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『ハドソン・テーラーの伝記』聖書図書刊行会発行
「わたしは故郷の町の牧師がメトハースト著『中国』を一冊もっていると聞いたので、すぐに訪ねてい
って、借してもらいたいと頼んだ。すると彼はすぐにこころよく承諾してくれた。そしてどうして読む気
になったのかと訊ねた。そこで、わたしは神のお召しによって中国で福音を説く決心をするようになった
のですと答えた。『では、中国へいくのには、どういう手続きをとるのですか』と彼はたずねた。わたし
は全く知らないのです。おそらく十二使徒たちやヤコブの子孫七十人の場合と同じように、財布ももたず
袋ももたずに、ひたすらに、わたしを送る神に依り頼み、神がわたしのすべての必要を補って下さるもの
と信じて、出かけることになるでしょう。わたしはそう答えた。すると牧師はやさしくわたしの肩に手を
あてて、『ああ、ハドソン君、もう少し年をとるとわかると思うが、そういう考えは、キリスト御自身が
この世におられた頃ならば、できたでしょうが、いまの世の中ではできませんよ』と教え訓してくれた。
そのとき以来、わたしは年令をかさねてはきたが、少しも利口にはならなかった。主の指図に従ってい
きさえすれば、そして主が最初の使徒たちに与え給うたあの保証をわたしの案内として、より一層の誠意
をもって守っていきさえすれば、むかしの使徒たちの場合と同じように、いまの時代にも役に立つ道しる
べになるにちがいない、とわたしはいよいよ深く確信した。
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