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[07月23日#2]故吉田秀和氏への羨望、同情かも
今日のクローズアップ現代のテーマは、今年5月22日に亡くなった吉田秀和氏だ。
大正2年つまり1913年生まれだ。98歳だった。小澤征爾が恩師との思い出を語る。
彼の業績を紹介する度に溜め息が出そうになる。膨大な数の全集類と刊行物が並ぶ。
彼は何を書きたかったのだろうか?演奏を聴いて批評するのが音楽評論家の仕事だ。
いわばけちをつける役目だ。一般聴衆には聴いた演奏の良し悪しの判断が出来ない。
折角ホールに行き生の演奏を聴いたのだ。絶対的な権威が何と判断するか知りたい。
その評価に合わせて自分の音楽鑑賞能力を高めたい。文化のレベルをアップしたい。
知識の質と量を高めたい。他人と比べ見劣りしないように努力するのは本能に依る。
誰でも行けるお祭りとは違い、選ばれたセレブしか聴きに行けない高尚な音楽会だ。
しかし文化は高くなるほど広まるのが現代の情報化社会だ。評論家の質が問われる。
彼が不動の地位を築いた理由は何だったのか?ダイヤの鑑識眼と同じく経験だろう。
脳の形成は受精後約4週頃に始まり、環境が与える刺激が将来の好奇心の種を作る。
特に音楽を聞かせることが脳の形成と発達に重要だ。左右の聴覚が比較するからだ。
左右の耳から入る音がごく僅かにずれることで音源の方向を知る回路が形成される。
弱い生きものが必要な基本的能力だ。比べる能力が伸びる快感は知識を増やす基だ。
番組は日本が空襲を受け原爆で止めを刺され無条件降伏を呑んだシーンを回想する。
一面の焼け野原から奇跡的な復興を遂げる日本。高かった文化をどう復興させるか。
安保闘争を経て次第に落ち着く中で彼の音楽に対する考え方は科学的な見方だった。
身内の長女の方の証言が印象的だ。父は物事の全ての裏を見ようとしていたのです。
なんと、私が確立した宇宙を支配する二面原理に裏付けられた二面理論の考え方だ。
カラヤンや小澤征爾の素質を見抜き、ホロヴィッツをひびの入った骨董品と冷酷だ。
彼には数学や物理学の知識が無かったから悩んだのだ。その成果が夥しい出版物だ。
しかし妥協を許さない冷徹な批評は、音楽愛好家にとって揺ぎ無い拠り所となった。
しかも音楽だけでなく国際的な広い視野で批判する眼はあらゆる芸術に向けられる。
奥さんがドイツ人でバイリンガルな点も注目される。言語のセンスが磨かれるのだ。
数理的脳科学の立場から彼の業績を分析し、高く評価すると共に同情の念も抱いた。
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音楽と芸術と感動
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[07月21日]ヴァイオリン音楽の美についての考察
名古屋のヴァイオリン弾きなら誰でも知っているK先生の門下生の発表会を聴いた。
後半部分だけだが知っている人が数名とピアノ伴奏の先生も馴染みだ。審査員席だ。
難曲だらけだ。聴いている内に必然的に自分がコンクールの審査委員になっている!
身勝手な性分だ。ステージでの演奏は怖いが練習の成果を見て貰うのは快感なのだ。
丁度オリンピックを目前にして運動選手の活躍ぶりや全英オープンゴルフが話題だ。
早朝テニスの間にも考え、日本人の美学について日記で言及したばかりだ。美とは?
スポーツなら勝敗が第一だが芸術も勝負だ。図らずもそれを痛感する機会になった。
東京に出て研鑽した人の演奏が成長ぶりを見せる。ロビーで会った時はのんびり顔。
音楽に集中している時は別人だ。確かな成長はいい教師に就いている証拠でもある。
しかし演奏者が変り、違う曲を演奏するのを観て聴いているとどうしても比較する。
他人の演奏を批評したくなるのは素人の特権だ。デュアル脳理論に基いた美学論だ。
声楽や管楽器それにピアノと違いヴァイオリンには特有の音楽のセンスが不可欠だ。
第一に右手のボーイングと左手の運指とビブラートがまるで異なる点が挙げられる。
心つまり潜在意識の主が命令し、小脳系がニューラルネットワーク回路を駆動する。
聴くときは心の主が耳で音を集音し小脳系に比較分析させる。美しい楽音は快感だ。
棒音は耳障りで不快。心の本体の間脳系の視床下部で好き嫌いを判定し褒美を出す。
小脳のニューロンを駆動して作り出す音で聴く人の聴覚回路を揺さぶるのが音楽だ。
問題は揺さぶり方だ。単純では飽きる。不協和音で濁してからの和音は印象が深い。
作曲家は様々な発想で試行錯誤を繰り返し名曲を創り上げて来た。演奏家も同じだ。
自分なりの創意工夫でより好印象を与える音楽を作る。指導者はその才能を伸ばす。
第一に続いて、関節の動きがポイントだ。滑らかな動きが安心感を生み出す基本だ。
右手も左手も全部の関節が柔らかく動くかどうかが鍵だ。固いと音にも出てしまう。
演奏者には関節が固いか柔らかいかが分からない。指導者が見て教える必要がある。
ピアノの美しい響きもピアノにも依るが大部分は奏者が創り出すものだ。共通する。
こんなことを批評家ぶって言ってみても所詮、理解出来る人はいない。悪あがきだ。
演奏者が真剣に曲に集中して弾くヴァイオリンの音がホールに響き亘る。羨ましい。
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