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[2013年7月17日] ビルテゥオーゾの弦楽合奏を聴く

 

今夜は名だたるオーケストラの主席奏者を集めた弦楽主体の演奏会を聴いた。

コンミスは大谷康子さん、ヴィオラのトップは我が師と仰ぐ百武由紀先生だ。

指揮は大友直人氏で作曲家三枝成彰氏との共同企画だ。彼の作品も演奏する。

 

演奏に先立って三枝氏のプレトークがあり、主にバルトークとシューベルト。

バルトークは弦の響きも独特でファンも多くアジア人の蒙古斑の話が面白い。

シューベルトは歌曲「魔王」のドラマティックな例を挙げて若い天才を偲ぶ。

 

最初に彼の「震災の為のレクイエム」の演奏。プログラムに改訂初演とある。

実はプログラムは気に懸けてなく、メインの「死と乙女」だけが頭にあった。

だから聴く内に次第にキリスト教的な清澄で癒される感じの響きに聴き入る。

 

偶然にも午後に車を運転しながらFMのクラシック番組を聴いたからなのだ。

プーランクの宗教曲をやっていて、小澤征爾指揮の「スタバトマーテル」だ。

悲しみの聖母マリア。磔になったキリストの死を嘆き悲しむ母の愛は切実だ。

 

折しも本能と家族愛について書いている時だから感受性が高まっているのだ。

古くからのテーマでドボルザークの作品は良く演奏される。ステージを注視。

オーボエとティンパニを加えた弦五部の左手にカルテットが置かれた編成だ。

 

やはり不安が的中した。芸文は弦楽器が鳴らない。カルテットが聞こえない!

オーボエやコントラバスの音はよく通るが、ヴァイオリンは本当に響かない。

後で三枝氏に直接会えたので訊いてみた。こちらとあちらの世界の意だって。

 

続いてバルトークのディベルティメント、独特のリズムと新鮮な不協和音だ。

大谷さんが上手い!勿論百武先生も!今度は響かない筈の音がよく聞こえる。

ステージの弾く位置や楽器の条件や聴く席等音響は色々な要素があるようだ。

 

休憩後シューベルトの「死と乙女」、マーラー編曲の弦楽オーケストラ版だ。

原曲は弦楽四重奏曲。速いパッセージが随所にあり、手首が硬いと弾けない。

これを8−6−6−5−3の編成で弾く。原曲が易しく編曲されてはいない。

 

唯マーラーにしても第1ヴァイオリン全員では無理と、ソロはやむを得ない。

それにしても演奏家がすごい。一流だ。全体を通して全く不安感がないのだ。

歌曲には揺らぎがありメロディが親しみ易くなるが、その歌う表現が魅力的。

 

指揮が良い。これだけの名人を集めたオーケストラを上品に纏め上げ立派だ。

感想は期待とは異なり弦楽四重奏の響きが耳にこびり付いて時々邪魔をする。

どうしても弦楽の幅が出る。マントバーニの流れる星のイメージが付き纏う。

 

マーラーがメモを残しながら完成させなかった理由がそれかも等と推測した。

熱演だが実際は平気なのだ。アンコールにアイネクライネをさっぱりと弾く。

もう至る所に優しい細やかな気遣いが感じられる。聴衆も共感したいい演奏。

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共感を呼ぶ演奏会は本当に必要だ。なぜ気が付かないか。理由があるのだ。

2013/7/18(木) 午前 6:46 [ prohitskh ]


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