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[2013年03月13日] 金子みすゞの心に自分を重ねるコンサートの感想

 

東日本大震災の記念日の3月11日の昼,金子みすゞの世界を再び心で味わった。

宗次ホールのコンサートで2年前の秋に第1回目がありその時も日記を書いた。

ホール側の巧みな営業戦略に乗せられたとしても今回は聴く心構えが大違いだ。

 

今回も完売で入れなかった人が出るほどの盛況。みすゞファンが大勢いるのだ。

震災の直後にテレビでひっきりなしに流れた「こだまでしょうか」が耳に甦る。

大正時代に乱暴な夫と離婚し最愛の娘の親権を当時の法律で奪われて自殺する。

 

どうしても暗い話だがおおはたれいこさんの朗読には暗さが無く優しく伝わる。

発声も前回とは違ってとても良い。引き込む演出の仕方もうまくテンポもいい。

そして照明がピアニストの丸山晶子さんに切り替わる。詩に寄り添うピアノだ。

 

シューベルトの原曲にリストが編曲した演奏会用の曲が詩のリズム感を後押し。

今回の副題は明るい方へとある。それでも私にはみすゞの冷徹な感性を感じる。

現在執筆中の本の原稿が何度目かの校正を経て遂に終わろうとしているからだ。

 

脳の仕組みに関する新しい発見から10余年が過ぎて漸く全体像が見えて来た。

ビッグバンに始まる宇宙の形成時の素粒子物理学から情報数学と言語と意味論。

これらを全て統合することで人間の本能の働きと理性の役割が解明出来たのだ。

 

弱い動物は群れを作る。人間も例外ではなかったが武器を発明してから変った。

組織化社会を作って人間が人間を奴隷として働かせる仕組みを作り出したのだ。

大多数の庶民を出来るだけ貧しくして全員が貧しいものだと思わせて洗脳する。

 

今も組織は圧倒的に男社会が根強く残る。所がみすゞは洗脳されなかったのだ。

いくつかの詩に詠まれた反対の概念がその証拠だ。明と暗、嬉しいと悲しい等。

全てを反対にして考える態度こそ何事にも疑い抜く科学の探究心に他ならない。

 

民主主義社会となった現在の日本の女性は決して無力ではない筈だが学べない。

教えられる人がいないのだ。もし指摘する人がいたとしても悪者にしてしまう。

伝統的な社会は、一方では住む上で安らぐが他方では改革がされ難い面を持つ。

 

みすゞの詩には生きものや花になって考え相手を包んで思い遣る優しさがある。

その本質的な魅力は女性の目を通して矛盾を感じ取る科学的な感性ではないか。

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科学の冷徹さがみすゞの詩の探究心と重なり、暖かい優しさをピアノが会場の隅々まで一杯に満たす。心憎い演出。あっという間の1時間!

2013/3/13(水) 午前 7:14 [ prohitskh ]


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