劇場法

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祝「劇場法」誕生!

ついに、「劇場法」が成立した
ケンさんは、とても喜んでいる。
 
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以下は、今朝の「朝日新聞」(6月22日)の記事。
 
「劇場法が成立 事業活性化へ国・自治体が環境整備
全国の劇場や音楽堂(ホール)の活性化には、国や自治体に責任があることを明記した「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」が21日、衆 院で可決、成立した。同法は、超党派の議員立法で提出されていた。
劇場や音楽堂はこれまで、美術館や博物館のような根拠法がなく、施設が本来期待される役割を発揮していないと指摘されてきた。今回成立した 法律では、劇場や音楽堂は、演劇や音楽などの実演芸術にかかわる事業や、実演家ら人材の養成などを行うものとし、国や自治体が財政面などで必要な環境整備をするよう促 している。
今後は、文化庁が中心になり、舞台芸術の専門家の配置や劇場の管理運営の仕方について、指針をつくり、法律を具体化させる。」
 
文化庁HPに掲載された「劇場・音楽堂等の活性化に関する法律について」の条文。
http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/hourei/ongaku_houritsu.html
 
カギは、第16条と、それを盾に取った人事・助成金の配分でしょう。
一見、抽象的な条文がこれによって肉付けされ、文科省&文化庁のリードが可能になります。
 
もう一つ見逃せないのは、先週から、やはり文科省HPに掲載された文科省のスペシャルサイト、平田オリザ監修の「演劇メーカー」です。
http://resemom.jp/article/2012/05/31/7950.html

「演劇メーカー」
http://engeki.mext.go.jp/
 
つまり、平田オリザの演劇手法が文科省公認のものとなり、「劇場法」と相まって全国津々浦々に浸透して行くことになるということ。
 
どうも、政治家の皆さんも、官僚も、新聞記者も、演劇評論家も、演劇の人材養成をとても気楽に考えているようです。
日本での演劇教育がいまだ「発育不全」のままで、まともな演劇教育のできる人材も教育機関もなきに等しいことをご存じない。
 
ご存じないから平田頼みとなる。
劇場法を礼賛する。
これがとんでもジョーカーとは思っていないようだ。
 
しかし、こんなこといくら言っても無駄でしょう。
本当の演劇教育がどんなものか知らない人にものを言うほど空しいものはありません。
 
おそらく、これからどんどん一知半解の「教師」が全国に派遣されることになるでしょう。
つまり、スタンダードな演劇教育の実際がどんなものかを知らない「専門家」たちが。
 
これによって、日本は、プロ仕様ではない、アマ仕様のお気軽な演劇人をどどーんと拡大再生産することになります。
そして、悪貨は良貨を駆逐する……
 
ほとんど、原発再稼動と同じです。
この国の演劇に未来はないといっていいのかもしれません。
 
カーツ!
これが劇場法(法案)。
やっと実態が見えてきた!
 
 
平田イズムがちゃんと生かされてますね。
これが通れば文化庁も予算を大幅に増やせるし、嬉しいでしょう。
 
「ケンさんも嬉しいでしょう」
というと、
「そうねえ、こんなものもっと早く作れたし公表できたでしょう。それをいまごろに!」
ご機嫌斜め。
 
「まあ、これで日本の現代劇はますます繁栄するな」
「素晴らしいですね」
「うん、素晴らしい。底なしによくなること必定だね」
「え、底なし?」
「ま、いろいろあるけど、もうどうでもいいよ」
「なんで」
「まあ見ててご覧、これからお手盛り次第でどうにでもなる予算の分捕り合戦と、粗悪な俳優養成が始まるから」
「まさかあ」
「君、金の力がすべてだということを知らないの」
「でも、それは」
と言いかけて振り向くと、ケンさんは劇場法を丸めてくずかごにポイ!
マグカップに珈琲を入れ、好きなモーツアルトに耳を傾けていた。
 
ナム。
 
 
 
 
 
 
 
 
演劇人はノー天気だ。
しかも、骨の髄まで日本人だ。
 
ということは、「喉元過ぎれば」で「貴方任せの無責任人種」ということ。
小さな利益に惑わされ、後で「ぎゃあっ!」というのが定番だ。
 
「劇場法」がいよいよ登場というニュースが「朝日」(4月30日)で流れた。
これを読んで、
「あ、たいしたことないんだ」
と思った人が多かった。
 
その反応を見てケンさんは、
「馬鹿か」
と思った。
 
一見中身のない「劇場法」の恐ろしさを誰も知らないのだ。
実態がないと見るのは間違い。
 
かえって何でもできる典型的な法案だ。
なぜか?
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抽象的な法文を盾に取り、拡大解釈を織り交ぜて「省令」で好き勝手できるからだ。
なにせ敵の参謀は「元通産官僚」、そこにぬかりナシなのである。
 
抜け道たっぷり!
「活性化方針を国が創るべきだ」(朝日)とは、そのことだ。
 
先日の日本芸術文化振興会の「プログラムディレクター」公募の「頭隠して尻隠さず」の茶番劇もそうだが、最早この国の文化行政に「抜本的改革」など望むべくもない。
 
ナム!
「毎日新聞」の地方版にこんな記事が出ている。
 
「文化プロデューサー:市民に公募・養成 今夏から 講座――大田市教委/島根

コンサートや演劇、展覧会など文化事業の企画、演出などを幅広く担うプロデューサーを市民の間から育成しようと、大田市教委は今年度から「文化プロデューサー養成事業」をスタートさせた。全国から本職のプロデューサーを講師に招き、養成講座(10回程度) を今夏から開催する予定。
市民会館(大田市大田町)の耐震補強工事が完了し、来年度にリニューアルオープンするのを機会に、市民の文化・芸術活動を中心になって作り上げるリーダーを育てるのが狙い。「文化はまちの力推進事業」(今年度当初予算1190万円)に新たな項目を設ける。
受講者は一般から公募する。県内外の文化施設や団体で実際にプロデューサーとして活躍している講師陣が、企画力や資金源の開拓、効果的な宣伝方法などを指導する。」
 
相変わらず新聞の報道は大本営発表の垂れ流しだ。
こうした動きが、厚生労働省の雇用促進策である
や、いま準備中の「劇場法」と連動していることについてはまったく触れていない。
また、こんな安易な制度で「文化プロデューサー」を安易に養成できると考えること自体、問題なのに、それへの言及もない。
 
10回の講習でできあがる「専門家」!
いかにも日本的な人材即席ラーメン仕立てだ。
 
先の日本芸術文化振興基金の演劇部門のプログラムオフィサー募集も、「芸文基金の助成プログラム」もさることながら、「設置が予定されているアーツカウンシルづくり」にかかわることは歴然としている。
文化における二重行政の開始と劇場の格差づくりも着々と進行している。
 
それが分かっていながら、お金さえ入れば恥じも外聞もなく行政にスリよる日本の芸術文化人体質!
 
本質的なことには目をつむり、どうでもいいことにちょっとだけ注文をつけて「抵抗しました」と言い訳する芸術文化界の行政マンたち!
まったく懲りない面々の世界としかいいようがない。
 
原発再稼動もそうだが、日本人というのはじつは目先のことしか考えない人種なのかもしれない。
最近、つくづくそう思う。
現世利益のためには未来をも食い物にする、ということだ。
 
ナム!
 
 
桑谷    永井さんね、新国の中ホールではやっぱり芝居はできないでしょうか。小ホー
ルばかりではなく中ホールでも芝居をしてほしいんですが。
永井    中ホールは1000いってないでしょ。あれいくつですか?
村井    1038席ですね。しかし、中ホールは無理に使わない方がいいんじゃない。
永井    多分劇場のつくりっていうか、消防法があるから、日本の劇場って一番後ろの席の人が舞台から何メートル離れているかは、あまり考えて作られてないと思う。
村井    それを一番考えているのは、実は四季の劇場なのよ。
永井    アメリカでガスリー・シアターという劇場に行ったんですけど、客席が800もあるのに、800席に見えない。一番後ろの席でも舞台から遠くなり過ぎないように、客席が面白い形に設計してあるんです。それ、大事な事でしょ。客席を縦長にするっていうのが一番やりにくい。時間差が生じて。
村井    サンシャインとかですか? セゾンとか。
永井    それから、舞台が妙な高さになっていると、最前列の観客は役者の足下が見えなくなる。演劇の魅力って、私たちの努力を超えて劇場に左右されると思います。
      確かにそういう劇場多いと思うんですよ。ただ現実に私たちがどういう風に作っているかというと、そういうスペースにお客さんを何人はいれるように作ってくれませんかって、プロデューサーから依頼が来る訳ですね。
永井    動かせるわけ? 可動式。
      そういう依頼の元で作るわけで。それは、幾ら大きいとこでも、400の席でいいですって、言われたら私だってそういう風に作りますよ。そういう事なんですよ。だから大きい劇場だからできない、ってこっちゃないんですよ。
永井    動かせればね。
      あくまでもお客さんの数が、一体どの位なのか、っていう事で、こっちは考え
ますから。
永井    それが出来ない劇場ありますよ。演技空間を前に出せないんだもん。
      ただ、作れるよね。
永井    でも、明かりが当たんない。
      それはね、芝居によって違うわけ。
永井    地方に行くと、舞台づらから黒い布を敷いて、演技エリアから外すことがよくある。舞台の前面に明かりが当たらないようになっているところが多いから。
      その場合にどこに仮設するなどいろんな事がありえる訳ね。一概に、大きいから駄目、ペケだっていうにはですね、いろんな条件がそこには入って来る訳ですよ。
永井    客席数がね。
      客席数っていう大きな問題があります。それをもとに私たちはやってます。ですから、いくら大きいところでも例えば、じゃあ1000人入るとこに300人入るでいいですよっていう時もある訳ですよ。その時はこっちでそれを考えればいいんです。そういう風にして、一応、舞台空間は作っているつもりなんです。勿論遠くて見えない、とんでもない劇場一杯ありますけども、ただそれはね、できないノーの判断は、大きいとこだからだけでペケだっていう風にはならないんですよ。色んな使い方出来るんです。
永井   確かに大きい劇場に、うんと大きい舞台を作って、客席が300でいいなら、それはすごく面白いと思いますよ。
      ものによって違いますから、色んな選択肢はあるってことよ、やっぱり。
村井    永井さんの場合は旅バージョンができないとね。
永井    旅は仕込みの時間も限られ、バラシの時間も限られ、客席については、主催が会館だったり鑑賞会だったりするから、私たちの自由にはならない。主催者側は儲けなきゃいけないわけだから、こういう条件ででやって下さいって。地方で自主公演する力がない限り、自分サイドで大きな舞台を作って、客席を少なくするっていう事はできないんですよ。
村井    そろそろ時間が、30分以上オーバーしてますんで。最後にひとつだけ、誰かもうひとかた。聞きたい事あったら。なんかございますか。
なければ結論は別にありませんけども、つまりこういう状況の中で、どうやっていくのか、今日参加した皆さんも、我々もそれから劇場も、演劇環境がどうあればいいのか。引き続き考えていかなければいけないかなと思います。
今日来て下さった、パネラーの永井さん、桑谷さん、川口さん、麻生さんどう
もありがとうございました。(拍手)
      また宣伝にはなりますが、非常に役者がうまくなれる劇場でまだ演劇フェステイバル続きますんで、是非ともこちらの方も上手い演技が見られると思いますので、お願いします。どうもありがとうございました。(拍手)
追記:
シンポジウムが終わって、しばらく時間をおいてこの記録を読むと、そもそも「劇場法」って本当に必要なの? という気がしないでもない。重点支援されている「創造劇場」候補は、「劇場法」がなくとも、すでに独自に作品を作り展開しているところだ。アーツ・カウンシルにしても、現在の仕組みを改良し、説明責任できるようにすればいいし、事業助成にしても、経理を明快にし、団体助成も行なえるようにすればいいだろう。そしてそれは可能なことだ。コミュニケーション教育にしても、実力不明の演劇人がわざわざ各地の学校を回るよりも、現在の文科省の教員養成課程にちゃんとした講座をつくり、教員自身がそれを直接学べるようにするのが筋だ。とすれば、残るのはセーフティー・ネットのみとなる。しかしこれも、関連する法律や条例を手直し、調整すればあらかたカバーできるのではないか。そう考えると「劇場法」って何のための何なのさ? という気がしないでもない。幽霊の正体見たり枯れ尾花、でなければいいのだが。(村井)
 

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