Gospellers Treasure

Gospellersがきっかけで出会うTreasure...

永遠に by novels

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

「はい、もしもし? うん、ミーティング終わったから… もうちょっとしたら、事務所出るよ…」

「なーんだ、待ち合わせの相手がいたんだ…」
「って、これは今日の相手だろ…?」
「また、遊びに行くのかよ、相変わらずだな…」
「それじゃぁ、断るなぁ、俺等の依頼…」
「…」

その時、送りに難色を見せる北山の携帯もとに一本の電話が入った…

電話先からは女性らしい声がするらしい…
3人は、どうやら、その女性を乗せるために北山が車で来たのだと事を読み、本人を
聞こえるように冷ややかな声をかけたけれど、それを携帯片手に聞いていた本人は…

「ねぇ、つかぬ事聞いていい? 俺達の間でさぁ…」

その時、北山は、一向にわざと聞こえるように、電話先の相手にその問いを尋ねた…
そしてその問いが電話の相手の答えを明らかにさせたんだよね…

「うん、もし、俺達の間で… もう1人兄弟がいたら、どうする? 
そっ、俺ら2人プラスで3人兄弟だったらさ…」
「…??? !!!」
「悪いけど、問題として、ちょっと考えといてよ… いや、俺が聞かれた質問なんだけど、適した
答えが思いつかないんで…まぁ、面倒くさいってのもあるんだけどね、うん、そんな急がなくても
良いよ、じゃぁ、また後でね… はいはい…」

”俺達”と称したのが兄弟のくくりである事に気が付いたこの一向は、
北山の先にいた、電話の相手が誰なのかここで気が付いたらしい…

北山もそう言葉にする事で、この一向に電話の相手が誰なのかを理解させようとしたんだろうね…
そうして、電話を終えると、本人がキッ!と3人をたしなめようとした…

一方…

「あ、いたいた… 由美ちゃーん、こっちこっち…」
「安岡さーん...」
「久しぶり〜、いやぁ、今日は楽しみにしてたよ…」
「はい、私もです…」

そして、間もなく俺は、彼女と待ち合わせの場所で顔を合わせた…

電話先から聞こえてくる彼女の声…

この彼女こそが、リーダーと一緒に今夜の試合を観戦しなかった
理由でもある当事者・片桐 祐美ちゃん…

そして黒ぽんの彼女と知られてる相手でもあるんだ…

『お仕事、お疲れ様です…』
「ありがとうー。でも、今日はミーティングだけだから、そう仕事していたワケじゃないんだけどね…」
『黒沢さんは?』 
「なんだか世間話してるよ、北山が相手役になってね…」
『そうなんですか…』
「あ、待ってて、続きはそっちで話すから...」
『はーい…』

嬉しそうな声を出す由美ちゃんに、俺は何とも言えない思いがこみ上げる…
とりあえず、ここは由美ちゃんといったん電話を終えた…

一方、残った4人がいる事務所は、その頃リーダー達に出されたある指示に、
北山が1人大ゴネして騒ぎだし始めた辺りだったんだ…

本人はミーティング後、何か用事があるらしく、確かに車で来ていた…
そうだとすると、他のメンバーがこういう事言い出す事なんてわかっていそうなものだけどね…

「えー、そんな、そこの居酒屋の傍の駅まで送れって、ウチと逆方向じゃん!」
「そんな、今日は車で来てるんだろ?」
「だからって、送っていかなきゃいけない義務もないじゃない…」
「だけど、対した距離でもねぇだろ、そん位…」
「だったら、自分たちで移動しなよ、俺を頼らないで…」

俺が事務所を出たその後、後から黒ぽんと北山がいた部屋になだれ込んだ
リーダー・酒井両氏が車で北山に送るよう指示出していたみたいだね…

頼まれた本人は、自分達を送るのが当たり前って、言い方の本人に、当然難色を見せていたんだ…

TRRRR...

「安岡は、もう帰るの?」
「うん… だから、”お先に”って声かけるのにね…」
「おやおや、珍しく礼儀がいいじゃない…」
「んもう、”珍しく”だけ余計だよー…」
「ほら、人を敬う事は大切じゃない…」
「んもう、まーたそんな事言ってー。」
「いや、北山だって、それは人の事言えないね…」
「黒ぽん…」
「…そうでしょうか?」
「うーわっ、疑ってるし…」
「いやぁ、安岡は北山より、俺を大人と敬ってるよー。ねー、安岡?」
「ま、まぁねぇ…」
「そうだよー。」
「あぁ、さいですか…」

そう言って、黒ぽんは屈託のない笑顔を俺に見せるけれど、
俺はそういう屈託のない笑顔を見せてもらっていいのかな…

まだ、その答えは出ないんだよね…

「おい、安岡、言い忘れてた、明後日11時からだから…」
「11時? 了解…」
「まぁ、色々詰めないとだしなぁ…」

その時、リーダーがその隣の部屋から、やってきて、その言い忘れた予定を伝えに来た…
それにつられてか、酒井さんも一緒にやってきて、俺達はまたこの部屋に5人集まった…

そうすると、なんだかんだでやかましい俺達…
それも、音楽の話ではなく、黒ぽんと北山の話に首突っ込むんだもん…

「そんで、そっちの回答は出たのか?」
「いやぁ、こういう質問に回答なんてないじゃん…」
「まぁ、そうだけどー…」
「ただ、考えてみれば同性兄弟って面白いよね… 同じ父親と母親から生まれた同性が2人以上いるわけで…」
「ウチなんかそれが3人だよ…」
「ウチも姉ちゃん1人入るけど、まぁ、男は2人だ…」
「まぁ、俺も兄弟は同性じゃねぇからな…」

こういう話はもうちょっと首を突っ込むと、面白そうだけどね…
人を待たせてる身である事を知られたくない俺は、ちょっとこの話に加わらないほうがいいかもね…

「じゃぁね、俺先に行くよ、お先…」
「はいはい、お疲れ様…」
「そうか、じゃぁお疲れ…」
「おぅ、明後日遅れんなよ…」
「じゃぁーねー、安岡ー。」
「…じゃぁねっ。」

俺は、そのこのまま続きそうな会話をちょこっと遮って、そう声をかけて4人に手を振って、
彼等より、先にもともと黒ぽんと北山がいたその部屋を後にした…


「ふー…」

俺はその扉を開けると、ちょっと、疲労にも罪悪感にも近い感情が胸に過った…

”安岡は北山より、俺を大人と敬ってるよー。ねー、安岡?”

最近の俺はそういう投げかけに、なかなか屈託なく答えられにくくなってるなぁ…
全部を全部を裏切ったワケじゃないけれど。ただ、その先に待っているのは…

TRRRR…

その時だった…
俺の携帯が鳴り出したんだけど、だけどもう着信相手を見なくても
わかる彼女からの電話に、俺は気持ちを切り替え、対応した…

「はいはい…」
『もしもし、安岡さん?』 
「えー、どちら様?」
『片桐ですよ…」
「由美ちゃーん… あ、勿論わかってたよ?」
『安岡さーん…』
                                
                    
俺は電話の相手、由美ちゃんからの電話に、さっきの黒ぽんが俺に声を
かけてくれた時の笑顔が、罪悪感の意識の狭間に過ってくる…

俺に電話をくれた由美ちゃん…
本来、この彼女の知られている姿は、黒ぽんの公認の彼女だから…

「想像つきませんよ、自分が3人兄弟だった場合なんて…」
「だから、その兄弟がもう1人いた場合の話だもん… 逆に俺等みたいに2人兄弟でかつ、
上の子って立場な人間に聞いてみたいんだって…」
「なるほどねぇ…」

その問を尋ねられた相手は、珍しく?常識の範囲で答えを探している…

何かと、常識を超えた考えをぶっとばすから、周囲を振り回す事も
多々ある人だけど、今回はシンプルに回答しているみたい…

「どっちか言ったら、妹が2人ってのも良かったかも… 彼女にも俺以外に慕う事が
出来る姉妹がいたら、良かったかもしれないしね…」
「妹2人かぁ…」
「ホント、彼女は、俺の身の回りの事何かと一生懸命やってくれてるけど…、
もしそういう姉妹がいたら、今の妹の負担は減ったのかもしれないし…」
「そっかぁ…」
「って、俺がしっかりすりゃぁいいだけの話なんだけどね…」
「そりゃぁ、そうだよぉ…」

ちょっと低めの声で、そんな問の回答を思いつくがままに口にする、この男は北山 陽一…

ゴスペラーズでは主にベースボーカルを担う本人は年度の早生まれで、年度はまたぐもの、
俺と誕生日は半年しか違わないという事もあり、俺とは年下組とコンビ扱いされる事が多いんだ…

ただ、本人の作曲には、俺が詩を書く事が多いし、
そういう音楽的な意味でもコンビ組む事が多い相手かな?

来月に発売されるシングルも作曲が北山、作詩が俺と、今回もコンビを組んでいる…
そして、このシングルがリリースされる頃…

「? あー、安岡…」

そして。

「なんか、話が盛りあがってるみたいじゃない…」
「盛りあがってるって言うか、聞かれた問いを答えてるだけだよ…」
「まぁねぇー。」

この問を北山に投げかけた、北山と同じく、妹さんがいる
2人兄弟の長男って立場のこの相手は黒ぽんこと、黒沢 薫…

無類のカレー好きで知られて、ゴスペラーズではリードボーカルを
担う事が1番多いこの人は、ちょっと小柄で、俺とはよく背丈が小さい同士で、
TV番組の収録とかでは、よく前列に2人で座る事がある…

そういうのもあって、俺の事を本当にいたわってくれてるし、
勿論、俺だって、そういう優しさを決して忘れない相手なんだけど…

だけど、今は…

永遠に 〜 by novels vol.1

それはある初夏の土曜日の事…

この週末は日曜までオフなんだけど、俺達5人はミーティングと
いう事で、事務所に集まって細々と色々な話を詰めていた…

その午前中から始めたミーティングが一通り終わり、その後、俺は午後の予定が各自どうなっているか、
実は自分と同じ大学の先輩になるメンバー2人の3人でわいのわいの言っていた…

「何? 2人して行かねぇの? あの試合?」
「いやぁ、俺は安岡があの試合観戦行くなら、一緒に行くつもり
だったんだけど、コイツ予定があるって言うからな…」
「あー、そうなの…」
「悪いね、リーダー、ちょっと先約があるしさ…」
「まぁ、まだ予選リーグだし、そこまで急いで行かなくても、勝ちぬけ出来るだろうけどな…」
「そうだよ、次の試合は一緒に行こうよ、その時は予定開けておくからさ…」
「あぁ、そうだな…」

俺の誘い次第で、動くつもりでいたこの人物は、俺ら5人をまとめる、
要の中心人物、ゴスペラーズのリーダー、村上てつや。
音楽的に方向的にも、トータル的にこの人なくしては、ゴスペラーズは締まらない…

そんなリーダーは、俺と同じくサッカー好きな人…

今日の夜に行われる、サッカー日本代表の試合の国際試合も、ミーティングは
午前中で夜は予定がないと言う事もあって、この試合を観戦するべく、
俺に誘い声をかけてくれたリーダーと一緒に行こうかと思ったもの、その後
予定が変わったから、「用事がある」と言って、パスさせてもらった…

確かに、俺だって、夜はリーダーと一緒に観戦するって、それが本来の予定でも良かったんだ…

あの”彼女の誘い”って秘密話がなければ…

「好きだなぁ、相変わらず… 2人してサッカー話になると…」
「まぁ、似たようなもんだろ、おまえと北山のPC話と…」
「ははは、そうとも言うけどな…」
「確かにねー。」
「あ、そーだ… なぁ?」
「?」

この人はリーダーと俺のサッカー話を真中で、いつもの事だとあっさり聞き流している…
そして、同時に何かを思いついたようで、リーダーに向って、1枚の用紙を見せた…

「じゃぁ、ここに付きあうってのはどうよ? 一緒に来るか?」
「なんだこのチラシ? 居酒屋のか…? 新規オープンしたばかりそうだけど…」
「あぁ、友達が出店してな…」
「へぇ…」
「やり手だからなー、こいつ… それも今回のトコだって2号店っていうし…」
「へぇ… じゃぁ、そうすっか…」
「いいなぁ、俺も行きたーい。」
「おいおい…」
「なんだよ、おまえが試合観戦に行かないって言うから、そういう話になってんだろ…」
「まぁ、そうだけどぉ…」

俺はリーダーに”その事”を知られないように、そんな事言って、振舞っている…
そんな風に秘密を悟られないようにしている事を、果たして貴方はどう思うかな…

でも、幸いにも、リーダーもこの人もそれに気づいていないようで…

「結構、こいつの店なら、期待できるかもな… それも、こっちの店は、カクテルとか重視らしいし…」
「ほー…」
「まぁ、そんなのもあって、果物とか素材にこだわってるてんでな、
そんなワケでここ店の梨をだ、うちの実家から出荷してんのよ…」
「そうなんだー…」
「へぇー、そういうのもあんのか…」

なんとなく、夜を含めたこれからの時間を持て余すリーダーに、
チラシを見せてその居酒屋へと誘うこの人は酒井雄二…

ご実家は愛知県の梨農園で、自分では否定するけど、他称はラブマシーンと呼ばれる事もある、
本人はうちのメンバーではキャラクター的にも、音楽的にも切り込み隊長的ポジションにいる立場にあるかな?

ただ、これからのその横恋慕という波を切りこむのはこの人ではなく、俺なんだけど…

「あ、そういえば黒ぽんと北山は…」
「隣も隣で物好きな事言ってる… あいつらはあいつらで…」
「黒沢と俺の同級生がな、黒沢に兄弟構成に関する、野暮な質問投げかけたんだよ、
それで、同じ兄弟構成のアイツに相談してるみたいだな…」
「ちゃんと応えるのかなー、あの人…」
「まぁ、質問が質問だけに、さほど常識を超えた事は言わねぇだろ…」
「そうだといいけどなぁ…」



「ふーん… そういう質問ねぇ…」
「ねぇ、北山はどう思う?」
「そうだねぇ… ただ、ケースは色々あるんじゃない? 例えば今の兄弟の下に
末っ子としている場合と、今の兄弟の間に真中の子としている場合と…」
「そっかぁ、そこまでは考えてなかったなぁ…」

確かに、隣の部屋ではリーダーの言うとおり、何やら、
残りの2人が兄弟構成に関するその話をしている…

さっそく、俺はその部屋を覗いてみた…

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


.
ぷろしー
ぷろしー
女性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事