心理学的快楽主義者による膨大な情報と雌伏の日々に対する考察

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「宇宙兄弟」

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<あらすじ>
宇宙が大好きな兄、南波六太(小栗旬)と弟・日々人(岡田将生)は、大人になったら宇宙飛行士になることを誓い合う。それから19年、約束通りに宇宙飛行士となったヒビトは、月面ミッション・クルーに日本人として初めて選ばれ、世界中の注目を集めていた。一方、上司に頭突きを食らわして自動車会社をクビになり、再就職もままならないムッタ。ちょうどそこに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から宇宙飛行士選抜試験の書類選考合格の通知が。それはヒビトが兄に内緒で応募したものだった。ヒビトのおかげで失いかけていた夢への情熱を取り戻したムッタは、優秀なライバルがひしめく過酷な選抜試験へと立ち向かっていくが・・・。

小山宙哉の大人気コミックスを小栗旬と岡田将生主演で実写映画化した夢と絆の感動ドラマ。
監督は「ひゃくはち」の森義隆。

本作は人気コミックス原作ということで、映画だけではなくSCRAPとのコラボでリアル脱出ゲームというイベントにもなっているのですが、自分は、このイベントに参加するために、原作コミックを読破した状態での本作鑑賞となりました。

映画の方は、ムッタがJAXAの宇宙飛行士選抜試験に奮闘する部分と、ヒビトが月面探査の途中で消息を絶ってしまうエピソードがメインになってます。原作だと1巻〜9巻あたりですね。

ムッタ奮闘編では、最初の面接やその後の試験の過程で、風変わりながらも実は繊細で細かいところに注意が向くというキャラクターが発揮されていて、その部分にJAXAの星加が気づいて・・・っていう展開があるんですが、映画ではあまり描かれていません。
最初の面接時のイスのネジのしかけも、ムッタだけではなくせりかやケンジも気がつくのですが、そのへんもなんとなくスルーされています。

原作ではその後の2次試験の部分なんかもかなり面白いのですが、そのあたりもあまり描かれていません。
例えば試験会場への移動の段階でムッタの気づきがいろいろあるのですが、その移動自体がないことになっていますし、選抜メンバーも予算の都合か、最初の面接でかなり絞られた状態になっています。
2次試験では、閉鎖空間でさまざまな課題をクリアすることが課せられるのですが、原作ではここは一種のミステリー的な要素もあるのに、映画ではそのへんをざっくりとカットしてしまっています。

JAXAが閉鎖空間でのトラブルを想定して、わざとトラブルのもとになるような指令を秘密裏に出すグリーンカードというものがあって、問題は誰がその司令を受けて実行したのかがわからない部分にあるのですが、映画ではあっさりとネタバレします。

まあ、このあたりは映画的な見栄えをとって、ムッタの試験よりもヒビトの宇宙での活動をとったのは、致し方ないのかもしれません。
ただ、問題はメインに据えたはずのヒビトの方も、実にざっくりと描かれてしまっている点です。

ヒビトは探査活動の途中で、パートナーとともにクレーターの穴のようになっているところに落ちてしまい、パートナーは負傷、自分の宇宙服も損傷して体温調節機能が故障してしまいます。
原作では、宇宙飛行士の掟として、パートナーが事故にあった場合、無理して救出するのではなく、まず自分が生き残るという緊急避難的な行動をとることが重要と言われているのですが、映画ではこれもないため、ヒビトの行動がヒビトの性格から来ている部分だということもあまり伝わりません。
そもそもこの事故自体、原作と微妙に設定が違う(原作ではパートナーの宇宙服が損傷し、それをなんとかするためにヒビトが活躍する)ため、キャラクターが活かしきれていないとも言えます。

そして、最たるものは、まあ、がっつりネタバレになるので、ちょっとスペース空けますね。



↓↓↓

そして、原作との違いとして最たるものは、ヒビトの救出作戦です。ヒビトが救援信号を発した場所にNASAが救援を出そうとするのですが、ヒビトは性格上、絶対にそこでじっとしていない、と進言するのは、ムッタです。
さらに、その救出作戦を考えるのは日本人宇宙飛行士としてヒビトの先輩ながら、月面活動ではヒビトに先を越されてしまう吾妻のアイディアです。さらにさらに、その救出されるきっかけとなったのは、ヒビトの憧れの宇宙飛行士だったブライアンということで、ヒビトは後に、3人の宇宙飛行士によって救われたということを会見で話します。

ところが、映画では、吾妻は登場しないし、ブライアンのエピソードもないばかりか、ムッタはただ試験会場から空に向かって叫ぶだけで実質何もしません!
では、なぜヒビトは助かったのか?
それ、描かれていません!!!
ヒビトもムッタと同様に月面で吠えるのですが、その後、もう無事に帰ってきたことになっています。

↑↑↑



このラストの端折り間はちょっと酷かったですね。
え、終わり?みたいな空気が劇場を支配していました。

とまあちょっと残念な感じになっていましたが、主演の2人をはじめ、原作の空気感はそのままに映画にできたことは一つの収穫かもしれません。
もともとエピソード的には2時間で収めるのは到底ムリな内容でしたしね。

映画で雰囲気味わって、原作を読むってのが正しいかも知れません。
原作未見の方はゼヒ!

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