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[08月25日#1] 芸文ホールでオルガンを聴く
今日は珍しく夕方7時ちょっと前に家を出る。栄の芸文センターに直行する。オルガン演奏!
実は気になっていたことがある。パイプオルガンだ。いつ行っても目の高さで対峙している。
太い低音用からトランペット状の配列に目を奪われるが中でも中央にある扇風機の羽根は?
積年の謎が今夜解決したのだ!ホールに入るとステージ中央にもオルガンが置いてある。
演奏者は渋沢久美さん。金城からフェリスに進み現在は盛岡市民文化ホールの専属という。
暗くなり照明がオルガンに向けられると登場。最初の曲はJSバッハのトッカータとフーガだ。
ここ芸文でオルガンの音を単独で聴くのは初めてだ。オルガンは建物と一体化したものだ。
外国のいろいろな教会でオルガンを聴いた経験がある。中でもスタンフォード大学の礼拝堂。
ここは荘厳なステンドグラスの絵が並ぶ。創立者夫妻が子を亡くした悲しみが描かれている。
パロアルトの街一つが大学で、カトリックとプロテスタントが毎週日曜日に交互にミサを行う。
祈祷の合間に奏楽があり聖歌隊の賛美歌が壮麗なオルガンの音と共に会衆の上に降り注ぐ。
圧巻はオルガニストの名人芸だ。繰り返す賛美歌の間奏が音の奔流となって耳にこだまする。
ここで物理の学会が開催された折にコンサートが開かれ同時にオルガンの説明に招かれた。
何よりも興味を引いたのが裏にある木製のバーだ。回すと音程が僅かに変化する仕掛けだ!
バロック時代から調整は深刻な問題だった。ヴァイオリンの調弦は完全五度。ピアノは平均率。
音楽愛好家にとって人工的な振動によるビブラートは不快そのものだ。クラリネットが典型だ。
転調は新鮮で気分を変え劇的効果を与えるから多用される。しかしメロディが違って聞こえる!
そのためモーツァルトはニ長調やト長調の曲を多く作った。ヴァイオリンの倍音がよく響くのだ。
バッハの壮麗な響きと小品の静謐な調べの後、今度は下のステージに移りホルストの惑星だ。
管弦楽の組曲から木星をオルガン用に編曲したもので、多彩な色合いの音色に魅了された。
曲の最後のクライマックスでキラキラ!なんと中央の銀色の飾りが回っているではないか!
演奏者自ら解説があるのがいい。そのキーを再現して見せた。上から光が当り、鈴が鳴る!
東北大震災の復興のためのコンサート。45分間。500円。午後は子供向け、夜は大人向け。
今は教会に限らずオルガンは普及したが演奏は程遠い。これならもっと聴きたいと思った。
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音楽と芸術と感動
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[08月09日#1] フェルメールの絵の謎、33億円、ヒトラーの爆弾!
大好きなフェルメールの絵の謎を解く番組を観た。殆んど観光旅行だが大分物知りになった。
オランダはホイヘンスなど物理科学者を輩出した国と時代だから科学の謎と思ったが違った。
ヒットラーの宣伝かと思うほどだ。オーストリアに生まれ画家を目指すが挫折。政治家になる。
そしてフェルメールの「絵画芸術」に魅入られ戦利品で飾る美術館の建設という野望に燃える。
ザルツブルグの岩塩坑の中に隠しナチスに爆破される寸前に坑夫が爆弾を運び出して救う。
美術品に対するオーストリア人の誇りと一人の狂気の側近を巻き込んでの暴走の様が凄い。
第2話は街中でふと目に止まった絵が何と33億円で落札される話だ。誰一人本物と思わない。
しかし本物と直感する愛好家は諦めない。サザビーの一番の目利きとロンドン大学に依頼した。
その女性教授が凄い。化学的に高価なフェルメール・ブルーが使われていることを発見した。
そればかりではない。数少ないフェルメールの作品を所蔵する美術館に依頼して取り寄せた。
作品のエックス線写真だ。キャンバスの布地の織物が現れる。斜めに切れていてつながる!
まぎれもなくフェルメールの作品だ。しかし愛好家はその鑑定結果を知る前に他界していた。
ササビーのオークションの録画が残っている。33億円の値が付いて買い取られ非公開だ。
どんな絵か見たくてたまらなくなる。ラッキーなことにサザビーのカタログに残されていた。
思い出す。ある富豪が死んだらこの絵を棺おけに入れてくれと遺言した話だ。エゴイズムだ。
勿論寄贈すべきだ。見返りは当然だ。映画「タイタニック」にもある。エメラルドの指輪を流す。
美術品も工芸品も製作者の魂が籠っているから芸術品なのだ。それを灰燼に帰すのは罪だ。
人間の価値は芸術を理解することだ。さらに共有する広い心を持つべきで独り占めは我儘だ。
第3話は絵の修復だ。京都美術館に到着したフェルメールの「青衣の女」の修復の苦労話だ。
実は知り合いがスイスで修復の勉強中なので少しだが知識がある。けれどもこの青は別格。
日本で一番の女性修復家が綿棒を口で濡らしてカビを拭き取る様子は美しい。そして比較。
これほど変るものかという位印象が違って見える。当時、金と同じく高価な青で画面一杯だ。
私が最も好きなのは「青いターバンの真珠の耳飾りの少女」だ。いきいきとした輝きがある。
折りしもフェルメールの絵が数点豊田美術館で展示中だ。いくつかの都市に巡回の予定だ。
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[07月18日#2] 心暖まるヴィルトゥオーゾの弦楽アンサンブル
今日の午後のひととき、芸文コンサートホールに行く。大好きな我が師匠の出演のコンサートだ!
それもヴィルトゥオーゾを集めた弦楽アンサンブルを最前列で聴くのだ。こんな贅沢は他にない。
コンサートミストレルは大谷康子さんで、もう何度も弦楽四重奏ピアッチェーレでお馴染みでファン。
ヴィオラが師匠の百武由紀先生で今日もヴィオラのトップ。そうそうたるメンバーだ。チェロがいい。
苅田さんはいつも感銘を与えてくれる素晴らしいチェリストだ。最初の曲は独奏チェロの曲なのだ。
作曲家の三枝成彰氏が登場しプレトーク。先ず東北大震災の犠牲者のために全員規律して黙祷。
そして曲目解説。最初の曲が氏の作品。阪神大震災用に作曲した1000人のチェロのための曲だ。
苅田氏のボーイングとフィンガリングさらにヴィブラートをつぶさに眼前で見ながら聴く。頷ける曲。
続くバーバーのアダージョ。静謐な美しい響き。ヴィオラの2プルト目の群響のプラノさんが端正!
モーツァルトのディヴェルティメントを遊ぶように弾く。大谷さんと名フィルの日比さんがぴったり!
いや4プルトいる第1ヴァイオリンが一人で弾いているようだ。いや大谷さんがやや先行している。
合奏に加わっているような楽しさ。尤も全曲とも大友直人氏の棒なしの指揮による安心感がある。
そしてこの圧巻のヴィオラの布陣にぴったりのレスピーギ「リュートのための古代舞曲とアリア」だ。
これまで何度も弾いた曲だ。いつでも書きものの間に聞いている極だ。特に思い入れがある名曲。
そして休憩。震災チャリティ募金。再開後はチャイコフスキーの弦楽セレナーデ。立体感を楽しむ。
目まぐるしく全パートが掛け合いをする。きざみとスラーの微妙な色合い。弦バスがもっと欲しい!
大友氏の師事した小澤征爾がよく指導するから重なって聞こえる。ついこの間復帰後これを指揮。
いつ見ても聴いても大谷さんのヴァイオリンはすごい。決断力で全員を把握しニュアンスを伝える。
終わると平然と何事も無かったかのように余裕の笑顔を振りまく。そのくせ誰にも媚びない。いい。
アンコールにアイネクライネナハトムジークの第1楽章を軽妙に弾く。本当は指揮など要らない。
それが通じたのか拍手が多いのに手招きしてオーケストラを解散させてしまう。皆さん多忙だから。
芸文ホールはオルガンが正面に設置してある。欲を言えば、これを加えてアダージョなどと思った。
スタンフォードの礼拝堂を思い出してしまう。会衆の後方の2階からチャペル全体を音が包むのだ。
どれも耳慣れした名曲ばかりのためか名人芸がもっとあっても良かったのになどと思う。不謹慎?
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[07月03日#2] 後期ロマン派のはしごを楽しむ
昨日のサロンの余韻が消えないままブラームスをモーニングコーヒーと一緒に聴きなおす。 クラリネットの曲をヴィオラで弾く演奏は結構CDで出ている。どれも個性的で趣きが異なる。 けれども鼻にかかったむせび泣くような歌い方はヴィオラ特有のものだ。ピアニストも重要。
どうもブラームスは若い時よりも歳を取った今の方がその良さが分かるような気がする。 ヴィオラ以上にピアノが強烈に聞き手を揺さぶる。ヴィオラは荒々しさかニュアンスか迷う。 いやそうではない。掛け合いだ。音楽の対話だ。音を介したコミュニケーションが魅力だ!
などと自己弁護をしたり全楽章の構想をふっと練ったりしているともう10時になってしまう。 朝食の後シャワーでめかして出かける。並ぶのだ。1時間も前だが案の定、大分後ろだ。 そうか、マーラーの年で今日の6番も企画の一環だ。好きな第1番は数年前に弾いた。 出だしからユダヤ人らしいと言われる禁欲的メロディが襲って来る。最初はきれいだ。 きれいなのだが流れて行かずすぐに半音階で暗くさせられる。それを持続させて戻る。 なにしろ圧倒的な人員配置。楽器の多様さ、特に打楽器群が6番の見所だ。人が動く。 打楽器担当が消えるとステージの陰から変わった音が聞こえてくる。音が止むと戻る。 大きな杭を打つ木のハンマーが左、下手に置いてある。打つ台も特製だ。いつ使うか。 人が動くが第1ヴァイオリンは我が道を行く感じで弾く。そしてクライマックスだ。 ティンパニが2セット、管楽器がセクション毎にいつもの倍ずつはいて盛り上がる。 弦楽器特に第1ヴァイオリンがよく鳴って聞こえる。管楽器の大音響とは好対照だ。 大作だ。第4楽章だけで30分もある。メロディはあるが覚えられない。1番がいい! 兎に角すごい。熱演を楽しんだ。終了後、楽器を持たされ地下鉄で金山に直行する。 市民会館に着くと誰もいない。受付がいる。丁度今から始まるところに間に合った。 ブルックナーの5番が始まった。金管セッションが音がいい。こちらも又禁欲的だ。 それにフレーズが切れて突然フォルテで鳴らす。指揮を見ていれば予測が出来るが。 やはりブルックナーは4番が耳に沁み込んでいる。「ロマンティーク」という題だ。 ロンドン大学に出張した時にFMで流れてテープに録音し繰り返して何度も聴いた。 よく似ているところが多い。同じ作曲家だから当然だ。記憶も深い所で4番に行く。 聴き終わると上手いオケだと感じるがそこにカラヤン指揮のベルリンフィルが出る。 動画で観れたのだ。市民オケもこちらもアマオケだ。どうしても発音が不正確だ。 だから一瞬緊張が走る。そしてやっぱりと違いを感じる。BPOは音の会話なのだ。 ベルリンフィルと比べるのは酷だが好きな曲だから聴けばどうしても比較するのだ。 一日のうちに二つのオケでしかも大曲。それを駆け足で移動してはしごした経験だ。 |

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[07月02日#2] 昨夜のサロンコンサートは音楽の素晴らしさを満喫
昨夜は定例のサロン。杖を突いて楽器を背に出かけた。木曜に新しい弦に張り替えたばかり。
最上の弦だが伸びるし切れるし高いのが難点。けれども楽器の音が断然良いのでこれになる。
特にソロを弾くから尚更だ。今日は特別ゲストでブラームスを弾くのだ。弦の伸びが気懸り。
普段はピアノだけのサロンだからヴィオラが何とか興味を引く。所が何と弦が3人もいる!
これでは負けは明らか。だから最初に弾くことにした。音楽は闘争心がないと上達しない!
今回は練習を重ねたから大分自信がある。伴奏が有名なピアニストでも甘えは許されない。
有名な先生だからこそ甘えられない。2週間前に一度だけ手合わせをさせて頂いて以来だ。
今日の覚悟は伴奏を聴かないで弾く。代わりに伴奏を感じて弾くのだ。ややこしい表現だ。
聴いたら遅れる!これがフライング理論。全体を感じながらいい音で弾くことに集中する。
すごくいいワインだ。ボルドーとブルゴーニュ。家内が持たせたのが何とも心強い味方だ。
案の定、続いてショーソンの「詩曲」、次がすごい。小6でサンサーンスの協奏曲は難曲だ。
毎コン名古屋地区予選優勝だが頷ける。近い日に宗次ホールで弾くそうだ。聡明で可愛い。
そしてピアニストが多彩。小4がモーツァルト「幻想曲」、小5がバッハのフランス組曲。
素晴らしい。バッハが全身に血となって流れて行く。実際はワインだ。充分楽しめる音楽。
それからがまたすごいのだ。私の伴奏を含めてヴァイオリンの伴奏が皆水村さおりさんだ。
中部大学の先生。パリのコンセルバトワールで研鑽、数々の賞を取り先日コンサート開催。
どうやら水村さんの後援会長になったのだ。実に幅広いレパートリーだがショパンを演奏。
そしたら男性ピアニストだ。以前ご一緒した東京芸大大学院の菅野先生。東海高校出身だ。
リスト音楽院出身で8月末にリサイタル。彼はリストの超難曲をこともなげに弾きとおす。
その後の話で遅れて来たので私のヴィオラを聴きたいって。演奏の機会が再度巡って来た!
今度は普通の気持ちで楽しむことにした。ワインも回って気持ちも大らかになったのだね。
終わるとどこからか幸せそうって言う声が聞こえた。実際ブラームスの作品は幸せにする。
帰宅して寝て起きて考えた。昨夜の会は闘争本能を正しく活用している人たちの集まりだ!
平和ボケと連日書いて来た。平和だと緊張感が無くなって楽をして怠けるようになるのだ。
音楽の世界は違う。常に自己と闘い、神経を研ぎ澄まし技巧を磨きレパートリーを増やす。
こちらも脳の研究では全く同じだ。油断は忽ち命取りだ。また来月も挑戦するぞ。なんて。
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