鳥籠。

ここはもうじき閉鎖される、とある見習い小説家の小説置き場です。

戯言シリーズ パロデイ

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ある夜のこと、路地裏を二人で歩いていたときだった。
 
「そーいえば、お前が 零崎 だったらどんな名前だろうな?」
 
と、唐突に人識は言った。
 
「わたしの名前は 架 」
 
「・・・カケル、か。じゃ、駆織 だな!」
 
「カケオリ?」
 
「そ、駆織」
 
人識が何気なくそう呼ぶと、駆織は少し照れたように笑った。
 
「・・・うれしい。人識にそう言われるとすごくうれしくなる」
 
何でだろうね、とつぶやいた少女は夜空を見上げた。
 
きらきらと輝く満天の星空。
 
今夜も穏やかに終わっていくはずだった。
 
だった、けれど。
 
「―動くな!!」
 
突然照らされた二人。
 
どぎつい人工色の光が目に刺さる・・・!
 
「木本 架!逮捕状が出ている。一緒に来てもらおうか」
 
「・・・!!」
 
人識は慌てて隣を見たが、そこに少女の姿はない。
 
「―がぁ!!」
 
パトカーのヘッドライトの向こうで誰かが声と血飛沫を上げて倒れた
 
・・・音がした。
 
「―か!!」
 
「―ぐぅ!!」
 
「―かは!」
 
「―がふッ!」
 
ばたばたばたばた、と死体が重なっていく
 
・・・音がする。
 
「あいつ、全部一人で片付けるつもりか!」
 
ムリだ、と人識は思っただろう。
 
数十人いるごつい装備の警察を、15,6歳の女子が全て殺しにかかる。
 
普通は無理であろう。
 
しかし、この場合
 
少女の殺しは可能だ。
 
警察どもが少女のことを 凶悪な殺人鬼 と意識しているのなら。
 
少女に対してなにかしらの認識があれば。
 
この殺しは成立する。
 
それは、少女が
 
殺人鬼であり
 
零崎 駆織 であるから・・・!!
 
好きでも嫌いでも愛しても憎んでもいないから殺せる。
 
好きでも嫌いでも愛しても憎んでもいないなら殺せる。
 
それが 零崎 駆織 のスキル―
 
     デバイトマセカ
―”拒絶反応”
 
「・・・」
 
「―あぅ!」
 
音もなく近づいてゆく殺人鬼。
 
敵を駆逐せん、と次々手にかけてゆく。
 
「大丈夫だったかい?」
 
と、人識に駆け寄ってきた警察官が、
 
「さぁ、一緒にこっちへ・・・げほッ!」
 
死ぬ。
 
「あーぁ、めんどくせ。何で俺はこうもお人よしって言うかなんというか・・・」
 
いまいち俺らしくねぇんだよな、と言いつつも、
 
その体は妹のいる戦場へと走り出し、薙ぎ倒し、踏み潰し、引き千切り、切り裂いて―
 
「よ、まいしすたー。おにーさんですよぉー」
 
―駆織のもとへと駆け下りる。
 
「共同戦線はろうぜ」
 
「・・・うん!」
 
その笑顔を見たとき、人識は心から思った。
 
(やっぱり俺はどうでもいいモンの為にこうやって死にに行くんだな)
 
我ながら笑えて仕方がなかったが、そうなのだからしょうがない。
 
決して穏やかでない夜が幕を開ける―
 
 
 
 
「片付いた・・・」
 
時間がかかったものの、これしきの数は平気らしい。
 
全て殺した。
 
全て死体になった。
 
「ごめん人識」
 
その暗い顔に、いつかのアイスを思い出した。
 
いつもになくほのぼのとして充実していた毎日がよみがえる。
 
「いーよ、別に。兄貴に見せる前にお前が死んだら意味ねーし、な?」
 
こいつとあの変態兄貴を会わせたら、どんな反応するかな。
 
きっと喜ぶだろうな。
 
ま、俺はその隙に逃げよう。
 
兄貴につかまるとやっかいだ。
 
それはいいとして、まず逃げなくっちゃな・・・。
 
「おい、駆織。とりあえずこの場から離れたほうがいい。」
 
逃げんぞ、と手を引っ張った。
 
しかし何故だ?
 
やけに重い。
 
なにかを引き摺っているような重さ。
 
「おい、駆織・・・!?」
 
目をやるとそこには一つの死体があった。
 
先ほどまで笑っていた少女の死体が、人識の手につながっていた。
 
「ちょ、おい!」
 
背中には穴があいていて、血がとぽとぽと流れ出ていた。
 
ちょうど心臓の真後ろにぽっかりあいた穴が、死んでいると知らせる。
 
少女の背後に煙が出ている銃口をみつけた。
 
それを握っている者はすでに息絶えていて瞳孔が開いていた。
 
最後の力を振り絞って・・・というやつだ。
 
きっと、何も考えずただ心臓を狙って撃った。
 
・・・それだけ、だろう。
 
それだけで人間と言う生命は殺せる。
 
仕方がない。
     .   .  .  .  . 
そう、仕方がない。
 
実際目の前で少女は死んだのだから。
 
零崎 駆織 は短い一生を終えさせられたのだ。
 
分かりきっているし、わりきっている。
 
そのはずなのに―!!
 
「・・・悲しい、か」
 
そこには穏やかな死があった。
 
 

 
と、いうわけで「特別。」でした。
 
どうだったでしょうか・・・?
 
すばらしい原作様のおかげで、なんとなくできあがりましたが・・。
 
・・・へんなところなどアドバイスをいただけたら、と思います。
 
さて、こんな感じでこれからもやっていこうと思っていますので、
 
ひまなときにでもぜひまたいらっしゃってください!
 
蒼霜 ことり でした。
 
  
  戯言遣いと別れたマンションから五、六分ほど歩いたところに、零崎 人識はいた。
 
   閑静な住宅地。人々は寝静まっている。
 
  「さぁて、どーしよっかなぁ・・・」
 
  殺人鬼は人を殺すのをやめたりしない。
 
  今日も、人の中にあるであろう 『心』 を探している。
 
  ぶらぶらと夜中の町を歩き続けて十分あまり、やっと人影を見つけた。
 
  タンクトップ、ショートパンツ、サンダル・・・。
 
  家でくつろぐときのような装いで、その少女は街灯の下に立っていた。
 
  「・・・あれでいいか」
              .  .  .  .  .  .  . 
  (別に、かぶってなきゃ誰でもいいんだ)
 
  距離が段々と近づいていくにつれ、彼女の様子がおかしいことに気づく。
                 .  .  .  .  .
  (何だ、これ。なんか・・・らしくない)
 
   正確には、彼女がおかしいのではない。
 
  正確に言うならば、あたりの空気がおかしいのだ。
 
  鼻を突く 鉄錆のにおい。生きている人間がいない雰囲気。
 
  そして、少女に近づく殺人鬼 零崎 人識。
 
  鉄錆のにおいが濃くなっていくのを感じる。
 
  五メートル、四メートル、三メートル、二メートル―
 
  ― 一メートル。
 
  鉄錆―血液のにおいは、やはり 少女が放っているものだった。
 
  (しかし、おかしい・・・。こいつから、全く殺気が感じられねぇ)
 
     充満するにおいに比例しているとは全く思えない殺気のなさ。
 
  人が人を殺すときには 殺気 が感じられるものだ。
 
  ・・・ない。
  
  ・・・ない!!
 
  少女をよく観察しても、おかしいところは見当たらない。
 
  いたって普通。
 
  それが逆に恐ろしい。
 
  「・・・あなたは何故そこに立っているんですか?」
 
  少女が人識に聞く。
 
  意味がよくわからない。
 
  ゆえに、
 
  「・・・は?」
 
  としか返せなかった。
              .  .  .  .  .  
  「・・・何故、そこで生きているんですか?」 
 
   さらに意味がわからない。
 
  生きていてはいけないのか・・・?
 
  殺せない、と少女がつぶやいた。
 
  そして、
 
  半ば 発狂 するように、
 
  叫ぶ・・・!!
 
  「おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいお   かしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい・・・」
 
  「!?」
 
  「おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい!!」
 
  「ちょ・・・!?」
    .  .  .  . 
  「殺せない!!何で!? 何でなの!? あたしはこの人のことなんて何も意識してないのに!!
  好きでも嫌いでも愛しても憎んでもいないのに!!」
 
  人間失格すら対応できないほど、絶叫する少女。
 
  「・・・あの?」
 
  「そうか・・・。そうか!お兄さんは特別なんだ!!分かった、分かったよ!」
 
  「は?」
 
  呆気に取られている隙に、少女が人識の手を取った。
 
  「お兄さん、あたし、あなたについていく!!」
 
  「はぁ!?」
 
  「好きでも嫌いでも愛しても憎んでもいないけど、ついていく!」
 
 
   
   あの夜からもう一週間が経過している。
 
  人識はこの少女を幾度となく殺しにかかったが、彼女は死ななかった。
 
  いや、人識が失敗を繰り返しているだけなのだが。
 
  本来、この少女は生きていてはいけないのである。
 
  初めて人識に会った瞬間に殺されているはずなのである。
 
  しかし、この少女はいま、人識の少ない有り金で買ったアイスを落としてしょぼんとしている。
 
  ・・・おそらく、”雰囲気”だ。
 
  彼女の放つ雰囲気こそが、全ての理由だろう。
        .  .  .  .  .  .
  それに、もしかしたら。
 
  この少女は、零崎 なのかもしれない。
 
  殺気のない零崎なんて異色のなかの異色かもしれないが、ありえなくはない。
 
  「いつか、兄貴にあわせてやる。」
 
  「・・・兄貴?」
 
  「そうだ、俺の兄貴だ・・・変態の。」
 
  「変態!?」
 
  「あぁ、そう怖がんな。家族には優しいからさ。」
 
  「そう、なんだ。・・・なんて呼んだらいいかな?」
 
  「・・・”お兄ちゃん”とか?」
 
  「お兄ちゃん!」
 
  「多分そんな感じだとおもうけど。」
 
  ふーん、と言ってから少女は空に向かって”お兄ちゃん”を連呼し始めた。
 
  「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん
 
  お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん・・・」
 
  殺人鬼は耳に指を突っ込むことで、この騒音をシャットアウトした。
 
  なんとも言えないような、ほのぼのとした日々が過ぎていった。    
 
 
 


・・・と書いてきましたが、ものすごく長くなりそうなので、二つにくぎることにしました。
ここまで読んでくださった方々、お手数ですが、後半を開いて読んでいってくださったら光栄です。
  
  『予定通り』とでもいうような激しい攻防。
 
  そして、膠着。
 
  向こうは心臓で、こちらは両眼。天秤にかける必要などまったくないくらい、
  重さの違いは明らかだが、相手がすこしでも動いたならば、ぼくは両眼を破壊できる。
  
  逆もまたそう。
 
  ぼくがすこしでも動こうものならば、相手は胸に突き立てたナイフを押し込むだろう。
 
  ゆえに、膠着。
 
  そのままの姿勢が五時間ほど、あるいは五刹那ほど続いて、
 
  「―傑作だぁな」
 
  と。
 
  相手はナイフを捨てた。
 
  「―戯言だろ」
 
  と。
  
  ぼくは指を引いた。
 
  相手はぼくの上から退く。ぼくは身体を起こして立ち上がる。
 
  ぱんぱん、と ぼくは服についた砂利を払い、それからゆっくりと背伸びをした。
 
    まるっきりこれは予定調和の茶番劇だった。こういう結果になることは分かりきっていたことで、
  だからまるで夏休みの宿題を終わらせたときのような脱力感のみが、今のぼくの身体を支配していた。
 
  「―俺は零崎ってんだ」
 
  ずれてしまったサングラスをかけ直して、相手―零崎 は言った。
 
  「零崎 人識。で、お前は誰よ?そっくりさん」
 
  ・・・零崎?0裂き?―殺人ギルド零崎一賊!!
 
  「・・・おーい、大丈夫か?」
 
  「―!」
 
  はっとする。
 
  あまりの偶然に、ただ驚くしかなかった。
 
  「ぼくは名乗らない主義なんだ。でも、あえて・・・あえて名乗るのなら―」
 
  「?」
 
  「―ゼロザキ ムイシキ。それがぼくの唯一の記号」
 
  確信した。これは必然だと、ぼくはそう思えてならなかった。
 
  ぼくと零崎 人識は、
 
  流血でつながる家族の一員であって、
 
  水面に映った向こう側であり、
 
  ぼくであり、
 
  人識である。
 
  「お前も、零崎・・・なのか?」
 
  サングラス越しでもわかる、驚愕と疑惑の表情。
 
  それが次の瞬間、間の抜けたにやけ顔へと崩れた。
 
  「今日はとことん傑作だ。偶然か、必然が、突然襲ってきやがった。
  ふぅん、ムイシキね・・・。自然なようで不自然なわけだ。
  俺は鏡の向こうでも零崎なのか」
 
  傑作にも程がある、と言って 人識は土手に向かって歩き始めた。
 
  そして、土手の半ばで座り込むと、来いよ と笑った。
 
  「かはは、お前とは仲良くなれそうだ」
 
  「仲良くも何も、ぼくと 人識は 同じなんだから」
 
  「・・・それもそうだ」
 
  人識は肩をすくめて かはは、と笑った。
 
  ぼくは笑わなかった。
 
 
 
  これが。
                          ファーストコンタクト  
  これこそが 殺人鬼 と 殺人鬼 との 第一接点
 
  奇しくもその日は、十三日の金曜日だった。
 
 
  対峙する 鏡の両面 。
 
  血に染まった、真紅の鏡―。
 
 
 

  ・・・はい。
  
  ということで、真紅の鏡 でした。
 
  設定としては、「いーたんが、零崎だったらどうだったんだろうな・・・。」
 
  ・・・です。
 
  本文は、ほとんど原作様からのいただきものですが、楽しんでいただけたでしょうか?
 
  これからも、こんな感じで書いていこうと思います。
 
  では、また・・・。
 
 
  

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