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わたしにとって大きな試練であった失恋の翌日、この日がわたしの運命の日でもあった。
2月12日の朝、わたしは当時、自分の朝の日課で読んでいた矢内原忠雄の「嘉信」の文章、詩編108
編の短い講解に大きな励ましを受けた。当時、わたしは小さなちゃぶ台の前に正座して聖書を読み祈るこ
とにしていた。正座して、主の臨在の前に心を沈めて、読んだ。そこにはこう書いてあった。
「わが心定まれり、わが心定まれり、
われ、歌いかつ、ほめたたえん。
筝よ、琴よ、醒むべし、
我、しののめをよみ覚まさん」という聖書箇所。
「友よ、いつまで、迷うのか? 心を定めて、自分を主に捧げよ!」という意味の矢内原先生の奨
励を読み、その場で崩れるようにして、
「主よ!今こそ、今こそ、あなたにすべてをお捧げ致します!」と言って、献身の決意をした。
これが、わたしの献身生涯の出発であった。後で、自分は失恋の痛手の中で献身の決意をした、いわば
「毒をくらわば、皿まで」という心境だったと告白した。憧れのかの人が、他の人に嫁いで行くなんて、
もう、こんな人生、何の未練もない。わたしはもう、主に献身して、すべてこの世を忘れる!と言う思い
だった。苦しい中での歩みであったが、しかし、また、別の面から見れば、すべてがすっきりしたような
気持ちでもあった。
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