|
「地域包括ケアシステム」、一般の方々にとっては、聞きなれない言葉だと思います。しかし、福祉関係者にとっては、国が進める「これからの福祉の姿」を描き出している「考え方」として重要なものなのです。いま、日本の福祉は、この考え方に沿って動き始めています。
さて、この「地域包括ケアシステム」という考え方はいつから公の場に出てきたのかと言いますと、それは、広島県の公立みつぎ総合病院を中心とした地域医療福祉への取り組みに対して名付けられたのが始まりといわれています。昭和50年のことですから、もう、40年近く前になります。高齢者が退院した後、再入院を防ごうと、看護師や医師が、退院した高齢者の自宅を訪問して、治療や看護をするといったことに取組みだしたのですが、そこに、町が参画して、組織を改革し、保健医療福祉の統合化を果たしました。
この取り組みが、行政まで取り込んで「一体的」「包括的」に地域医療を結び付けたということで「地域包括ケアシステム」と命名されたのです。
介護においては、厚生労働省が平成15年に行われた、介護保険制度の見直し辺りからこの言葉が広がってきたと感じます。介護保険は、施行当時から「走りながら考える。」とされていましたので、この年の改正において「2015年の高齢者介護」という、ある意味、未来の姿を考えた報告書が出されました。この考え方の中で「地域包括ケアシステムの構築」が目指されるようになったのです。
高齢者介護の考え方が「地域包括ケアシステム」に移行したのは、団塊の世代が、2015年(平成27年)に高齢期に達するということが大きな理由でした。平成12年に始まった介護保険のサービスの内容と、その利用のされ方が変化してきて、早急に対応しないと、平成27年には、保険料が高騰するのと同時に、サービスが十分に機能しないのではないかという恐れがあったのだと思います。
この中で語られている地域包括ケアシステムの必要性は、「介護保険の介護サービスやケアマネジメントのみでは、高齢者の生活すべてを支えきれるものではない。介護以外の問題にも対処しながら、介護サービスを提供するには、保健・福祉・医療の専門職やボランティアなど地域の様々な資源を統合した包括的なケア(地域包括ケア)が提供されることが必要。」だと言っています。それまで「介護の社会化」を目指して、全人的な介護を目指して来た介護保険が、介護保険だけでは、十分に目的を果たすことはできないと結論付けたわけです。その流れの中で「自立支援」という言葉が強調され、それまでの「自立」という概念が変わっていきます。「自立」とは、医療の世界で言う「治癒」とは違って、元通りに、元気になるということではありません。リハビリテーションの意味は、元通りになるという意味ですが、平成18年度改正では、この「元通りになる」ということが「自立」と同義語だと勘違いしてしまうような改正だったと思います。私は、介護における「自立」とは、「人の手や制度の援助を受けながらでも、自分らしい生き方を貫けること。」だと思っています。
国の示した地域包括ケアシステムは、平成22年に発表された「地域包括ケア研究会報告書」の中に表れています。特に、「2025年の地域包括ケアシステムの姿」の中にその姿が見えます。
この中で目指している姿は、「地域住民は、概ね30分以内(日常生活圏域)に生活上の安全・安心・健康を確保するための多様なサービスを、24時間365日を通じて利用しながら、病院等に依存せずに、住み慣れた地域での生活を継続することが可能となっている。」ということです。
これが、地域包括ケアシステムの根幹の考え方になってきています。この姿に向かって様々な事柄が検討され、変革を遂げ始めています。
次回からは、この姿の中身について考えていきたいと思います。
豊川市介護保険関係事業者連絡協議会会長 平田 節雄
有限会社 ウェルネス 事務長
|
全体表示
[ リスト ]




これ、シェアしたいな〜と思ったのですが
個人名が、でてて〜💦
すこやか日和
また、楽しみにしてます〜(=゚ω゚)ノ💕
2016/5/13(金) 午前 10:24 [ しゅう ]