東京タワー オカンとボクと、時々、オトン東京タワー オカンとボクと、時々、オトン 著者:リリー・フランキー 出版社:扶桑社 サイズ:単行本/449p 発行年月:2005年06月 本体価格 1,500円 (税込 1,575 円) こんなおもしろい本には久々に出逢った気がする。 筆者の軽妙な語り口調に思わず吹き出したり、心の芯の所がじんわり来たり。ほとんど笑いっぱなし、泣きっぱなしで読まなきゃぁならない一冊。 リリー・フランキーの自伝的小説なのだが、私は、恥ずかしいかな彼のことをこの本を読むまで全く知らなかった。絵本作家、小説家、コラムニスト、イラストレーター、アートディレクター、デザイナー、作詞・作曲家・・・。沢山の肩書きを持ち、多方面で活躍中の才能豊かな人のようだ。 (この本の装丁、写真、イラストレーションなど、全てが彼自身の手による、初の長編小説。) 主人公のボクは昭和38年、福岡の小倉で生まれる。 オカンとボクとの貧しいが心温かな昭和の良き時代の暮らし。 時々出てくるオトンが吸っている煙草が『ミスタースリム』だったりするのも懐かしかった。 やがてオカンとオトンの間に微妙な隙間風が吹き始め、ボクはオカンと二人でオカンの故郷筑豊での生活を始める・・・。 オトン オカン 関西弁で言いつつも、博多弁丸出しのこの本の主人公とは 北九州育ちの、私の人生とも微妙に被ってるから、何だか他人とは思えなかったりして、そこも又面白かった。 その昔、物心ついた頃から暮らしていた北九州の景色や風物や言葉などがまざまざと思い起こされるのも心地よく、気がつけば私自身の幼年期を辿っていた。 後半は涙無くしては読めない。 上京、東京生活、オカンの闘病生活と・・・、 人はいつか、一番愛するものと別れなくてはならない時が来る。そしてその愛するものとは、自分をいつも無償の愛で大きく包んでくれていた偉大な母という存在なのだ。 個人的に、ああ、本当に素敵な文章って言うのはこういう文章なのだなと思った。妙な装飾や気取った表現はいらない、人の心を揺さぶる言葉。リリー・フランキーの文章にはそういう不思議な面白さがあった。 今世紀最高の傑作だと思うなぁ。 仲の良い友人とか家族とか、愛する人達全てに読ませてあげたいって思うもの。 是非読まなきゃだよ! みんな。 |
本棚の中
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一昨日、図書館の新入荷の書籍を展示しているコーナーで偶然見つけた画集です。 手にとって中をめくって見た私は、彼の絵のタッチ、水彩絵の具の深い色合いに強く惹かれました。 早速借りて来て、昼間は鞄の中へ入れて持ち歩き、今は手元で繁々と眺めています。 榎木孝明さんは、俳優さんです。映画では、あの渡辺謙が白血病で倒れ急遽代役をつとめる事となった「天と地と」等が有名です。 彼が絵を描くということは以前から知っていました。 今年の初め、熊本の叔母の家を訪ねた時、居間に何気ない風景画が2枚飾ってあるのを見まつけました。 「あの俳優のほら、榎木さんの絵たん。安かったけんが買うたったん。よか絵でしょうが。」(熊本弁丸出しの叔母) 「ふ〜ん。」 私は、「なーんだ、俳優さんの描いた絵か〜。」と少しがっかりしてその絵を見ていました。 この本の構成は前半と後半に彼の描きためたロケ地でのスケッチ画が載せられ、中央には対談というものです。 [対談]我等、地球同志。 黛まどか+榎木孝明 私はそこに書かれている文章を読んで初めて彼の感性の素晴らしさ、個性を強く感じました。黛まどかさんとは俳人で、榎木さんとNHKの世界遺産特集の番組で一緒になったことがある方だそうです。普通の対談と違って、二人の特異の感性の素晴らしさとか自分も感じていた色々な美に対する思いとか自然への考え方とかが似ていて、思わず唸ってしまいました。 文章では、易しい表現で、いま感じていることを正確に伝えていくことが、一番大切だ等など。 彼が黛さんの文章を読んだ時「精神が似ているな。」と思ったそうです。 絵は、ソフトなタッチで描かれたスケッチに水彩絵の具で色を重ねた物ですが、とてもいい感じです。 彼は旅先でまるでカメラのシャッターを向けるような気軽さで色々な物をサラリと描いてしまいます。 先週旅先で、久しぶりに訪れた熊本城の絵が一枚ありました。タイトルは日輪(熊本城)。 榎木孝明(えのきたかあき)プロフィール 1956年生まれ 鹿児島県出身。 武蔵野美術大学3年中退 劇団「四季」を経て、俳優として映画、テレビ、舞台で活躍する一方、旅のスケッチを描き続けている。 |
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元気になれる本 |
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著書名: 精神分析が面白いほどわかる本 |



