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矢奈比売神社には悉平太郎(しっぺいたろう)伝説と言う伝説があります。 悉平太郎とは犬の名前で、あの漫画『うしおととら』にも出てくる犬のことです。 ちなみに『うしおととら』に出てくるのは以下の章。 第三十八章「あの眸(め)は空を映していた」 ▼第15話/其ノ壱 白羽 ▼第16話/其ノ弐 犬 ▼第17話/其ノ参 太郎 ▼第18話/其ノ四 しっぺい太郎 〜霊犬 悉平太郎(しっぺいたろう)伝説〜その昔、遠江の国府、見付には人身御供の慣わしがあった。 毎年、8月の初めになると、何処からともなく、白羽の矢が飛んできて町家の棟高く突き刺さる。そこには必ず年頃の娘がいた。この家を年番といい、矢奈比売神社のお祭りには人身御供として神前に差し出さなければならないしきたりになっていた。 8月10日の真夜中、白い櫃に入れられた娘は、大勢の男たちに担がれて、一点の灯火も見えない暗闇の山道を運ばれ、神社の拝殿の前に置かれる。やがて娘は天地鳴動する中、怪物に食べられてしまうと言う。 延慶の年(1308年)8月、この年もまたある町家の棟に白羽の矢が突き刺さった。そこへたまたま通りかかった旅の僧がこの話を聞き、悲嘆に暮れた里人の様子を哀れに思ったがどうすることもできない。先ずはその怪物の正体を確かめてやろうと、8月10日の祭りの夜、拝殿の下に忍び込んだ。暫くして、里の男たちが担いできた櫃を拝殿の前に置くと、脇目も振らずに一目散に駆け出していった。するとどこからともなく地響きがして天が割れんばかりの轟音とともに、得体の知れない化け物が櫃を掻き破って中の娘を喰い殺してしまい、なにやら叫びながら姿を消した。この時に化け物が残した言葉を、この旅僧は聞き逃さなかった。「信濃の悉平太郎に知らせるな。」 この怪物は、信濃の悉平太郎なる人物を恐れているのだ。そう思った旅僧は、この人身御供という哀れな慣わしに苦しんでいる見付の人々を救うため、早速、悉平太郎を捜す旅に出るのであった。 広い信濃の隅々まで捜し歩いたが、どこにも悉平太郎という人物はいなかった。悲嘆に暮れ、何度断念しようと思ったことか。その度に、櫃に入れられ泣き叫ぶ娘の姿や、泣きすがる親の嘆き悲しむ顔、それを見送る里人たちの悲哀を思い浮かべ、自らを鼓舞するのであった。 やがて、ある村で、赤穂村(現駒ヶ根市)の光前寺にいる犬が悉平太郎だという話を耳にした僧は、早速、意を決して光前寺を訪ねた。旅僧は、光前寺の和尚に会い、見付で見聞きした顛末を語り、悉平太郎の借り受けを懇願した。事情を知った和尚は、済民の為ならばと悉平太郎の見付行きを快諾された。 旅僧が悉平太郎を連れて見付に戻った頃、祭りも間近に迫って、町は重苦しい空気に包まれていた。この年も例に漏れず、ある町家の棟に白羽の矢が立った。嘆き悲しんでいるところへ丁度戻ってきた旅僧は、8月10日夜、その櫃の中に悉平太郎を入れ、里の男たちに担がせた。自らは先に拝殿近くに潜み、櫃が運ばれるのを待った。 やがて、櫃が運ばれ、男たちが去っていくと、地響き、轟音と共に怪物が現れ、櫃を掻き破ったその時、悉平太郎は猛然と怪物に襲いかかった。この怪物と悉平太郎との戦いは凄まじく、叫び声が翌朝まで見付の町にまで響きわたったという。 翌朝、境内には大きな年老いた狒狒の化け物が血まみれになって横たわっていた。怪物はついに悉平太郎により退治されたが、悉平太郎も深手を負い、境内の今の山神社の所で息絶えたという。また、これには幾つかの説がある。旅僧が介抱して信濃の光前寺へ連れ帰ったとも、光前寺へ帰る途中、春野町犬居の辺りで力尽き息絶えたとも、天竜市阿多古と引佐町東久留女木の境の観音山、あるいは水窪町だったともいわれ、それぞれの地に語り継がれている。 この悉平太郎の怪物退治により、見付の悲しい人身御供の慣わしは終わりを告げ、喜びの余り踊ったのが裸祭・鬼踊りの始まりだと伝えられている。 この旅僧の名は、一実坊弁存といい、その後、矢奈比売神社に住み、大般若経6百巻を書き写して納めた。時に正和五年(1316年)4月8日の事である。いつの頃かこの大般若経は光前寺に寄進され、現在尚、寺宝として大切に保管されている。 悉平太郎のことを駒ヶ根地方では早太郎、又は疾風太郎と呼んでいる。 この伝説が縁となり、磐田市と駒ヶ根市は、昭和42年友好都市を締結、現在に続いている。 |
静岡の神社
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ここも広いですね。 |
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やっとここまでこれました。 |
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