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僕は運よく出産に立ち合うことができました。
これから父親になる方、出来る限り出産には立ち合って欲しい。
僕が出産に立ち合った時は、妻が陣痛の痛みから、僕に対する言葉がかなりきつくなりました。
手を握ってても、「はなしてっ!」って言われて振り払われ、「あなたには私の苦しみがわからない!」とか「何にもしてくれないのに出てって!」とか、結構辛い言葉をあびました。
苦しんでる妻に何もしてやれない悲しさと情けなさでぶっつぶれそうになりました。
でもそんな時に妻のお義母さんがこんなことを言ってくれました。
「テツオさんがいない時は、あの子誰にも八つ当たりしないのよ。あなたにしか甘えられないのね。」
それでハッと我にかえった思いでした。
妻にとって、ひどい痛み、苦しみの矛先を、安心して向けることが出来る人間は、夫である僕だけだったんです。
甘えていい相手、頼りきっていい相手、八つ当たりしていい相手は、お医者さんでも助産師さんでもなく、ただひとり僕だけだったんです。
それを理解した瞬間に、自分の無力感、やりきれなさから解放されました。
確かに術的なことは、お医者さんや助産師さんにしか出来ません。
出産に立ち合う夫に出来る事なんて何もないかのようにみえます。
でもそうじゃないんです。
夫はそこにいるだけで、その役目をはたしているんです。
どんなに辛くても、妻は他人であるお医者さんや助産師さんに八つ当たりすることは出来ません。
でも夫にだけは出来るんです。
だからこれから父親になる人達、出来る限り出産には立ち合ってあげてください。
そして、自分の奥さんからの八つ当たりを受け止めてあげてください。
それが妻の出産で他の誰にも出来ない、夫の唯一の手助けです。
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