概慨該階戒凱 [心豈] 居擧希。〔毛飼〕
(甲類)「こ・子の形態・児・小・粉・卵(甲類)」

  古、故、胡、姑、[示、古] 枯、固、高、庫、顧、孤。〔子、児、小、粉 〕

(乙類)「コ・kuo(乙類・前母音脱落)⇒ko=口に押し込める形態(込め・凝る・乞う・鉤)」

 許、己、巨、渠、去、居、擧、虚、拠、{艸呂} 興。〔 木 〕

 「さ・斜め下方向へ進む形態[用語例・刺す・裂く・去る・先・笹・坂]」

 左、佐、沙、作、者、柴、紗、草、散。〔 狭 〕

 「し・下方向の形態・足・知る・敷く・死す・腰・岸」

 偲師新芝柴斯志之子思時旨指司詞事四寺侍信次此死詩水准。〔 磯為羊蹄 〕

 「す・通過する形態・抵抗なく水や空気が過ぎる[用語例・巣・州・簾・素]」

 寸、須、周、酒、州、洲、珠、数。〔酢、栖、渚 簾〕

 「せ・背の形態[用語例・瀬・せまる・せめる・狭い場所施]」
 世、西、斉、勢、施。〔背、脊、迫、瀬〕
 (甲類)「そ・上方向の形態[用語例・空」

 蘇、蘓、宗、素、泝、祖、巷、嗽・麻、磯。〔十、追-馬 〕

 (乙類)「ソ・suo(母音調和)⇒swo・スォ=反り上った形態[用語例・反る・剃く・沿ふ・染]」
 曾、層、増、僧、憎、則、賊、所、諸・其。〔衣、背、襲、苑〕。
 「た・手足の形態[用語例・たたく・ためる・たりる・たかる・たばさむ・旅・足袋]」
 太、多、他、丹、駄。〔田、手、立〕
 「ち・ti=小さい形態[用語例・乳・父・小・微細・千切・塵・散る・千]」
 知、智、陳〔千、乳、血、茅〕
 (Ⅰ類)「つ・手の先の形態[用語例・つめ・つかむ・つく・つり]」
 都、豆、通、追。
 (Ⅱ類)「ツ・thu(液体系)液体の形態[用語例・津・つば・漬ける・浸かる・露・梅雨・汁・津波]」。
 通、追、川。〔津〕
 「て・te=手の形態[用語例・照る・てこ・手伝う・手羽・てぶら・てまり・寺」」
 堤、天、帝、底、弖、輝〔手、代、直〕
 (甲類)「と・to(甲類)=砥・線引きの形態[用語例・戸・砥石・砥ぐ・瀬戸・港]」
 斗刀土妬都杜圖徒塗屠度渡〔利戸速蠣門〕
 (乙類)「ト・tuo(母音調和)⇒two=取る形態[用語例・採る・獲る・留め・止め]」
 止、等、登、[登、邑] 騰、縢、臺、苔、澄、得・迹、跡〔鳥、十、与、常、飛〕

 「な・na=人体の穴が原義 ・なよやかな形態[用語例・なだらか・なめらか・砂・たな・つな・はな・ふな・まな]」

 那奈難南男儺乃娜。〔七名菜魚嘗〕
 「に・ni=粘土・粘り気のある物体・物性[用語例・土・丹・煮]」
 爾邇仁而尼耳日二人柔珥貳。〔荷似煮煎丹〕
 「ぬ・nu=肉体のぬるりとした形態[用語例・塗る・抜く・盗む・縫ふ・糠・沼・ぬめる]」
 奴濃農努怒。〔宿寝沼〕
 「ね・ne=見えないところの形態[用語例・胸・骨・根・音・寝]」
 禰・泥・尼・年・涅。〔根宿〕
(甲類)「の・no(甲類)=傾いた形態[用語例・野・のすじ・軒端・のめる・のぞく・のびる]」
 怒、弩、努。〔野〕
 「は・ha=歯の形態[用語例・歯・端・刃・葉・羽・端の意味が多用]」
 八、方、芳、房、半、伴、倍、泊、波、婆、破、薄、播、幡。〔羽、早、者、速、葉、歯〕
(甲類)「ひ・hi(甲類)=平の形態[用語例・平・日・陽・氷・広・額]」
 比、毘、卑、辟、避、譬、臂、必、賓、嬪。〔日、氷、桧、負、飯〕

(乙類)「ヒ・fui・フィ母音調和⇒fwi・触れると射る・火の形態。[用語例・火・樋 ・ひび]」

 非、斐、悲、肥、彼、被、飛、秘。〔火、乾、簸、樋〕
 「ふ・hu=触れる形態[用語例・降る・触れ・塞ぐ・吹く・葺く・伏す・踏む・船・深]」
 不、否、布、負、部、敷。〔経、歴〕
(甲類)「へ・he=口の入り口・辺りの形態[用語例・辺・減・端・方・重]」

 幣弊{敝大} 蔽敝平 [革卑] 覇陛反返遍。〔部、方、隔、重、邊、畔、家 〕

(乙類)「ヘ・hie冷え・母音調和⇒hye=冷えて経過した形態[用語例・経る・へび・白妙]」
 閇、閉、倍、陪、杯、珮、俳、沛、甕。〔經、戸・綜(瓦-瓮)〕
(甲類)「ほ・ho=頬の形態・膨らんで大きくなるもの」[用語例・帆・穂・洞穴]
 凡、方、抱、朋、倍、保、宝、富。〔百、帆、穂〕
 乙類の「ホ」は「ヲ・男」に同化した。………仮説。
 「ま・ma=目の形態・円形・球形[用語例・間・真・まつげ・眉毛・まぶた・またたく]」

 万、末、馬、麻、摩、磨、満。〔前、真、間、鬼 〕

(甲類)「み・見事な形態・説明の出来ない霊的な現象[用語例・見・美・三・水・耳]」

 美、彌、弥、瀰、弭、寐、[シ眉] 民。〔三、參、御、見、視、眷、水 〕

(乙類)「ミ・mui・母音調和⇒ムィmwi=躍動して射る形態[用語例・雷・神(カムイ)]」
 微、未、味、尾。[用語例・実、身、箕]
 「ム・胸・心臓の躍動する形態・村は人々の躍動するところ[用語例・むらきも・むらがる・むらむら・群れ]」

 牟、武、無、模、務、謀、六。 戲訓 〔牛鳴 〕。牛はムと鳴く。

(甲類)「め・me(甲類)=女・雌」[用語例・召す]」
 賣、廖謎、綿、面、馬。〔女〕
(乙類)「メ・mie・見え・母音調和⇒mye=動詞が一音化した[用語例・目・芽・爪]」
 米、毎、梅、[ 王、毒、] 妹、昧、晩。〔目、眼、(海藻・みる-め〕
 ◆古事記にこの乙類の目が存在しない理由は、他に「「ま・ma=目の形態」の語があるから。

 (甲類)「も・mo= 腿の形態・盛り上がった形態[用語例・もり・もる・もれ・雲・積もる]」

 毛、母、文、茂、門、問、聞、忘、物。〔裳、喪、藻、望、謀〕
 (乙類)(古事記のみ)「モ・muo母音調和・mwo=母・元・本・基の形態[用語例・物・者・諸・持つ・母・助詞・もが・もがも・もとな]」
 (音)母。訓はナシ。
 母音調和語「ヤ・ia=ya=「い=尖り形態」+「あ・主体」=「矢の形態」

 也、移、夜、楊、耶、野〔八、矢、屋 〕。

 母音調和語「ユ・iuyu=「い=尖り形態」+「う・∩形・屈曲」=「弓の形態」
 由、喩、遊〔湯〕
 母音調和「えi

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