風の音を聴く♪

詩と写真と音楽が趣味。 空や海を眺めるのが好きです。長くさぼっていましたが、アプリから投稿出来るようになったので再開しました。

中原中也と私

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10代の頃、中也に出逢った。強く影響された詩人『中原中也』


中原中也の詩の世界へようこそ〜★
私の好きな中也の詩を少しずつ紹介させていただきます。
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帰郷

〜帰郷〜

柱も庭も乾いてゐる
今日は好い天気だ

      縁の下では蜘蛛の巣が
      心細さうに揺れてゐる

山では枯木も息を吐く
あゝ今日は好い天気だ
     路傍の草影が
     あどけない愁みをする

これが私の故里だ
さやかに風も吹いてゐる。
     心置きなく泣かれよと
     年増婦(としま)の低い声もする

あゝ おまへはなにをしに来たのだと・・・・・
吹き来る風が私に云ふ

「汚れっちまった悲しみに」と共にあまりにも有名な中也の詩「帰郷」をここに紹介いたします。
これと対に私が思い出すのが石川啄木の「故郷の訛り懐かし 停車場の人込みの中にそを聞きに行く。」です。啄木も又中也と同じ夭折(ようせつ)の詩人です。
お国訛りって懐かしい。言葉も習慣も違う地で孤独に生きていた中也。
湯田温泉の国道から一歩足を踏み入れた高田公園にこの詩の歌碑があります。

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ひからびた心

〜ひからびた心〜

ひからびたおれの心は
そこに小鳥がきて啼き
其処に小鳥が巣を作り
卵を生むに適していた

ひからびたおれの心は
小さなものの心の動きと
握ればつぶれてしまひさうなものの動きを
掌に感じてゐる必要があつた

ひからびたおれの心は
贅沢にもそのやうなものを要求し
贅沢にもそのやうなものを所持したために
小さきものにはまことすまないと思ふのであつた

ひからびたおれの心は
それゆゑに何はさて謙虚であり
小さきものをいとほしみいとほしみ
むしろその暴戻(ぼうれい)を快いこととするのであつた

そして私はえたいの知れない悲しみの日を味つたのだが
小さきものはやがて大きくなり
自分の幼時を忘れてしまひ
大きなものは次第に老いて

やがて死にゆくものであるから
季節は移りかはりゆくから
ひからびたおれの心は
ひからびた上にもひからびていつて

ひからびてひからびてひからびてひからびて
――いつそ干割れて(ひわれて)しまへたら
無の中へ飛び行つて
そこで案外安楽の暮せるのかも知れぬと思つた

春の日の夕暮

〜春の日の夕暮〜

トタンがセンベイ食べて
春の日の夕暮は穏やかです
アンダースローされた灰が蒼ざめて
春の日の夕暮は静かです

吁(ああ)!案山子(かかし)はないか――あるまい
馬嘶く(いななく)か――嘶きもしまい
ただただ月の光のヌメランとするまゝに
従順なのは 春の日の夕暮か

ポトポトと野の中に伽藍(がらん)は紅く
荷馬車の車輪 油を失ひ
私が歴史的現在に物を云へば
嘲る嘲る 空と山とが

瓦が一枚 はぐれました
これから春の日の夕暮は
無言ながら 前進します
自らの 静脈管の中へです

トタンがセンベイ食べてって?
アンダースローされた灰が蒼ざめてって?
この表現こそ多分ダダイズムの典型なんだろうと思います。
意味合いよりも語呂合わせの面白さ、この不思議でリズミカルな言葉たちは最高の形容詞となって詩を締めくくっています。この詩は、不思議と覚え易くスラスラと頭に入ります。計算し尽くされた表現力豊かな一作。

宿酔

〜宿酔〜

朝、鈍い日が照つてて
  風がある。
千の天使が
  バスケットボールする。


私は目をつむる、
   かなしい酔ひだ。
もう不用になつたストーヴが
   白つぽく銹びてゐる。

朝、鈍い日が照つてて
   風がある。
千の天使が
  バスケットボールする。

秋日狂乱

秋日狂乱

僕にはもはや何もないのだ
僕は空手空拳だ
おまけにそれを嘆きもしない
僕はいよいよの無一物だ

それにしても今日は好いお天気で
さつきから沢山の飛行機が飛んでゐる
――欧羅巴(ヨーロッパ)は戦争を起すのか起さないのか
誰がそんなこと分るものか

今日はほんとに好いお天気で
空の青も涙にうるんでゐる
ポプラがヒラヒラヒラヒラしてゐて
子供等は先刻(せんこく)昇天した

もはや地上には日向ぼつこをしてゐる
月給取の妻君とデーデー屋さん以外にゐない
デーデー屋さんの叩く鼓の音が
明るい廃墟を唯独りで讃美し廻つてゐる

あゝ、誰か来て僕を助けて呉れ
ヂオゲネスの頃には小鳥くらゐ啼いたらうが
けふびは雀も啼いてはをらぬ
地上に落ちた物影でさへ、はや余りに淡い!

――さるにても田舎のお嬢さんは何処(どこ)に去(い)つたか
その紫の押花(おしばな)はもうにじまないのか
草の上には陽は照らぬのか
昇天の幻想だにもはやないのか?

僕は何を云つてゐるのか
如何(いか)なる錯乱に掠(かす)められてゐるのか
蝶々はどつちへとんでいつたか
今は春でなくて、秋であつたか

ではあゝ、濃いシロップでも飲まう
冷たくして、太いストローで飲まう
とろとろと、脇見もしないで飲まう
何にも、何にも、求めまい!……

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