もう、新年も20日になります。
新年のあいさつ代わりに、「断食聖会」でした、説教を載せます。長いですが、どうぞ、よろしくお願いします!
《断食聖会説教》 「 輝かしい勝利者と変容される」 2016.01.12
ロマ8:34―39 ヒュペルニコメンの一年を! 深谷牧師
あけましておめでとうございます。
一年のはじめに、このように「断食聖会」で、熱い祈りをもって一年を始めうるのは素晴しいことです。今年はわたしは「輝かしい勝利を」という聖句が導かれております。
「しかし、これらすべてのことにおいて、わたしたちは、わたしたちを愛してくださる方によって輝かしい勝利を収めています。 (37節)」
新しく迎えた2016年を勝利で満たしてゆきましょう。
【テキストの位置と概略】
ロマ書の第一の主題は「個人の魂の救い」です。これが1〜8章の主題です。概略的に言えば個人の魂の救いは2つに分けられています。
1〜5章が「十字架の贖いの業」「信仰義認。が主題です。
6〜8章が「聖化」「内なる古き人の解決」です。
8章は「聖霊による勝利お生涯」が主題です。8章の特徴は「聖霊という言葉が急に増加することです。1〜7章では「聖霊」「霊」という語が5回しか出てきませんでしたが、8章では20回以上使用されます。松木治三郎は8章を「聖霊による救い」頭読んでいます。全体は以下のようになります。
1−11節 罪と死の法から解放されて
12−17節 自由な神のこの霊に生きるようになる
18−30節 今は苦難と約束の時であり、将来の栄光を待望している
31−39節 神の愛による救いを得たキリスト者の勝利の賛歌
8章は、神の愛による勝利のクライマックスです。そこでパウロは十字架の救いを語り、聖霊による勝利の凱歌をあげるのです。ハレルヤ
【メッセージのポイント】
1)37 しかし、これらすべてのことにおいて、わたしたちは、わたしたちを愛してくださる方によって輝かしい勝利を収めています。 (37節)
⇒ 輝かしい勝利! 十字架と聖霊の満たしによる超勝利!
ここでパウロは輝かしい勝利の宣言をしています。
「輝かしい勝利」と訳された言葉は、ヒュペルニコーメン(uJpernikw'men)という言葉です。新約聖書ではここでしか語られておりません。ニコーメンが「勝利する」で、ヒュペルは「超」と言うような意味で使用される言葉です。ですから、ここから多くの訳が出ています。例えば、「超勝利者となる」(西平訳)「輝やかしい勝利」(新共同訳)「勝利者以上」(モファット訳・松木)、「勝ち得てあまりがある」(口語訳)、「勝ち得て余りあり」(文語訳)、「圧倒的な勝利者」(新改訳)、「ゆうゆうと勝つ」(尾山訳)などと訳されます。英語でも、「we are more than conquerors(勝利者以上)」(NKJV)、「we have complete victory(完全な勝利者)」(TEV)と言うような訳です。
このような「圧倒的な勝利者」になるのは、「わたしたちを愛してくださる方による」とパウロは言います。これは、まさにわたしたちの罪のために十字架にかかり罪を滅ぼし、復活して死を滅ぼされた主イエスと父なる神の愛によるのです。パウロの頭の中には、この8章で、「個人の救い」の項目の内容を閉じるに当り、3章21節以降の救いの内容全体が駆け巡っているように思います。
そう考えるならば、「神の愛」の内容は、即ち、「十字架の贖罪」、「聖霊の内住」と言って良いと思います。これがロマ3:25とロマ8:2の内容です。さらに加えるとしたら「永遠の命」、「肉体の復活」、「万物の復興」、「神の最善の摂理の御手」、「神の予定」、「再臨のキリストと共なる栄光」等々の神の恩寵が語られてきました。
「しかし、これらすべてのことにおいて」とありますが、これは35,36節で語られていた、この世の七つの艱難、「艱難か、苦悩か、迫害か、飢えか、裸か、危難か、剣か!」(口語訳)を指しています。当時のクリスチャンの直面していた迫害と試練の状況です。しかし、どんな厳しい状況が起こっても、キリストの愛からわたしたちを引き離すものはない!と宣言されています。われらを支える「キリストの愛」が、更に強調されています。
この一年、神の最善への信頼による、ヒュペルニコメンの歩みを!!
小田島嘉久先生の説教集「主の用なり」という本に感動しました。小田島先生は東北大学の学生時代に救いを体験された方で、救いのきっかけになられたのは、詩人の土井晩翠氏の書生をしていた時に、お嬢様の土井照子さんが27歳の若さで天に召された時でした。彼女は最後にテニソンの「砂州を越えて」を父親に読んでもらい、皆さんに挨拶をして、従容として永遠の眠りにつかれました。同じ結核を患い、死を何よりも恐れていた小田島青年は深い感動をもってそれらを見ておりました。そして、仙台青葉荘教会で昭和8年、植松英雄牧師より受洗。東北大学法文学部、哲学科で学び、卒業後は、東大大学院等で学びを深め、渡辺善太先生との出会いを経験して、日本女子神学校や青山学院女子短期大学でキリスト教倫理学を長い間教えた方で、また下石神井教会の牧師もしておられました。ロマ8章の説教「聖霊による勝利の生活」の終りに興味深いことが書いてありました。
「小野派一刀流の極意は何か?笹森順造先生(元青山学院長)によれば、『勝兵はまず勝って、後、戦いを求め、敗兵はまず戦って、勝ちを求めて敗れる』と言う。これは信仰の戦いの消息を良く示しており、また勝利への極意でもある。勝兵とは勝ち戦さと言っても良い。それはすでに買っているから、戦って必ず勝つ。反対に負け戦さとは、まず戦っていて勝とう勝とうと焦って、結局敗れる。わたしたちはまず戦うのではない。まず信仰、祈りである。常に常勝の主イエスを仰ぎ、御言葉をもって立ち、主と共に戦い、勝利を与えられるのである。」
この解説はまさに、ヒュペルニコメンの信仰内容と思いました。
2)38 わたしは確信しています。死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、39 高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も、(38,39節)
⇒ パウロの確信 1 どんなサタンの攻撃も撃破する、超勝利の福音!
ここで、パウロは「個人の救い」の項目を終えるに当り、「わたしは確信している!」と確信の宣言をします。しかもそれは文頭にあって、特に強調されています。この世のサタンの敵対勢力が2つづつ挙げられています。
「死も生も」:「死」が初めに挙げられたのは、36節の引用「殺される羊」の言葉からであろうと思われます。クリスチャンも死ぬわけですが、この場合の「死」は、半ば神話的な人格、デーモン的な力として、見られています。しかし、パウロは「生きるはキリスト死ぬるも益なり」と語ります。
「天使も支配者も」:ここでの「天使」は神に忠実に仕える天使ではなく、異教的な占星術で使用されるような天的な存在を指し、人間の中に自分の支配領域を求める存在として言及されているようです。支配者は天使的な、魔物的な力を持っているものと考えられていたようです。
「現在のものも将来のものも」:これは現在と未来を規定する黙示的な力を意味するようです(1コリ3:22参照)。
「高いものも深いものも」:当時のヘレニズム一帯で信じられていた占星術の用語で、天上界と地上界を支配していると考えられた霊的存在。
「その他どんな被造物も」:以上、挙げた種々の天使的、魔物的存在以外の天的な存在を指していると言われます。
3)わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです。(39節)
⇒ パウロの確信2 キリストイエスに示された神の愛こそ超勝利!
自然、歴史、人間とを支配する運命的な諸霊も、天上地下を支配する天使、魔物的存在も束になって襲っても破ることのできない力があります。それは神の力です。そしてその神の力は愛の力なのです。それは、主イエスキリストの十字架の罪の贖いと聖霊の満たしに現れる、罪の赦しと永遠の命という神の愛であり、わたしどもを救う神の恵みなのです。ハレルヤ!
昨年、2015年も様々なことがありました。国際的にはフランスの連続テロ事件、国内では安保関連法案の成立、鬼怒川の決壊などがあり、心を痛めました。また、大村さんや梶田さんのノーベル賞の受賞も明るいニュースだったと思います。先日、京都の息子の所に帰る時に、一緒に行った娘に、運転しながら、「1916年には何があった?」と聞きました。「え?何で急に1916年なの?」。「いや、2016年の元旦の説教を考えているから、100年前に何があったか聞きたいと思ってね。」そしたら娘はスマホを駆使して、1916年の出来事を読んでくれました。倉田百三の「出家とその弟子」が刊行された年だそうです。100年前も世界は激動の時でした。この間、内村鑑三に関する書物を読んで多くのことを考えました。
1912(明治45)年、52歳、1月12日の早朝 にルツ子の死
1914(大正3)年、54歳、7月28日 第一次世界大戦勃発
1916(大正5)年、56歳、ベルから送られた日曜学校時報誌のCGトランブルの「再臨は実際的問題ならざるか」を読み、大いなる示唆を得る。
1917(大正6)年、57歳、アメリカ参戦。内村は失望し再臨信仰に希望。10月31日、宗教改革四百年記念会(東京基督教青年会館)は大成功!
1918(大正7)年、58歳、1月6日「聖書の預言的研究演説会」は大盛況。ここから中田重治、木村清松と組んで、有名な再臨運動が展開される。
2016年のこの一年。何があるかはわかりません。しかし、魂の内側に救いの喜びを満たしていただき、超勝利(ヒュペルニコメン)の一年!ハレルヤ
【祈り】天の父よ。2016年の断食聖会を感謝します。年の劈頭に、神の愛、十字架の贖いと聖霊なる神の導きの中で圧倒的な勝利者になる事を学びました。この一年、ヒュペルニコーメンの輝かしき勝利者とならしてください。恵みと喜びと愛で満たして下さい。主の御名によって祈ります。アーメン。