WindowsXPからVistaへ移行する際、マイクロソフトは戦略を誤りました。
ハードウェアの能力向上を読み誤った結果とか、世間的にはいろいろ言われていますが、私の直感ではユーザーを金の生る木としか見ていなかったのではないかと思います。確かにデファクトスタンダードにはなりました。しかし、それでもすべての主導権をマイクロソフトが握っているわけではありません。
マイクロソフトはOSのバージョンを上げる度に、それを言い訳にいろいろなソフトをユーザーに買わせることを強要してきました。WindowsVistaがなぜ失敗だったかと言えば、WindowsXPで動いていた業務アプリのほとんどが動かず、業務アプリに多額の投資をしてきたユーザーはVistaに移行することができなかったためです。業務用アプリは5年やそこらで廃棄できるような代物ではないんですよね。
個人ユーザーでも状況は同じで、それまで使ってきた機器やソフトが使えないという事態に陥りました。
もちろん、Vista移行を大多数のユーザーがためらったのでVistaはあまり売れませんでした。だからマイクロソフトは慌ててXPと互換性のある7を投入し、ユーザーの移行をうながしました。そのおかげでユーザーの投資はかろうじて守られ、XPから7への移行はうまくいきました。
しかし、ユーザー無視の姿勢は改まったとは言い難い状況です。例えばOfficeのリボンインターフェースと呼ばれるメニューに、マイクロソフトの姿勢は透けて見えます。Officeのようなソフトの場合、実力はOfficeにどんな機能があるかを把握しているかで8割がた決まります。
それなのに、リボンインターフェースはその肝心の『機能』の位置が変わってしまいました。ユーザーがそれまで学んできた内容を、時間を投資してきたものを簡単に踏みにじったんです。
今度のWindows8、やはり同じ空気を感じます。タブレットに領域を侵食されることを防ごうとしているようですが、逆効果です。ユーザー無視、特に法人ユーザーを無視しすぎです。パソコンにはタブレットに真似できないものはあるはずで、それを捨てて本丸ごとタブレットの二番煎じに移行しても、WindowsPhoneの二の舞です。
ひしひしと感じる大企業病。あんなマーケティングを重視しているのに、ホントの需要を見誤る。
新しいことをやるのが偉いんじゃない。見た目を変えることだけがイノベーションじゃない。
それでいいんですか?
|