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■得点■
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■失点■
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 最近多忙で更新できませんでした。とりあえず最新の得失点パターンです。
 最後に、どうすればグループリーグを突破できるかについて考えてみます。

 

走行距離(運動量)で負けない

  W杯では、FIFAの公式サイトで走行距離(Distance)のデータが公開されます。前回の南アフリカ大会でもそうでした。

 

 南アフリカ大会の各チームの走行距離と支配率を分析すると面白いデータが見つかりました。

 「走行距離も支配率も相手より下回った」チームの成績は31016敗(ちなみに、アジアカップでこの条件に該当したチームは2311敗)で、ほとんど勝てていません(逆に言えば、「走行距離も支配率も相手より上回った」チームは16103敗)。

 これを大陸別に見てみると、さらに興味深い事実が浮かび上がってきます。

 

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 上の表は、「走行距離が相手より上回った」割合が低い順に、各大陸に属するチームの平均値を並べています。1試合平均の走行距離も少ないですが、アフリカが「走行距離が相手より上回った」割合が最も低くなっています。明らかに低いですね。一方で、アジアは「走行距離が相手より上回った」割合が最も高くなっています。これは、アジアのチームは実力で劣るために支配率が低く(45%)、その分走らざるを得ないわけです(逆に、支配できるチームは、その分走らなくて済みます)。「支配率も走行距離も相手より上回った」試合数を見ると、アジアの数値は激減します。アフリカにいたっては1試合だけです。

 

 ちなみに、南アフリカの日本代表は、4試合すべてで支配率45%以下。GL3試合はいずれも走行距離で相手を上回っています。「走行距離も支配率も相手より下回った」チームは勝てないわけですから、運動量で相手を上回ったことが、前回大会でGL突破に繋がった1つの要因だったと思っています。

 GL3試合での合計走行距離は、全32チーム中、日本は2位でした(1位はオーストラリア)。ポゼッションしている時の走行距離はワースト3位で、ポゼッションしていない時の走行距離は3位(北朝鮮、オーストラリアに次ぐ)。守備時に頑張って走ったということです。この守備での消耗は攻撃に響いたはずです。ポゼッション時の走行距離がどれだけ増えて、ポゼッションしていない時の走行距離がどれだけ減ったのかを見れば、日本代表のこの4年間での進歩がわかると思います。

 

 表からわかるように アフリカ勢の弱点は、運動量(走行距離)が少ないことです。名門クラブでプレーする選手が多く、かつ、あれだけの身体能力を持つのに、アフリカ勢がW杯ではあまり活躍できないのは、運動量の少なさが原因だと思っています(運動量が少ないことは中東勢にも共通しています。1年中、四六時中暑いことが原因でしょうか。参照:アジアカップ2011−各国スタッツ分析・中東勢低迷の理由)。南アフリカ大会では、「走行距離が相手より下回った」アフリカ勢は1勝510でした。さらに、「走行距離も支配率も相手より下回った」場合は126敗でした。

 今大会では、アフリカ勢としてカメルーンがすでに試合をしています。メキシコに0-1と敗れましたが、支配率・走行距離ともに下回っていました。ここまでの4試合でこの条件に該当したのは、カメルーンだけです(走行距離は全8チーム中ワースト)。

 日本は運動量の多いチームです。コートジボワール相手に支配率で上回れるかどうかはわかりませんが、コンディションの良い初戦ということもあり、運動量では上回れるでしょう。そうなれば、先ほどの「1510敗」というデータが心強くなってきます。支配率でも上回れば、勝利の可能性はぐんと高まるでしょう。コートジボワール戦だけでなく、「運動量で負けない」ことが非常に重要です。

 

【まとめ】
以下の3つの条件が満たされれば、勝ち点3を取る可能性が高くなり、グループリーグ突破に繋がると考えます。

1.先制する(ザックジャパンが先制した試合は24勝2分1敗!)。または、少なくとも前半20分までの早い時間帯に先制点を許さない。そのためには、最初の20分は慎重に戦い、前線からもプレスをしっかりとかける。
 
2.運動量(走行距離)で上回る(南アフリカ大会では、走行距離も支配率も下回ったチームは、3勝10分16敗)。
 
3.セットプレー(特にCK)、カウンター、ミスによる失点をしない。

点を取りに行くための選手交代・戦術が確立されていない以上、残り15分を切ってビハインドの場合は、厳しいと思います。
FIFAのサイトでリアルタイムに支配率や走行距離のデータが出るようなので、この2つ(特に走行距離)に注目して試合を見たいと思います。 

ブラジルW杯−不安材料

 次に、今の日本代表の不安材料を挙げてみます。 

先制された場合

 強豪国との対戦成績の分析で、強豪国との対戦ここ12試合中11試合で先制されているというデータを示しました。

 

ザックジャパンの全試合で先制された試合は21試合あり、成績は5610です。どんなチームでも先制された試合は成績が悪いですが、問題は早い時間帯に失点しているということです。

 

【前半20分までに先制された試合】

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当該21試合中、前半20分までに先制された試合は9試合あります(直近では、ザンビア、ベルギー、オランダ、コンフェデのブラジル戦など)。成績こそ333敗と悪くないですが、8試合で「2失点以上」しています。ここ最近の強豪国との対戦でも前半30分までに先に点を奪われる試合が多いことから、慎重に試合に入るべきです。そういう意味では、遠藤ベンチスタートで後半から投入という方法は有効かもしれません。少なくとも前半20分ぐらいまでは、前線からもしっかりプレスをかけ、前掛かりにならないようにすべきでしょう。

 

【先制した試合】

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 一方で、先制した試合は2421敗で、平均失点は0.56(「2失点以上」3/27試合)。先制した試合の相手の大半は強豪国ではないので、あまり強気にはなれませんが、先制すれば少なくとも勝ち点1を取る可能性は高いと言えるでしょう。

高さ

 CKで点が取れない、かつCKの失点が多いということは何度も指摘しました。これは「高さ」で劣勢なことが原因でしょう。

 ザックジャパンでは、弱点である高さを徹底的に狙われたという経験がほとんどありません。アジアでは、オーストラリアが背の高い選手が多いチームですが、アジアカップこそ空中戦で苦戦したものの、W杯最終予選では、相手はそれほど高さを狙ってはきませんでした(参照:ブラジルW杯最終予選−対オーストラリア・空中戦への不安 ブラジルW杯最終予選−オーストラリア戦・自陣空中戦の結果)。

 ギリシャがもし日本の弱点を徹底的に狙ってきた場合に不安が残ります。

選手交代・攻撃のオプション

 ザックジャパンのもう1つの不安な点は、選手交代で流れを変えたことが少ない(監督が選手交代があまり上手くない)、攻撃のオプションがほとんどないことです。これは1年以上前の分析でも指摘していますので(ブラジルW杯最終予選−ザックジャパンの課題2)、それ以来何も改善していないということになります。

 

 リードされていて、どうしても点を取りに行きたい時の形が確立されていないわけです。ザックジャパンで点を取りに行きたい時に取ってきた方法といえば、以下の6つが代表的な方法だったのではないでしょうか。

 

1.清武(中村憲)の投入 ⇒ 清武投入は当初(W杯予選が始まった頃)は有効でしたが、最近では重用されていません(直近の強化試合2試合でも出番なし)。所属クラブでもイマイチです。中村憲は選ばれていません。

2.ハーフナーの投入 ⇒ 上手くいった試しがほとんどありません。ハーフナーを投入しても、クロスを入れたりロングボールを蹴ったりすることがほとんどなく、結果として役に立たないことが多かったです。ハーフナー投入が効果的でないことを監督は気付いていないのではないかと思っていましたが、「ザック監督『空中戦文化ない』と長身外し」の記事にあるように、レギュラー陣がパワープレーを好んでいないことはしっかり気付いていたようですね。ハーフナーも豊田も外したのは、迷いをなくす・覚悟を決めるという意味では評価できるかもしれません。ただ、日本がリードしている状況で、終盤相手がパワープレーを仕掛けてきた場合に、セットプレーの守備を兼ねて投入するという役割があっても良かったのではないかと思います。

3.3−4−3への変更 ⇒ 3−4−3とホーム・オーストラリア戦展望で分析したように、点を取りに行くための3−4−3は上手くいったことがありません。そもそも3−4−3にすると、シュート数が減ってしまい逆効果でした。3-4-3諦めたザッケローニ監督という記事にあるように、3−4−3はさすがにあきらめたようですね。

4.本田を1トップに ⇒ 何度かやったことがありますが、効果的だったとは言えません。

5.斎藤の投入 ⇒ まだ5試合のみの出場。途中出場で点に絡んだことはありません。

6.長友を一列前に上げる ⇒ これはアジアカップ決勝などで成功しています。ただ、あまりやったことがないですね。
この6つの方法の中で、W杯で実際に使われる可能性が高いのは、「清武の投入」、「長友を一列前に上げる」、「斎藤の投入」だけでしょう。

 

 最終メンバーの顔ぶれを踏まえると、どうしても点を取りに行きたい時に取り得る方法としては、以下に絞られると思います。

1.清武の投入
2.斎藤の投入
3.長友を一列上げる
4.1トップを交代する(大迫→柿谷 柿谷→大迫)
5.大久保の投入
 大久保はザンビア戦で決勝点を挙げましたが、ザックジャパンでは出場時間が少なすぎます。この5つとも確立された方法、自信を持って使える方法とは言えません。

 

 そもそも、選手交代や戦術で、追いついたり、逆転したりという経験が少ないと思います。直近の試合では、オランダ・ベルギー・コスタリカ・ザンビア戦で先制されていますが、ザンビア戦以外は比較的早い段階で追いついています(オランダ戦:後半15分に同点、ベルギー戦:前半37分に同点、コスタリカ戦:後半15分に同点、ザンビア戦:後半29分に同点)。つまり、監督の選手交代や戦術により追いついたわけではなく、レギュラー陣が頑張って追いついてくれた、というだけです。これらの試合はいずれも親善試合だったので、4人以上交代できたわけですから、選手交代で悩むことは基本的にありません。3人までしか交代できない条件で、残り10分、15分で点を取りに行かなければならないという局面での確立された方法・成功体験がほとんどないわけです。

 また、監督自身が選手交代が上手でない思わせることも少なくなかったと思います。コンフェデのイタリア戦は相手が明らかに疲弊していたにもかかわらず、投入した攻撃的な選手はスピードのある乾ではなく、ハーフナーでした。

 さらに、フォーメーションは4321しかありません。343は使い物にならないだけでなく、2トップ・3トップという選択肢もありません。フォーメーション固定でスタメンもほぼ固定。対戦相手からすれば、日本は非常に研究しやすいでチームしょう。

 次に、W杯に出てくるような強豪国とはどの程度戦えていたのかを分析します。

 

「強豪国」の定義は、以下の通りです(あくまでも私の勝手な定義です)。

1.対戦当時のFIFAランク50位以上(ただし、メンバーがほぼ2軍だったり、モチベーションが低い場合を除く)。

2FIFAランク50位未満だが、それなりのレベルの相手(ザンビアなど)や、公式戦におけるアウェイ戦の相手(ウズベキスタンなど)。

 

【強豪国との対戦成績】 

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【岡田ジャパンとの比較】
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【得失点パターン】
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 ザックジャパンでは全部で22試合あります。興味深いのは、2013年より前の対戦では、ブラジル戦を除き守れてはいましたが、「2得点以上」は1試合しかなく、それなりの相手になると攻撃が通用していなかったことがわかります。ところが、2013年に入ってからは、失点が増えましたが(強い相手と対戦することが多かったので仕方ない面も)、強豪相手にも点が取れるようになってきました。

 

<攻撃>

 

 岡田ジャパンの時の強豪国との対戦成績と比べると、得点力が大幅に上がっています。岡田ジャパンでは17試合中「2得点以上」は2試合しかなく、攻撃は通用していませんでしたが、ザックジャパンでは22試合中「2得点以上」は7試合もあります。

 

 得点パターンでは、「流れからの得点」が非常に多いです。以前の代表とは比べものになりません。強豪国相手でも攻撃は通用すると言えます。一方で、セットプレーとクロスの得点の少なさが目立ちます。クロスの得点の少なさについては、意図的なのか無意識なのかはわかりませんが、中央を崩そうとする傾向が強いことが原因の1つと考えられます。ザックジャパンの4年間を通してセットプレーとミドルシュートの得点が少ないことを考えると、「中央からの崩し」を研究された時に苦しくなるかもしれません。

 

<守備>

 

 岡田ジャパンよりは強い相手とやっているので、失点が多いのは仕方ない面があります。ただ、「流れからの失点」を見ると、ほとんど差がありません。前回も指摘しましたが、問題はやはりセットプレーの守備でしょう(特にCK)。

 

 もう1つ気になる点は、先制されることが多いことです。強豪国との対戦ここ12試合中(欧州でのブラジル戦以降)11試合で先制されています(右端の※)。そのうち8試合がおおむね前半30分までに失点しています(※の右の数字)。

 当該11試合の先制点の内訳は、以下の通り。

クロス 4
ミドルシュート 2
セットプレー 2
ミス 2
カウンター 1
 クロスによる失点はしかたないとしても、その他の7点については防ぎようがあったのではないかと思います。

直近のベルキー、コスタリカ、ザンビア戦は逆転できましたが、それ以外の先制された試合では勝ちがありません。そう頻繁に逆転できるはずもないので、あっさり失点しないよう慎重に試合に入る必要があると言えます。

 
【まとめ】
強豪国相手にも攻撃は通じるが、セットプレーの得点が少ないのが問題。中央を固められると苦しいか。
強豪国相手に完封する確率は低い。崩されての失点は多くないが、セットプレーには不安。早い時間帯に先制点を許すことが多いため、慎重に試合に入る必要がある。

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