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最後に、どうすればグループリーグを突破できるかについて考えてみます。
走行距離(運動量)で負けないW杯では、FIFAの公式サイトで走行距離(Distance)のデータが公開されます。前回の南アフリカ大会でもそうでした。
南アフリカ大会の各チームの走行距離と支配率を分析すると面白いデータが見つかりました。 「走行距離も支配率も相手より下回った」チームの成績は3勝10分16敗(ちなみに、アジアカップでこの条件に該当したチームは2勝3分11敗)で、ほとんど勝てていません(逆に言えば、「走行距離も支配率も相手より上回った」チームは16勝10分3敗)。 これを大陸別に見てみると、さらに興味深い事実が浮かび上がってきます。
上の表は、「走行距離が相手より上回った」割合が低い順に、各大陸に属するチームの平均値を並べています。1試合平均の走行距離も少ないですが、アフリカが「走行距離が相手より上回った」割合が最も低くなっています。明らかに低いですね。一方で、アジアは「走行距離が相手より上回った」割合が最も高くなっています。これは、アジアのチームは実力で劣るために支配率が低く(45%)、その分走らざるを得ないわけです(逆に、支配できるチームは、その分走らなくて済みます)。「支配率も走行距離も相手より上回った」試合数を見ると、アジアの数値は激減します。アフリカにいたっては1試合だけです。
ちなみに、南アフリカの日本代表は、4試合すべてで支配率45%以下。GLの3試合はいずれも走行距離で相手を上回っています。「走行距離も支配率も相手より下回った」チームは勝てないわけですから、運動量で相手を上回ったことが、前回大会でGL突破に繋がった1つの要因だったと思っています。 GL3試合での合計走行距離は、全32チーム中、日本は2位でした(1位はオーストラリア)。ポゼッションしている時の走行距離はワースト3位で、ポゼッションしていない時の走行距離は3位(北朝鮮、オーストラリアに次ぐ)。守備時に頑張って走ったということです。この守備での消耗は攻撃に響いたはずです。ポゼッション時の走行距離がどれだけ増えて、ポゼッションしていない時の走行距離がどれだけ減ったのかを見れば、日本代表のこの4年間での進歩がわかると思います。
表からわかるように アフリカ勢の弱点は、運動量(走行距離)が少ないことです。名門クラブでプレーする選手が多く、かつ、あれだけの身体能力を持つのに、アフリカ勢がW杯ではあまり活躍できないのは、運動量の少なさが原因だと思っています(運動量が少ないことは中東勢にも共通しています。1年中、四六時中暑いことが原因でしょうか。参照:アジアカップ2011−各国スタッツ分析・中東勢低迷の理由)。南アフリカ大会では、「走行距離が相手より下回った」アフリカ勢は1勝5分10敗でした。さらに、「走行距離も支配率も相手より下回った」場合は1勝2分6敗でした。 今大会では、アフリカ勢としてカメルーンがすでに試合をしています。メキシコに0-1と敗れましたが、支配率・走行距離ともに下回っていました。ここまでの4試合でこの条件に該当したのは、カメルーンだけです(走行距離は全8チーム中ワースト)。 日本は運動量の多いチームです。コートジボワール相手に支配率で上回れるかどうかはわかりませんが、コンディションの良い初戦ということもあり、運動量では上回れるでしょう。そうなれば、先ほどの「1勝5分10敗」というデータが心強くなってきます。支配率でも上回れば、勝利の可能性はぐんと高まるでしょう。コートジボワール戦だけでなく、「運動量で負けない」ことが非常に重要です。
【まとめ】 |
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